Great Expectations (Penguin Classics)

編集 Charlotte Mitchell , 序論 David Trotter
定価:¥ 862
マーケットプレイス価格:¥ 634 (税込)

出版:Penguin Classics
カテゴリ:ペーパーバック
ページ:544頁
JAN:9780141439563
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エディターレビュー
   ディケンズは、『Great Expectations』(邦題『大いなる遺産』)を自作の「小品」のひとつと考えていた。事実、『David Copperfield』(邦題『ディヴィド・コパフィールド』)、『Nicholas Nickleby』(邦題『ニコラス・ニクルビー』)などの重量感のある作品と比べると軽めな作品ではある。これは謎の恩人のおかげで元の身分から高い階級に引き上げられる少年を描いた教訓物語だが、長さで不足している分については、驚くべき登場人物の面々と魅惑的なストーリーによって埋め合わせがなされている。

   小説の冒頭で、孤児の少年フィリップ・ピリップ―― 通称ピップ―― は墓場でひとりの脱獄囚と衝突する。この恐ろしい脱獄囚はピップを脅して食べ物とやすりを盗んで持ってこさせる。もしもピップが一言でも他人に口外したら、「おまえの心臓と肝臓をえぐり出して焼いて食べてやる」というのだ。ピップは言われたとおりにするが、脱獄囚は捕らえられ、オーストラリアの犯罪者植民地へと送還される。

   墓場から小説を始めたディケンズは、急にそこを離れて主人公をミス・ハヴィシャムのひっそりとした家へと向かわせる。ミス・ハヴィシャムは、裕福だが少し頭のおかしい女性で、何十年も前に結婚式の日に恋人に婚約破棄されて以来立ち直れないでいる。ピップは、ミス・ハヴィシャムに養育されるエステラの遊び相手としてそこに連れて行かれる。エステラはまだ幼いが、ピップのごつごつした手や鍛冶屋見習をする境遇を言い立てて彼をいじめる。

    自分の手を恥ずかしいと思ったことなんて、一度もなかった。でも今は、なんだかみすぼらしい気がする。あの子の軽蔑のまなざしときたらひどく強烈で、伝染してきてうつったみたいだ。

   それは、ある意味ではピップが二度と回復できない「伝染病」だった。ミス・ハヴィシャムやエステラにじらされて過ごす時間が増えてくると、ピップは後見人である親切な鍛冶屋のジョーや幼な友だちのビディに不満を抱くようになる。数年たってピップが名前も知らない恩人の遺産相続人となったとき、彼はこの機会に乗じて今まで暮らしたこの地と友人を捨ててロンドンに出て紳士になろうとする。しかし、遺産を相続するというのは、諸刃の剣のようなもので、期待とは相当違うことを悟る。

   かの小品『A Tale of Two Cities』(邦題『二都物語』)もそうだが、『Great Expectations』はいつものディケンズ作品とは違う。ストーリーは暗く、ときに現実離れしていて、作者の得意なコミカルな登場人物とかコミカルな仕掛けもほとんど見当たらない。それでも、これは間違いなくディケンズの小説中最も魅力的なものである。ディヴィド・コパフィールドやマーティン・チャズルウィットとは違い、読んでいてもピップにとって物事がうまくいくとはとうてい思えない。ディケンズ本人も自信がなかったらしく、この小説には2種類のエンディングを書いた。

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