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The Great Gatsby

ナレーション Alexander Scourby
定価:¥ 1,862
マーケットプレイス価格:¥ 1,405 (税込)

出版:BBC Audiobooks
カテゴリ:CD
JAN:9781602834125
Amazon.co.jp 売上ランキング:本で4865位
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エディターレビュー
1922年、F・スコット・フィッツジェラルドは、「何か新しいもの、斬新で美しくて質素なもの、手のこんだ構成のもの」を書くと宣言した。それが、彼の代表作にして最高傑作である、『The Great Gatsby』(邦題『グレート・ギャッツビー』、または『華麗なるギャツビー』)だ。「ジャズ・エイジ」の光と影を描いた本書は、狂欄の1920年代の雰囲気をとらえた小説で、「アメリカの神話」の中で不動の地位を占めている。

   貧しさの中から身を起こし、裕福になったジェイ・ギャッツビーは、フィッツジェラルド、あるいはアメリカそのものにつきまとう、金や野心、貪欲さ、進歩主義信仰などの強迫観念を象徴する。
 「ギャッツビーは、緑の灯火を信じていた。お祭り騒ぎは、年々かげりを見せはじめているというのに、未来は明るいと信じていた。いざ、その時が来て、明るいはずの未来が素通りしていっても、たいした問題ではない。明日になれば今日より速く走ることができるし、大きく手を広げることもできるから…そしてすがすがしい朝が――」
   夢の実現と崩壊を描いたこの小説は、「アメリカンドリーム」に一種の警鐘を鳴らす作品なのだ。

   この小説は、デイジー・ブキャナンに対する、ギャッツビーのかなわぬ思いを描いたラブストーリーでもある。2人の出会いは、物語の始まる5年前。若きデイジーはケンタッキー州ルーイヴィルの伝説の美女、ギャッツビーは貧乏な将校だった。2人は恋に落ちるが、ギャッツビーが海外出征している間に、デイジーは、粗暴だが非常に裕福なトム・ブキャナンと結婚してしまう。

   戦争から帰ってきたギャッツビーは、なりふりかまわず、富とデイジーを追い求めることに没頭する。やがて、当初は目的にすぎなかった富が、デイジーを手に入れるための手段になっていく。
 「彼女の声は金でいっぱいだ」
   これは、ギャッツビーが、この小説の中でも特に有名なシーンで発する賛辞の言葉である。

   金持ちになったギャッツビーは、デイジーの住まう高級住宅地のイースト・エッグと、ロングアイランド水道を挟んで向かい合わせの地所に大豪邸を購入し、ぜいたくなパーティーを開いて、デイジーが現れるのを待つ。そして、彼女が登場すると、物語は、ギリシャ劇につきものの、悲劇的な様相を見せはじめる。かたわらで冷静な目で見ている隣人のニック・キャラウェイは、終始「コロス」を受け持つ。無駄のない文章、 洗練されたストーリー、透き通った文体。『The Great Gatsby』は優れた詩文でもある。

レビュー
カラマーゾフと比べるなんて・・・。 Date:2010-03-13
おすすめ度
今ごろ「グレート・ギャツビー」を読んだ理由はただひとつ。ランダムハウス社「20世紀の英語小説ベスト100」の2位にランクされていたから(1位は「ユリシーズ」)。

そこまでの本ならば、読み忘れは許されません。

村上春樹の新訳は絶賛されているようです。同氏自身がギャツビーに心底惚れ込んでいる。それが解説なども含め、なみなみなぬ思い入れで語られている。ギャツビーを「カラマーゾフの兄弟」に匹敵するとまで言っています。

え?そこまで言う?。これがドストエフスキーに??確かに、ヘミングウエイなどと並べアメリカ文学を論じれば、ギャツビーが高い位置を占めるんでしょう。でも、例えば「海外小説の史上ベスト100」(「考える人」2008年)では、26位程度となります。カラマーゾフ(同3位)と比べるなんて、ちょっと・・・。(ちなみに同1位は「百年の孤独」2位「失われた時を求めて」)

28歳でこの小説をものにしたスコット・フィッツジェラルドの早熟振りは驚くべきものがあります。全体を覆う詩情。特に、単純なアメリカン・ドリームに陰を投じたなんとも言えない切なさが本作の魅力でしょう。

しかし、全体のコンパクトなボリューム感と、その「詩情」のわりに、無理やり詰め込まれたような印象のドラマチックなストーリーに違和感を覚えるのと、語り手ニックに感じる共感の割りに、ギャツビー本人に対して手応えがないところはどうしようもありません。

筆者としては、ウィリアムズバーグのアメリカ版「明治村」に感じた、あまりにも何もない底の浅さというのに近い感覚を持ちます。一皮めくると何もないアメリカ。いい意味でも悪い意味でも。だからしがらみなく、単純明快に、人間の鋭角的なエネルギーを強烈に放射できる。そんな国、アメリカ。それは、人間の「獣性」への接近ともイコールで、文学の深みからは対極にあると感じざるを得ません。

そして強く感じたのが、これが村上春樹のルーツそのものということ。まさに彼の文体から「詩情」の全てまで。功なり名を遂げた安心感から、自らの「ネタバレ」をできるまでになっただけ、というのは嫌味すぎるでしょうか?
文学的金字塔 Date:2010-03-04
おすすめ度
流麗かつ音楽的な文体で綴った、ひと夏の物語。

文章から情景をイメージする力、詩的なものに対する感受性が相当に発達している人、
あるいは当時のアメリカ社会に精通した人でない限り、
この作品のエッセンスを汲み取り、味わうのはほとんど不可能に近い。

他に光文社古典新訳文庫から『グレート・ギャッツビー』が出版されているので、購入を検討されている方はそちらもチェックして頂きたい。
村上春樹ファンなら必読の一冊 Date:2009-12-11
おすすめ度
派手で空虚なパーティに明け暮れる、自堕落で破滅的な登場人物達は、
時代背景を抜きにしても、現代の日本人の価値観からは共感しづらいかも
知れない。

それでも、ギャツビーの純粋さと孤独には、彼のために物語を書くだけの
強い説得力を感じた。
「ノルウェイの森」の主人公が、どうしても直子の物語を書き留めなくては
ならないと感じたように。

最後の数ページの描写は、限りなく美しい詩のようだ。
情景が目に浮かぶような海岸の夜の風景に、主人公が馳せるギャツビーへの想いが
静かに深く重なっていく。
その奇跡のようなバランスは、まさに芸術と呼ぶにふさわしい。

翻訳の文体だけでなく、全編を通じて流れる喪失感からも、村上作品に
通じるものを感じる。
「この作品に巡り合わなかったら、小説を書いていなかったかも知れない。」
というほど村上春樹氏が絶賛する本であり、評価は相半ばするとしても、
村上春樹ファンなら一度は読んでみる価値のある作品だと思う。
Old Sport、という奇異な響きが頭から離れない。 Date:2009-11-11
おすすめ度
かの村上春樹氏が人生の中で出会ったもっとも重要な書物を3つあげろと言われたら、
カラマーゾフの兄弟
ロング・グッバイ
グレート・ギャツビー
の3つをあげる。しかし、一つだけ、といわれたら間違いなくグレート・ギャツビーを選ぶ、とおっしゃるほどの作品。早速、村上版グレート・ギャツビーを読んでみました。 あっという間に引き込まれて1日で読んでしまいました。

舞台は1920年代のアメリカ、謎を秘めた成り上がりのリッチな若者、ギャツビーのミステリアスな半生をその友人の目を通して語るもので、全篇に切ない純愛と少しのミステリが織り交ぜられ、物語が非常に美しい文体で語られています。村上氏は、残念ながら日本語ではこの作品のすごさは理解し得ない、しかし、現時点で最高の訳を作りたくて新訳を出されたと言います。
確かに、修辞、語順など相当工夫して訳しておられます。ギャツビーが英国でみにつけたと思しきOld Sportという親しい友人を呼びかける言葉、アメリカ的にいえばBuddyとかMy friendのような意味だと思いますが、これが相当頻繁に出てくるため、熟慮の結果『オールド・スポート』とそのまま訳すことにしたとのことです。最初、相当奇異な感じでしたが、同じ英語でもアメリカ人には奇異な表現であることを考えれば、決して妥協の産物ではないと思いました。しかも、途中で慣れてきて違和感を感じなくなりました。日本語では理解しきれないのかもしれないが、珠玉の文章の美しさには魅せられました。
読むほどに、人生を深く愛おしく感じる小説 Date:2009-11-03
おすすめ度
 15年前10代の時に初めて読んだグレートギャッツビーは、訳の違いもあってか始めの10ページ
で挫折した。その苦い感覚もあり、各所でグレートギャッツビーが絶賛されるのを横目で見ながら
手に取れずにいた。

 30を過ぎて、ふと手に取った。1回目は、他の小説と同じように最後まで読み通したという程度
のものだった。しかし、気がつけばふと手に取り、偶然開いたページに暫く読みふける。あらすじ
は当然知っているので、その後のまたはそれ以前に起こった登場人物達の出来事を思い、胸が苦しく
なりページを閉じる。数日後、その数日後何度も同じことを繰り返していた。

 そのうち、「これはなんなんだろう」と思いはじめた。グレートギャッツビーで語られること、
もしくはそれぞれの頁で起こる出来事、語られる言葉、行動にストーリーやプロットという一言では
言い表せない大きなうねりのようなものを感じるようになった。

 電車の中で、フローリングの床で、グレートギャッツビーを胸に抱き目を閉じる。
 自分は何者でもないが、それでいいのだという大きな安堵に包まれる。
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