ねじ曲げられた桜―美意識と軍国主義
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ユーズド:¥ 2,300より »
出版:岩波書店
カテゴリ:単行本
ページ:621頁
JAN:9784000017961
Amazon.co.jp 売上ランキング:本で417071位
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レビュー
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学問の深遠さを感じさせる好著 Date:2009-04-11 おすすめ度 ![]() 岩波書店から出版され、600ページのボリュームをもつ学術書ですから、読むのに時間がかかりましたが、記載内容の多彩さと奥深さ、そして浮かび上がる事柄の一つ一つが知的好奇心を満たすものでした。また特攻隊の手記は涙なくしては読めません。 筆者の大貫恵美子氏は象徴人類学がご専門で、ウィスコンシン大学研究専任教授でありアメリカ学士院正会員です。 今も花見で賑わう城跡に桜が意図的に植えられたのは、国家ナショナリズムの重要な形成期である日清戦争直後からだそうです。満州や朝鮮といった植民地に桜を植えていったことも日本のシンボルだからで、その意図を明確に説明しています。 日本の花「桜」が、近代国家のナショナリズムを形成する過程において、軍国主義を象徴するイメージとしていかに形作られていったかを歴史的な事象を丁寧に説明しながら解き明かした過程は見事でした。 「花は桜木、人は武士」と江戸時代から言われていた言葉を受け、「若くして死ぬからこそ美しい人生」であり、そこから「若い兵士が桜のように散る」というイメージを齎したかがよく理解できました。 内容は、桜の花と生と再生の美学、もののあわれの美的価値―咲く桜から散る桜へ、仮想の世界の美と桜―自己と社会の規範を超えて、文化的ナショナリズムと桜の花の美的価値、天皇の二つの身体―主権,神政,軍国主義化、桜の花の軍国主義化―桜の花が戦没兵士の生まれ変わりになる過程、国土の象徴としての桜の花―民衆の軍国主義化、「運命を選ぶ自由」―特攻隊の成り立ち、特攻隊員の手記、国家ナショナリズムとその「自然化」の過程、グローバルな知的潮流を源泉とする愛国心、幹を曲げられた桜、注、引用文献、付録―特攻隊員4人の読書リスト、索引、となっています。 |
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靖国に行くんですか? Date:2007-02-01 おすすめ度 ![]() 「バカボム」というものがある。 バカボンではない。Baka bombと英語表記されているのは、旧日本海軍の人間ロケット弾「桜花」のことである。 私の家にある「日本軍用機写真集」に載っている、この爆撃機にぶら下げて運ぶ、ロケット弾3基を搭載した特攻兵器を発見した、中学生の息子は、その兵器の存在に半ば呆然としていた。 では、なぜこのようなものに搭乗して、当時の日本の若者は散っていったのだろうか? この本は「桜」に託される日本人の美意識や、郷土への思いが、いかに明治以降、軍国主義に捻じ曲げられ、「天皇即国家への犠牲」への象徴となったかを解き明かすものである。 また、著者のもうひとつの使命的動機としては、日本では右翼のよりどころとされ、教科書から抜け落ち、海外では理解しがたい狂気の国家主義とみなされる、特攻隊員の手記を、学術的に分析し、その思想体系を探ることにある。 おもに「学徒出陣」した5名の将校の手記を分析しているのだが、彼らは驚くほどのインテリ、(全員で読破した図書は、フランス語、ドイツ語の原著を含めて1400冊!)思想においてきわめてコスモポリタンな資質をもっていた。 マルクス主義者もおれば、敬虔なキリスト教徒もいる。戦時中の軍国主義的イデオロギーに従っていると思われる人物さえ、その心中は苦悩に満ち、決して国家のためによろこんで命を捧げたのではない。 では、なぜ?という問いをもう一度うかべる。 「桜」というものが象徴する美意識。それに対する国家と民衆の「誤認(メコネサンス)」。 歴史のエージェント達が標榜する国家主義、理想主義が、いかに、民衆の持つ郷土、家族への愛情という「象徴的誤認」をともなって浸透していったか。 靖国神社に行く前に、一度読んでみてください。 |
