小学校でなぜ英語?―学校英語教育を考える (岩波ブックレット)

価格: (税込)
出版:岩波書店
カテゴリ:単行本
ページ:70頁
JAN:9784000092623
Amazon.co.jp 売上ランキング:本で47506位

[ Amazonの詳細ページへ ]
エディターレビュー
 「総合的な学習の時間」が導入され、国際理解教育の一環として「英語」を取り入れる公立小学校が出てきている。あくまでも「総合的な学習の時間」の趣旨に則ったもので、本格的な「英語教育」ではないが、“小学校から英語を教える”という話題だけがひとり歩きしてしまったようだ。「英語を身につけさせるには小学校から教えるべきだ」と歓迎する声も少なくない。そんな動きに対し、再考を迫っているのが本書だ。「小学校への英語教育導入に反対」の著者が、なぜ反対するのかを、理由を明確に示しながら分かりやすく論じている。

   まず、「国際理解」に大切なのは子どもたちに世界の多様性を教えることであり、安易な英会話の導入は「英語優越主義」を植え付ける危険があると、著者は警鐘を鳴らす。そのうえで、子どもが苦労なく外国語を身につけられるのは、その言語で日常的にコミュニケーションが行われる環境にいる場合であり、“早く始めるほど英語がよく覚えられる”というのは幻想に過ぎないと断言する。

   では、小学校では何をすべきなのか。大切なのは言語に対する「意欲」と「感性」を磨くこと。具体的には、母語教育と連携して、言語のおもしろさ、豊かさ、怖さを教えるとともに、言語は人間に平等に与えられたもので優劣はないと気づかせることだという。豊かな英語教育、言語教育のあり方を冷静に考えていくためにも、著者の主張に耳を傾けるべきではないか。(清水英孝)

Amazonレビュー
amazon検索