蟹工船 一九二八・三・一五 (岩波文庫)
価格:¥ 525 (税込)
出版:岩波書店
カテゴリ:文庫
ページ:272頁
JAN:9784003108819
Amazon.co.jp 売上ランキング:本で146101位
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レビュー
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『一九二八・三・一五』について。 Date:2009-12-18 おすすめ度 ![]() 筋書きは尻切れだが、とにかく理想が美しい。あと拷問描写がかなりリアルである。 社会主義が全否定されても青年の真摯な思いは否定し得ないのだな、と感じた。 |
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★無神論・唯物論という名のカルト宗教が共産主義★ Date:2009-04-10 おすすめ度 ![]() 本書を読み、共産主義という思想に興味を持たれた方に一言。 オーストリアの大哲学者ウィトゲンシュタインは、 「宗教否定から発生した宗教は狂気を極める」と述べていますが、 一九二二年にレーニン革命政府に国外追放されたロシアの賢人ニコライ・ベルジャーエフが指摘しているように、 唯物論・無神論に基づき宗教を全否定する共産主義こそカルト宗教そのものです。 日本共産党に一九三一年入党し二年後に離党した埴谷雄高が、日本共産党員であった頃、 他の党員同士がいつも、何のためらいもなく「誰を殺そう」と会話しているのを聞き、 次のように回想しています。 「(日本共産党の)党員となってしまえば、なんらの代償なしに人を殺しうる権利をもつこと、 また非党員はそのどれでも任意に取りだして殺されるべき単なる標的として存在することの不思議なほど自然な暗々裡の承認があった」 (『埴谷雄高政治論集』講談社文芸文庫) 共産主義というイデオロギーは、殺人を正義と見なす狂った復讐の宗教であり、 この思想に傾倒することは、文字通り「悪魔に魂を売り渡す」ことを意味します。 「共産革命に敵対する勢力を皆殺しにすることは絶対の正義である」とする共産主義者の狂信こそはオウム真理教のポアの思想と全く同じです。 「正義の仮面を被った憎悪と嫉妬の殺人鬼」にならないように気をつけてください |
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格差社会を考えるときにぜひ一読を Date:2008-01-15 おすすめ度 ![]() オノマトペの多用、しっくりこない比喩。そうあげつらうと駄作と評しているみたいなのですが、労働者の沸々とした怒りを荒々しく表現しているのに効果を与えているようです。ダイナミズムが生まれていると言えば、より自分の気持ちに近いかもしれません。 搾取される労働者の怨嗟が爆発するまでの光景が、肌を刺すオホーツクの寒風のように脳裏に突き刺さりました。 死と隣り合わせの蟹工船の労働者ほどではありませんが、低賃金重労働で喘いでいるのは、現代のワーキングプアも同じだと思います。今と符合するエピソードがいくつも見受けられました。時代が巡って、現代において再び注目されるべき作品だと思います。 読んでいて作者は思想云々より弱いものが団結することの重要さを説いている気がしました。 しかし、こんな扇動的な小説を書いたら特高に捕まるのは火を見るより明らかだろう。 命を賭してこの作品を書いた小林多喜二の人間性に頭が下がる思いでした。 |
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蟹工船 Date:2006-10-21 おすすめ度 ![]() 読んでいて初期のゴッホが思い浮かんだ。輝くような色彩ではなく、モノクロームを基調とした暗い画面の中にモチーフの実在をえぐり出そうとしていた頃のゴッホの絵が。 私のような者が文学の技術的な側面を語るのはおこがましいが、小林多喜二は決して器用な小説家ではなかったように思う。プロレタリア文学の運動がどういうものであったかは知らないが、多喜二は、あくまで目の前の状況を描ききろうとする中でしか言葉を見つけることができない作家だったのではないか。 それでいて、「蟹工船」の煩雑で無骨な情景描写は物語が進むにつれ鋭さを増し、異様な緊張感が読者を引き込んでいく。命懸けでオホーツクを行く労働者達の現実に迫ろうとする作者の心が、この斬りつけるような生々しさとなっていったのだろうと思う。 思想が自分達を救うと信じる人々の姿が、現代を生きる我々にどこか愚かしく写るのは否めない。だが作品を貫いている強い思いに、読む者は書き手の正直な姿を認めずにはいられないのでは。 |
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荒削りな文体、剛直の文学 Date:2005-03-25 おすすめ度 ![]() プロレタリア文学の金字塔『蟹工船』と日本共産党に対する大弾圧事件を描いた『一九二八・三・一五』を収録。実際の体験を下に活動家たちの際立つ個性を重層的に描いた後者に対し、前者は綿密な取材の下に被搾取者たちを集団としてダイナミックに描いています。 葉山嘉樹『海に生くる人々』の影響下にあるとはいえ、『蟹工船』はやはり素晴らしい。荒削りな文体、未熟な表現、素朴な擬音描写にもかかわらず、これらが輻輳して重厚で厳しい文学に結実しており読者の心を激しく揺さぶります。名作はその瑕瑾ですら魅力であるといわれますが、この作品はまさにその典型。 赤軍の血腥い犯罪行為や社会主義体制の崩壊を知る我々にとって、「組織」や「闘争」の論理に貫かれた本作品の剛直さには歴史的な古さ感じさせ、場合によっては皮肉な感情をも惹起します。しかし作品を貫く著者のヒューマニズムには時代を超えた普遍性があり、これからも読み継がれる力を持っていると思います。 |



