梅原猛の授業 道徳

定価:
マーケットプレイス価格:¥ 1,404 (税込)

出版:朝日新聞社
カテゴリ:ハードカバー
ページ:262頁
JAN:9784022578112
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エディターレビュー
 「道徳」という、今では少々なじみが薄くなってしまったことばも、著者が口にするとにわかに新しい輝きをおびて響く。前著『梅原猛の授業 仏教』につづく本書は、江戸時代から現代にいたる道徳の変遷、宗教の問題、これからの時代にふさわしい道徳のあり方などを考察する。中学生を対象にした授業が基になっているため、奥深い内容ながら語り口は親しみやすい。幅広い世代に読まれるべき書物だろう。

   近年、企業や官僚などの不正は止まるところをしらず、血なまぐさい事件もあとをたたない。著者はこれを日本人全体の道徳心が低下しているためと見る。戦後おざなりにされてきた道徳教育を早急に立て直す必要があるというのだ。そうした声は決して少なくないが、本書で語られる道徳論は、頭でなく魂に呼びかける独特の説得力を持っている。

   著者はまず、道徳を人間のみならず、動物にも本来そなわっているものとする。その根本は親が子を思う心にある。見返りを求めず子の幸せを願う気持ち、家族を守り、生かすための努力、こういった自然なこころの動きが道徳の基本だというのだ。観念的になりがちな議論に、ざっくり「情」をもちこむ大胆さがいかにも著者らしい。そのうえで、「自利利他」(自分を利し、他者をも利する)の精神、人間もまた生物の一員であるという自覚をもつことが、これから求められる姿勢だとする。じつに壮大な道徳観ではなかろうか。

   著者の言うとおり、新しい道徳をめぐる模索は始まったばかりである。だが、その曙において、本書のような1冊を得たことはまことに幸いというべきだろう。読み終えたあと、誰もが「自分にとっての道徳とはなにか」を考えてみたくなるにちがいない。(大滝浩太郎)

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