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三万年の死の教え―チベット『死者の書』の世界 (角川文庫ソフィア)

価格:¥ 500 (税込)
出版:角川書店
カテゴリ:文庫
ページ:186頁
JAN:9784041981016
Amazon.co.jp 売上ランキング:本で58933位
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レビュー
中沢氏は学者というより詩人では? Date:2006-05-15
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チベット『死者の書』が難解なので、中沢氏の解説で分かるかもしれないと一抹の期待を持ちましたが結局、分かりませんでした。
中沢氏の著作は80年代に幾つか読みましたが、当時も今も何にも頭に残っていません。何か違うという直感が働き途中で読まなくなりましたが、今回読んでも変わりませんでした。
彼は学者というより詩人ではないでしょうか。言葉だけ追っかけた後、これってどういうこと? どういう意味? と問い返すと共通理解が全く成立しないのです。
「第一部『死者の書』のある風景」は、六道のカルマからの解脱を追い求めていますが、視覚だけに特化しているのが印象的でした。
宗派の違いがあらわれている Date:2005-05-19
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ゲルク派とニンマ派の死者の書の教義の違いがあらわれているのが顕著に解る。とはいえ、この書に違いが書かれている訳ではないが、ゲルク派版の死者の書の解説本を読んだ後にこの書を読むと良く解る。個人的にはゲルク派の教義が個人的にはマッチしている。この書でチベット仏教についての知識がまた一つ広がった。
チベット仏教への興味をかきたてる意味はある Date:2005-05-08
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この本で紹介されているのは、チベットの仏教のなかでも、もっとも古典的なニンマ派と呼ばれている教えに属するものである。ちなみに最も一般的で有名な宗派はゲルグ派と言って、歴代のダライラマもゲルグ派に属する。
さらに、本書の「チベット死者の書」というのは、その古典仏教の開祖であるパドマ・サンバヴァが、あまりにも高度すぎてその時の人々にはわかってもらえないだろうということで、その妻に密かに隠したという「埋蔵経典」が、その後、14世紀になってから「発見」され研究された究極奥義「ゾクチェン」について書いてある。
その経文をたまたま見つけたアメリカ人、エバンス・ヴェンツの紹介で、その頃盛んだったユングを中心とする心理学者や、フラワー・エイジ、LSDに夢中になっていた若者たちが、まさにルーツを見つけたとばかりに大きな広がりを見せた。
とはいえ、チベットではこの「死者の書」は、とてもマイナーであり、チベット人でも知る人は非常に少ないと思う。また、思うに、仏教の基本や、チベット文化・歴史を飛び越えて、このような「究極奥義」なんてものに珍しさのあまり、飛びついても理解できることは少ないか、また、多くのアメリカ人のように間違って理解してしまうだろう。
なので、なにかの入門というよりは、興味をわきたてる触媒と考えて、この本を読み終わってからじっくりとチベットの世界を紐解いてほしい。
個人的には、ミステリアスなチベットもよいが、今、チベットの人たちが置かれている状況をもっといろいろな人に理解してもらいたい。21世紀になって、チベット人が、敬愛するダライラマ14世の写真を持つと中国公安警察に逮捕されるってとんでもないことだと思いませんか?
**人類の知恵を感じる本** Date:2002-06-28
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 以前にNHKで放映された番組の台本である前半と「チベット死者の書」が属するチベット仏教ニンマ派の教えの精髄であるゾクチェンがオーストラリアのアボリジニの宗教観と類似を持つ点を指摘した後半からなります。

 前半は平易かつポイントを押さえた内容で、しかも写真が美しい。後半は比較文化的な視点でかかれており、やや専門的ですが、興味深い内容です。仏教の教えに過去仏(お釈迦様以前に現れた仏様)というコンセプトがありますが、こうした悟りの系譜というか、知恵の重層を感じさせる、読むと安心できる内容となっています。

 チベット仏教の紹介でもありますが、中沢新一ワールドの入門書としてもお薦めできます。

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