コーヒー・ハウス (講談社学術文庫)

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出版:講談社
カテゴリ:文庫
ページ:296頁
JAN:9784061594517
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「さまざまな意見の人たちが、コーヒーの香りと紫煙の中で、政治を論じ、権力を批判する」。17世紀半ばから18世紀にかけロンドンで繁栄した「コーヒー・ハウス」は、そんな場所だったらしい。時代背景といい、そのブルジョワ的喧噪ぶりといい、江戸時代の「浮き世風呂」や「浮き世床」を彷彿とさせるが、著者が「人間のるつぼ」と表現するこの市井のサロンには、政治家、芸術家、詩人、小説家、ジャーナリストから、政府の隠密、海運業者、株屋、はては賭博師、詐欺師、スリ、その他もろもろの犯罪者まで、およそ大都会にうごめくありとあらゆる人種が立ち混じっていた。その日常のにおい、出入りする「ボー(粋人)」「ウィット(才人)」の人間模様、政治・経済・社会的機能を、著者は、ダニエル・デフォー、ジョナサン・スウィフト、日記作家のサミュエル・ピープスらの記述、当時の新聞記事、広告などから、克明に活写している。しかし、そうして再現された「コ-ヒ-・ハウス」なるもののかたちは、町人だけの社交場だった江戸の湯屋とはかなり様相が違うようだ。
この「人間のるつぼ」は、政治的には「トーリー(保守党)」と「ホイッグ(自由党)」の苗床だったし、経済的には世界最大の保険機構「ロイズ」を萌芽させる土壌だった。文化的には、「詩人ジョン・ドライデンを中心として17世紀末のイギリス文学、とくに詩と演劇の分野に大きな影響を与え」「ジャーナリズム、エッセー文学の成立に貢献した」。そればかりか、たとえば、ロンドン大火(1666年)の原因として「カトリックの陰謀事件」を捏造するようなデマゴギー機関としての役割も果たしている。言ってみれば、ロンドンのコーヒー・ハウスは、イギリス18世紀文化の内臓機関だった。この本を読むと、それがよくわかる。(伊藤延司)
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