鳩の翼(下) (講談社文芸文庫)

翻訳 青木 次生
価格: (税込)
出版:講談社
カテゴリ:文庫
ページ:442頁
JAN:9784061975897
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エディターレビュー
   下巻は第7章から最終第10章までを収録。主要舞台はロンドンから、ミリーが宮殿を借りきって住み始めたヴェニスへと移る。

   ケイトは、いよいよ余命いくばくもなくなったミリーの遺産の恩恵に浴するため、恋人デンシャーになんとミリーと結婚することを提案し、ミリーには、自分はデンシャーを愛していないと告げる。それを真に受けたミリーは、彼への想いを一層募らせる。ヴェニスに残ったデンシャーは、ミリーとの面会を重ねるうち、特別な感情を抱きはじめる…。

   どこまでも実益を求める迫力に満ちながら、同時に嫉妬にも苦しみ始めるケイト。彼女の矛盾に満ちた人物像は、人間の複雑さの造形がことごとくみごとな本作にあっても、その最たる成功例といえる。ケイトとデンシャーの関係の行方は、最後の1文まで予断を許さず、意外とも必然ともいえる結末が待っている。ジェイムズが執拗なまでに描写する人間心理の底知れなさが、読後しばらく余韻となって残る。(岡田工猿)

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