自衛隊「影の部隊」―三島由紀夫を殺した真実の告白

価格: (税込)
出版:講談社
カテゴリ:単行本
ページ:241頁
JAN:9784062107815
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エディターレビュー
 「戦後史最大の謎」とされる「三島事件」(1970年11月25日)の真相を、元自衛隊陸将補が初めて語った本である。

   著者の山本は当時、共産党が「影の軍隊」と糾弾する「自衛隊調査学校」の副校長を務めていた。三島由紀夫とは「楯の会」の指導を通じて知り合い、その思想と行動倫理を最もよく理解していた人といわれている。しかし、自衛隊を「国軍」として認めない現行憲法体制の打破と、日本の伝統と文化を守る祖国防衛体制の確立を唱えていた三島が、やがて割腹自殺に至る紆余曲折を、つぶさに見ながら沈黙していた。その山本が、なぜ81歳の今になって「胸の奥深くに封印されまま、永久に葬り去られるはず」の真実を明かすつもりになったのか? 

 「人生の意味を否定されたとき人が見るという漆黒の奈落を、八十一歳にして初めて見た」からだという。山本にとっての「人生の意味」は、1954年に情報機関員の養成と対諜報活動の調査研究を目的に設立された「自衛隊調査学校」だった。しかし、仲間たちとともに「半生を賭けて築き上げてきた」この学校が、3月解体されてしまった。そのとき山本は心の中に響く自身の声を聞く。「あのことを語らねばならない時が来た…」

   三島は「美学を全うするために死に赴いたのではない」のである。1967年、初対面の山本が「書くことを通してでも、あなたの目的は達せられるのではないか?」と聞いたとき、三島は「もう書くことは捨てた。ノーベル賞なんかにはこれっばかりの興味もない」と怒鳴ったという。三島はすでに「クーデター計画」を持っていた。しかし、三島がクーデターの前提として期待していた自衛隊の治安出動は、1969年の「10・21反戦デー」が警察の力によって大過なく収拾されたことで、不発に終わった。この状況と「ジェネラル」たちの裏切りのために、三島はクーデターを断念する。そして、怒りで振り上げた刀のやり場に自衛隊を選び、「捨て石としての死」を遂げたのだった。

   山本は「三島の心の叫び」にこたえることができなかったわが身を深く悲しみながら、三島とのかかわりをすべて告白している。(伊藤延司)

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