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フラット革命

価格:¥ 1,680 (税込)
出版:講談社
カテゴリ:単行本
ページ:286頁
JAN:9784062136594
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レビュー
闘技的民主主義 Date:2009-08-11
おすすめ度
出版当時から議論を呼んでた一冊。著者の主張に全て賛同するわけではないけど、日頃から、匿名社会、匿名での発言を「悪」とする最近の風潮に疑問を持っていたので、大変、興味深く読めた。

単純にインターネットにおける匿名での発言の是非を議論しているわけではない。この現代のネット社会にはもっと深い問題がある。

闘技的民主主義っていい言葉だと思う。自分は闘技に向かい合うことができるか、考えさせられるなぁ。

ネット社会を描いた書物の中でも必読の一冊だと思う。
ウェブスフィアに構築する新しい価値観世界への課題提起 Date:2009-08-02
おすすめ度
想定していた内容と違っていましたが、考えさせられる論考でした。

重い内容の本で、読後は正直疲れました。おおきな意味では、
社会と個人の民主主義の変革をもたらした「仕掛け」は、果たして
「パンドラの箱」だったのか?それとも、人類に福音をもたらすのか?
という、同時代人がかつて経験したことのないウエブスフェアの上での
倫理、道徳、価値観のあり方を問うた力作です。

フリードマン『フラット化する世界』が有名にした、ネットをコア技術に
して広がる、ウエブスフィア。本書で言う、フラットな世界とは何か?
は、実は、最後の最後の、第四章で、「ことのは事件」で、著者が
書いたブログへの批判者の言葉に明確に登場しています。

匿名かどうかはともかく、サイコグラフィック、デモグラフィック的
な属性よりは、ネット世界で、その人が、何について、何を語ったのか?
(何の働きかけをしたのか?)ということがポイントであって、そういう
意味で、ウエブスフィアは、人民にとって機会が平等で「フラット」である
ということ。

著者は、長年のジャーナリストの経験と豊富な知見から、この「装置」の表面
で繰り広げられる、リアルとネットがオーバーラップする、個人とコミュニティ
社会体制、政治、事象、そして、宗教までをも撒きこんだ「坩堝」のあり方を
実際の取材、実例、ネットの「暗黒面」をもさらけだして、深く掘り下げて
いきます。

匿名と実名の発言と責任の取りかたを、ネット世界の根幹にすえた本書は、
誰でもブログなどで簡単に発言できる今日、その影響と、意味を考える必要
が、誰にでもあることを気づかせてくれます。
ネットの進展の真ん中で Date:2008-12-16
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「次世代ウェブ」という新書で気に入った、佐々木俊尚さん。この本では、ネット社会の流れを手放しで喜ぶばかりではなく、ネガティブな部分もあわせて紹介してあり、文章のキレもよく、すばらしい本でした。

この本の構成はおおむね4章に分かれるのですが、最初の章では、1999年に筆者が毎日新聞記者だったときのエピソードが紹介されています。

個人が事故現場の写真をネットに掲載し、それを毎日新聞が問題にした(つまり、責任あるマスコミならいいが、責任をともなわない個人がそんな報道まがいのことをしては良くない)というエピソードです。今なら普通のことですが、当時は筆者によれば「新聞社のインターネットに対する拒絶反応があった」ということで、ネット叩きが起こったようです。

そのようなエピソードから始まる本書は、いかにもネット礼賛に進みそうなのですが、そうではなく、ネットで起こっているリアルな問題にも触れているところが興味深かったです。

たとえば、Wikipediaの編集合戦や、「加藤の乱」について、加藤紘一がインターネットに乗せられてしまった面があること、そして最終章、筆者自身も巻き込まれたという「ことのは事件」の丁寧な紹介。そこでは可視化、が大きな論点となっていました。

これらをまとめると、第4章のタイトルにもあるように、「公共性を誰が保障するのか」という点が、筆者のもっとも関心のあるところなのかもしれません。

>世界で起きていることすべてがフィルタリングされ
>しかし砂糖菓子のようにくるまれた安心社会に
>戻るのか
>それとも生々しい現実と相対することが可能で
>しかし自分の頼る場所も見えなくなった浮遊社会
>へと歩みだすのか
>つまるところわれわれは、この二つの世界観の
>選択肢に迫られているのである。

本書で明らかに述べられているのは、既存の知識提供システムはもう終わっているということ。だけど、ではどうなってゆくのか、ということは、まだ誰にもわからないのでしょう。また数年後、この筆者の考えを読みたいなと思いました。

わたし自身はインターネットを楽しく使うだけの素人ですが、そんな素人にとっても面白い時代になったなあと感じています。これからの変化を興味深く見つめてゆきたいと思いました。
過渡期としてのフラット化 Date:2008-02-25
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 今まではマスコミの権威による「誰が」書いたのかが重要であったのが匿名記事の増加に伴い「何を」書いたのかという内容重視になってきています。誰もがマスコミと同等の発言力を持つ可能性がありネット社会によりマスコミ権威が脅かされている現状をフラット革命と呼んでいます。

 著者の膨大な取材により非常に内容の濃い1冊になっており楽しく読めました。結論としては失われた「公共性」が必要(しかしシステム化はほぼ不可能か)ということですが、問題提起としては有益な本であると思いました。ただしネット社会とは言っても本書ではあくまで日本国内のみ取り扱っていますので注意が必要です。

 新聞は絶対だと考えておられる年配の方々に是非読んでいただきたい良書だと思いました。
ウエッブ時代の元マスコミによるマスコミ批判 Date:2008-02-07
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氏はウエッブ2.0関連の著作が多く、少なからず私も読ませていただいたが、取材の濃さは本書が一番ではないだろうが。
自身が元マスコミであるということから来る使命感もあるのだろうが、冒頭の「元マスコミによるマスコミ批判」とでも言うべき某大手新聞社との対決劇は特に秀逸だ。
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