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蒼天航路 (1) (講談社漫画文庫)

価格:¥ 777 (税込)
出版:講談社
カテゴリ:文庫
ページ:449頁
JAN:9784062608725
Amazon.co.jp 売上ランキング:本で167741位
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レビュー
これはビジネス書です! Date:2009-10-21
おすすめ度
曹操を主人公にしたことで、
3人の英雄を、善悪の視点ではなく、
ある種公平な視点で読めるのが新鮮です。

3人を企業の経営者にたとえると、
曹操=部下ヘッドハンティング型
孫権=部下育成型
劉備=カリスマ社長型?
といったところでしょうか。

人材の使い方もそれぞれに
特長があり、良くできたビジネス本のように非常に
参考になることが多かった。
これはオススメですね。
蒼天に描かれるもの Date:2009-07-12
おすすめ度
基本クッソ面白い漫画なんですが、他の方も指摘されているようにこの作品の一番の要点であり急所が、完璧超人曹操というところなんですよね。

三国志解釈作品として見ると、物語全体としては優れた視点を持っているのに、この一点で台無しになってる部分が結構ある。
横山三国志の劉美君はまさに美しいだけで見ていてつまらない。逆に横山の曹操の「俺の言うことは正しい。俺のすることも正しい」というのは名言すぎる名言で、魅力的。
その「アンチな見方」が、この作品にも当てはまってしまう。蒼天の劉備はいいキャラクターだし、呂布も素晴らしい。

ただ、単なる一つの創作物語と考えると、別に完璧超人曹操に大した疑問を持つこともなくなるでしょう。
むしろ「他の欠点のあるキャラを引き立たせる完璧超人」という、なかなか面白い立ち位置のキャラとなる。
曹操に感心されたり、馬鹿にされたり、認められたり、試されているからこそ、曹操の軍師ーズは輝いているんですからね。


好きなエピソードは、北部尉と、呂布の白門演武と、官渡あたりです。
特に官渡の「無駄な才能がない人間は、強いが、強いだけ」という趣旨の曹操の言葉は至言だと思う。
もう漫画ってレベルじゃない Date:2008-02-05
おすすめ度
「その指、その手に、剣を握ればあるいは、天下をわがものにできるかもしれない」
という文から始まり、横山三国志では黄巾の乱(184年)からはじまりますが、こちらは曹操の幼少時代(165年)からはじまります。

恐らく最初のプロローグの雰囲気で普通の漫画とは根本的に違うことがわかると思います。
絵が美しく幻想的で、闇の中、雲に隠れた月が姿を表す様子を描くなど本当に美しい。
なにより絵とセリフがここまで美しく描写できてるのが漫画のレベルを超えてると思う。今までこんな演出を使った漫画見たことなかった。

特に戦争シーンは兵士一人一人が細かく描かれて、そこにメインを飾る豪傑たちの圧倒的な臨場感は漫画の表現の限界に達していると思う。
批評サイトに
「絵では手や正面からの顔の構図を描くのは難しくて、それと比べて蒼天航路は異常なほど手の描写にこだわっている」
という感想を見かけたんですが、なるほどその通りで上手い解説だなと思いました。

ですが、それ以上に蒼天航路が斬新なのは、まるで詩のような独特の会話にあると思います。
郭嘉の「私はあくまで西を向いております」とかかっこいい。
演出と伏線の区別が付かないような難解で幻想的な雰囲気を構築しています。
終始このクオリティで進み、18巻目に迎える最終話の、蒼天航路という題名も名前通りの意味だったと気づかされるような完結の見事さと感動は、漫画や娯楽としての域を超えたと思っています。

最後に長くなったので簡単に書きますが、今まで数々の三国志を見聞きしてきましたが、蒼天航路は三国志を扱ったものの中で最も詳しく専門的です。
モンゴル王を正式に単于と呼び、深刻だった儒者との対立を物語の主軸に構え、幼少期の曹操をアマンと呼ぶなど、それに名医カダの話の中での張仲景という人物も始めて知った。こんなことそこらで集めた雑学程度の知識でできるものじゃない。
無題 Date:2007-06-13
おすすめ度
この作品は魏の曹操を主役にした作品なのですが、
曹操が完璧すぎて、歴史物としてはかなり面白みに欠けます。
ようするに演義における諸葛亮が曹操に変わっただけ。
曹操が行った失策もすべて「すべて我が策通り」にされる為、人間味が薄い。

登場人物も基本、曹操の引き立て役。(この辺り、演義における周喩に近い)

作者の言葉ですが「この作品を描くまで三国志をまったく知らなかった」
そういった状態で書かれている為、いきなり話が飛ぶことも。
三国志を知らないと「え?なんで関羽が劉備の元に帰ってるの?」と混乱の底に落ちます。
(あの辺り、ゴンタさんは関羽が劉備の元に帰るのを知らなくてやりすぎたのではないか)
 
ですが、なかなかに面白い点もあります。
まず、斬新な独自の解釈が面白い。
劉備や、董卓などが演義で一般的に考えられている像の逆をいっているのが面白い。
劉備に関しては、本当の劉備はこんな人物だったのではとさえ思うことも。
(董卓に関しては微妙。 董卓はああいった武将的ではなく、優れた政治家として書いた方
 が実像に近かったのでは。 だって黄巾の乱の負けっぷりは・・・ねぇ?
 また、孫権のみ、演義に近い書かれ方をしているのもなんだかなぁ。
 劉備や諸葛亮であそこまでやったんだから「おそろしく嫉妬深く、事あるごとに兄の孫策を
 引き合いにするブラコン」ぐらいやってもよかった気が)

私個人としてもっとも高い評価を与えるのは赤壁の戦いですね。
諸葛亮陰謀説。 あの解釈は面白い。 なるほどな、と思います。

また、絵がすばらしい。 様々な試み(ゲルニカのパロディとか)もあり、
実に飽きさせない。

総評としましては
三国志物としては星2つ。
歴史物としては星3つ。
痛快娯楽歴史マンガとしては星5つ。
これだけ読んで三国志を理解したというには危険すぎるが、
痛快娯楽マンガとしてはなかなかの力作。
大河ドラマより、魁!男塾の方が好き!という人にはお奨め。
強烈なインパクトを残す異色の三国志 Date:2006-12-16
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三国志の曹操を主役にした作品ですが、あらすじは正史・演義どちらからもかなり逸脱しており(著者自身後に「三国志についての知識はあやふや」と語っています)また事象に対して説明が不足ですので、三国志にある程度の知識が無いと読むのが難しいかもしれません。

とにかく人間の心の明暗をそのまま形にしたような生々しいイラスト、あまりにも格好良すぎる登場人物たちのセリフが強烈なインパクトを与えてくれます。「曹操が美化されすぎ」と思う方もいるかもしれませんが、本作は著者が「外から」歴史として三国志を描いたのではなく著者の内側にある激情を三国志というモチーフに載せて表現した作品だと思います。その主役のして曹操は最高のモデルだったのでしょう。

個人的にはたいがい単純な悪役・愚将として描かれがちな袁紹・董卓・呂布などの描写も実に個性的で好きですね。こんなカッコイイ袁紹が見れるのは他に無いのでは(笑)

繰り返しになりますがとにかくセリフがカッコいいんです!本作は漫画でありながら、既に文学の域に達していると思います。
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