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呼人 (講談社文庫)

価格:¥ 700 (税込)
出版:講談社
カテゴリ:文庫
ページ:485頁
JAN:9784062734790
Amazon.co.jp 売上ランキング:本で459968位
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レビュー
微妙な判定 Date:2009-11-18
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理不尽な両親の人体実験で12歳で成長の止まった少年を主人公とする近未来SF。やや設定には無理があるがそれは問わない。小学校時代に3人組がマドンナを助け、多摩川の源流をたどるのが前半の山場で全体の複線となる。親友はそれぞれ成人し、一人は自衛隊のレンジャーとして北朝鮮へ潜入し負傷。一人はアメリカの金融業界で不正操作を指摘され服役。マドンナは不倫相手とやっと結ばれたもののやがて別れると決して幸福とは言えない人生を送っている。主人公は彼らの協力を得て、自らの出生の秘密を解明するため放射能に汚染されたヨーロッパへ赴く。やや尻すぼみの印象はぬぐえない。人生の残りが長く夢を見続けられるぎりぎりの年齢として12歳をとらえている。それは成長の止まった日本社会への暗喩でもある。

異色の作品 Date:2009-09-24
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この作品は他のものと比べて異色ではないかと思った。出だしは青春小説、中盤で得意のサスペンスの色が強くなり、恋愛は少しだけ。成長が止まるというファンタジーを読みながら感じた感覚は、村上春樹。でもこれらが淡々と続き、野沢尚のものにしては起伏がゆるいまま終盤へ。しかし、最後に一転抑えていた感情が噴出す。それまでのすべてが伏線だった。さすが。
こういうの好き Date:2008-02-02
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読み始めはまさにスタンドバイミーで、少し肌に合わないと感じていたのですが、作中で年月が流れるにつれ、どんどん引き込まれていきました。
手に汗握る自衛隊の独白はエンターテイメントとしてとても読み応えがあります。
「不老」の恐怖、「成長」の恐怖が相対的に書かれ、グローバルな視点からの史実も加わって、重厚な物語になっています。
当時書かれた近未来予想を今と比較しながら読んでみるのも面白いかも。
結末に納得できない Date:2007-06-17
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12歳で成長が止まった呼人。そこには科学者の恐るべき罠が仕掛けられていました。ストリーテリングに定評のある野沢 尚。確かにぐいぐい引き込まれます。それでも、この重い問題に、人間の根源と言える生と死について、このラストに納得できません。この問題を真剣に追い続けた末に野沢 尚は、とうとう抱えきれなくなったとしか考えられませんでした。確かに呼人がこの世に生を受けた事は呼人のせいではありません。人は自らの意志で生まれてくることはできませんから。それでも、呼人が死に至るまで苦しみ続ける(こんな残酷なことはありませんが)事の方が救いがあったような気がします。呼人を自ら人体実験にしたような母親に愛情があったとも思えませんでした。この結末を野沢 尚が希望の光として書いたとしたら、私には逆に絶望感しか残りませんでした。それでも、尚、多くの方に読んでいただきたい。科学者、生物学者の方のご意見を伺いたいところです。
全てが普通だった。 Date:2007-06-10
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夏休みを謳歌するごく普通の少年だった。

ところが、12歳を境に少年の成長が止まる。
少年の真の母親の秘密...それを知る育ての親。

呼人の自分探しと母親探し、仲良し3人組の潤、厚介のその後の人生、そこに小春の存在が相まって物語りは進んでいく。

周りから取り残された呼人の孤独感、そこに絡まる出生の秘密を基に展開していきますが、残念ながら、著者の意図通りに読者に訴えかけるものが有ったかというと若干の疑問が残るのではないでしょうか?

母親探しの為に命がけでベルギーへ出向くのは、分からないでは有りませんが、潤、厚介を伴い目立つ動きをして危険に遭遇するところはかなり無理を感じます。

小春と呼人の結末は、ほぼ予想通りの展開ですし、後半部分の盛り上がりに欠けるのが全体の印象として残った感は否めません。
来るぞ、来るぞと思っているうちに終わってしまいました。

決して駄作では無く、読者を引き込みますが、野沢尚著ということで期待が大きすぎたのも読後感に影響しているとは思います。
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