渡邉恒雄 メディアと権力 (講談社文庫)

解説 佐野 眞一
定価:
マーケットプレイス価格:¥ 832 (税込)

出版:講談社
カテゴリ:文庫
ページ:512頁
JAN:9784062738118
Amazon.co.jp 売上ランキング:本で274144位

[ Amazonの詳細ページへ ]
この商品は購入可能です
Amazon.co.jpのカートに入れる
発送可能時期:在庫あり。
エディターレビュー
戦後の読売新聞の成長ぶりは、日本の企業史上、特筆されるべきではないだろうか。戦前の新聞業界といえば朝日、毎日両紙の「朝・毎」の勢力が圧倒的。そのとき、両者に割って入る新聞が出てくることを予想できた人はまずいないだろう。それが、「朝・毎・読」となり、毎日の倒産劇を経て「朝・読」となり、ついには部数1000万という世界に類を見ない巨大新聞社になっていく。これが新聞社でなければ、ソニーやホンダ並みの評価を受けてもおかしくないサクセスストーリーだ。本書はそんな読売新聞の成長を支え、いまや「マスコミ界のドン」と呼ばれる影響力もつに至った渡邉恒雄にスポットを当てるとともに、マスメディアのあり方自体について問題提起した意欲作である。
圧倒的な成功の陰に隠れてはいるが、読売新聞の不幸は、必ずしも商品である紙面そのものが他を圧倒したといえないところにある。本書の中で、読売記者OBが「僕らの不幸は最も優秀な経営者をボスとして頭にいただいていることだといつも思っていた。正力(松太郎)さんは天才的な事業家だけど、新聞をチラシ広告と同じぐらいにしか考えていなかった。務台(光雄)さんも『販売の神様』であってジャーナリストではない。渡邊(恒雄)さんもジャーナリストというより政界の人…」と、読売の歴代トップを評している。つまり、経営手腕は認めるが、それと健全なジャーナリズムの確立とは違うということを言っているのだ。
実質上の3代目、渡邊恒雄は、政治部記者からトップに上り詰めた。本書によると、記者時代は、自民党の大物との交流を深め、保守の権化、反共の代名詞のような存在だった。しかし、学生時代には共産党活動に熱中し、挫折した経歴をもつ。社内の権力闘争にも同じようなことがある。自分が受け入れられないものには徹底的に反撃し、自分にすり寄るものは徹底的にかわいがる。このプロセスには、まるでジャーナリストとしての思考が見られない。記者出身であっても、あくまで政治屋としか評価されていない。
読売が日本一の部数を誇りながら、必ずしも日本を代表する新聞と評価されない理由はこの辺にあるのかもしれないと感じる。(高橋泰平)
Amazonレビュー


ライフログ - この商品を登録しているブログ
amazon検索