ダンス・ダンス・ダンス〈上〉 (講談社文庫)
価格:¥ 680 (税込)
出版:講談社
カテゴリ:文庫
ページ:415頁
JAN:9784062749046
Amazon.co.jp 売上ランキング:本で7250位
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トラックバックとかよくわからないけど、とりあえずテスト ダンス・ダンス・ダンス〈上〉 | Excite エキサイト ブックス > 書籍情報
いやあ、これって名作である。文章が素晴らしい。これまで、村上春樹の長篇は『風の歌を聴け』から『海辺のカフカ』まで、『ねじまき鳥クロニクル』を除いては読んできたことになる評者だが、これはいい。抜群。これまでのどの作品群と比べても、あたま一つ抜きん出た描写の勢いがある。舐めるように読んでおきたい、そして再度舐めるように読み返してみたい、そんな文体小説なのである。『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』が物語小説の代表作であり傑作とするなら、本書『ダンス・ダンス・ダンス』は文体小説の代表作であり名作と位置付けたい評者なのである。 ただ、少しだけ疑問なのが、本書は『風の歌を聴け』...
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レビュー
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上手く踊ろう Date:2010-02-03 おすすめ度 ![]() 青春三部作の続編。 とは言え、「羊をめぐる冒険」との間には「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」、「ノルウェイの森」が挟まっており、6年の歳月が経っている。 予期せぬ方向に話は展開し、死んでしまった鼠との約束を果たして帰路についてから数年。 「僕」は素晴らしく綺麗な耳を持つ「キキ」を探して、あの「いるかホテル」を目指して札幌へ降り立つ。 羊男に追われるようにして消えた「キキ」はどこにいるのか。 たどり着いた「ドルフィンホテル」は以前とまったく異なる近代化された高層ホテルへと変貌を遂げていた。 「羊をめぐる冒険」において「僕」を誘う案内人は「キキ」だった。 そしてこの物語の案内人は13歳の女の子「ユキ」。 芸術家と作家を両親に持つ美貌の少女は、時に不思議な能力を見せる。 物語は彼女をキーとして、様々な人間関係と事実関係が交錯していく。 何の手がかりもつかめないまま日々は過ぎるが、ふとしたことから再び羊男に出会う。 そこで羊男が「僕」与えたアドバイスは「とびっきり上手く踊ること」。 音楽が続くかぎり。 「僕」はステップを踏み始める、正確に、上手に。 奇妙なつながりを見せながら展開する話は、最後には意外な展開を見せる。 そして「僕」はひとまわりして再び「いるかホテル」のフロントで働くユミヨシさんの元へ帰っていく。 これだけの長編を最後まで淡々と、それなのに飽きもせずに一気に読ませる村上春樹のテクニックに驚嘆する。 私はこの本を読んでまだ飲んだことがなかったカクテル「ピナコラーダ」に憧れた。 今でもあのココナッツミルクの香りがするカクテルを飲むと、ハワイでの「僕」と「ユキ」の開放的なシーンを思い出す。 |
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〜 踊っていたのか、踊らされていたのか。80年代への問いかけ。 〜 Date:2010-01-11 おすすめ度 ![]() この作品の舞台は、1983年の3月から始まる。 そして作中、「高度資本主義社会」と「踊る」という二つのキーワードが、 これでもかというほど、繰り返し書かれている。 村上 春樹作品で、「やれやれ」以外の言葉が、こんなにも頻繁に出て くるのは、ちょっと他に記憶がないくらいに。 前作『羊をめぐる冒険』で、ある種古き良き時代の象徴として描かれた 「いるかホテル」は経済成長の波に飲まれ、そこにあった味わいが システム的な、オートマチックなものに変質している。 70年代までの、もっとシンプルな時代から、加速する時代のスピードの 中で、翻弄される人間、踊っているようで踊らされる人間の不思議な 不安定感が、作中ずっと靄のように覆っているのを感じた。 少し時期がずれるが、経済基盤が大きく揺らいだ、90年代の前半の 「ジュリアナ東京」の映像フィルムが、何度も頭に浮かんだ。あの、 狂騒と享楽の空気が、この作品では予見的に描かれている。 物語としても、とても引き込まれる前半だった。 ▼ 本 文 引 用 我々は高度資本主義社会に生きているのだ。そこでは無駄遣いが 最大の美徳なのだ。政治家はそれを内需の洗練化と呼ぶ(041) 人々は資本の有するダイナミズムを崇めた。その神話性を崇めた。 東京の地価を崇め、ぴかぴかと光るポルシェの象徴するものを崇めた。 それ以外にはこの世界にはもう神話など残されてはいなかったからだ(113) 踊るんだよ。音楽の続く限り(165) 匂いがきちんと匂い、涙は本当に温かく、女の子は夢のように美しく、 ロックンロールは永遠にロックンロールだった(342) |
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「世界」の「闇」のコンパクトさに注目 Date:2010-01-03 おすすめ度 ![]() 僕は80年代の幾つかの作品を読んで、そのひたすら感傷的なところ(=例、主人公がヤマ場でやたら泣くこと等)が鼻について長い間、春樹作品を放ったらかしにしてきた。春樹作品の読書を再開したのはここ2年程だが、そんなライト層の感想を以下に記します。 この作品の主人公が感じる「世界」は、イメージによる死者とのコミュニケーションが可能な場所と現実の世界の二つがある。この二つを繋いでいるのが自我の深層意識に居る「羊」であり、自我と死の世界の行ったり来たりを登場人物達は行っていくストーリーとなっている。こう書くと暗い話のようだが、ポップなリズムが読者を飽きさせないし、ほのかに明るい愛情に溢れた終盤は若々しくて好感が持てると思う。 ケチをつけるとすると、この作品の時点では作者は「世界」の「闇」を主人公目線の死のイメージで完結して捉えていたため、「闇」の広がりはコンパクトに収まっている。しかし、その後に作家自身が紡いだ幾つかの小説や「アンダーグラウンド」のような随筆でしばしば取り上げるように、「世界」の「闇」はもっと圧倒的で不可解である。そのような「闇」に踏み込んでいったというのは作家が進化していったということなのだが、20年前に挫折して以来、21世紀になってからやっと本書を読み終えた僕は、その後に春樹が辿った進化の過程も知ってしまってるので、少し物足りなさが残っている。 また、過度に感傷的なのもやはり気になった。この小説が書かれたのはバブル景気の入り口くらいなので非常に優雅なモラトリアム生活を主人公は送っているが、今の時代にはこの優雅な感傷はそぐわない。(もはや泣いてる場合じゃないのだ。)以上の点で星を削りましたが、上手な作品だとは思います。 |
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ダンスステップを上手に踏むように、私たちもこの社会で生かされていることに気づきました! Date:2009-08-30 おすすめ度 ![]() 僕という主人公は34歳。結婚していた女性に逃げられ、いまは一人暮らし。社会や人生が分かりかけてきた男にとっては、仕事も生き方も優秀でなければならず、ダンスのステップを正確に踏み続け、人からもホメラレルように踊り続けることが求められという暗喩が一環して流れるのがこの小説のテーマです。そのダンスステップがいい人生、と思われることに、主人公は疑問を抱き続けることに。 札幌の「いるかホテル」で働く女性と知り合い、互いに惹かれ合う仲となっても、二人はその気持ちを素直に表現できないでいます。そのホテルで出会うことになるのが、不気味な羊男。さらには、ひょんなことから主人公の僕は、13歳の少女ユキの身元引受人となり、東京、ハワイ。少女の家族とともに生活を共にすることになります。そして、身の回りで次々に起こる、身近な友人知人がまきこまれていく殺人事件。僕の成長と共に、失ってはならない女性、ユミヨシさんの手を放してはならないことを悟り、勇気をもって共に生きる道を選ぶすがすがしい恋愛小説になっています。 とても幻想的でありながら、村上春樹の小説は不思議なリアリティがあることに驚かされるばかり。ミステリーのようでいて、ナイーブな恋愛世界であり、洗練された都会的な状況設定の中で展開されていく物語には、読み進むにつけて目が離せなくなります。ベストセラー物に興味のないという人も、作家の力量と世界観には知らず知らずトリコになってしまうことでしょう。私もその一人で、ほんとうに脱帽です。 |
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目的に縛られた世界へ Date:2009-03-28 おすすめ度 ![]() 世界は目的に縛られている 学校、仕事、ある種の人間関係・・・ 生活のあらゆるところに目的がはびこり、もしかしたらある人は窮屈に思うかもしれない。 そんな目的から逃げ出したくて人は不合理なことを始めるのだろう。 その気持ちはあるときは芸術の形であったり、あるときは殺人であったり、突き詰めれば宗教だってそんなもののひとつかもしれない・・・ でもそのような無目的なことは非常にもろく、ときに他人だけでなく自分をさえ傷つけるのだろう 結局静かに生きていくためには運命に従って流れに身を任せて生きていかなくてはならないのである。 ――だから踊るんだよ。音楽の続く限り |



