羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)
価格:¥ 500 (税込)
出版:講談社
カテゴリ:文庫
ページ:272頁
JAN:9784062749121
Amazon.co.jp 売上ランキング:本で9258位
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あれは、確か、夏の北海道の白樺が密生する森の写真だった。 何かの雑誌に載っていたのだ。 それを見ていたら無償に村上春樹の「羊をめぐる冒険」を読みたくなった。 (読んだ事のある方なら何故だか分かりますよね) こんな風にして2、3年に一度は必ず起こる村上春樹読書週間を過ごしている。 主人公の「僕」(名前はとうとう分からないまま)に好意を持ったのは 私がまだ20歳くらいだったろうか・・・ いつの間にか「僕」より年上になってしまったが、春樹作品の中で一番好きな登場人物なのは今でも変わらない。 で、この「僕」。村上作品には結構出番が多い。 ちょっと簡単に説明す...
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レビュー
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〜 主人公の「僕」が、初めて社会との関係性を持った春樹作品。 〜 Date:2010-01-28 おすすめ度 ![]() デビュー作の「風の歌を聴け」から、「1973年のピンボール」と続く中で、 個人的には、「僕」が、(否応なしに)、初めて社会との関係を持った この作品は、村上さんにとっても転機となるものだったと思う。 物語の途中、黒服の男が登場するまでは、物語はいつもの展開で 進んでいくように見える。淡々とした日常の描写や、ごく親しい人間に 限定された関係性と、僕の内的な世界でのお喋り。 そして、「異物」である黒服の男が出現し、そこから運転手や先生など、 これまでの「僕」とは関わりあいのない世界で生きてきた人びとが 乱入してくることで、物語のペースが一気に加速し、複雑になる。 トンネルを抜けて、風景の見える道を楽しみながら進むように、 作品としての面白みは、これによって大きく増したように感じた。 ちなみに、本作に登場する「先生」のモデルは、児玉 誉士夫さんとの 説を耳にすることがある。真偽の程はわからないが、そのように重ねて 読むことで、見えてくる時代の一面もある気がする。 前半は、ちょうど主人公たちが北海道に渡る場面で幕を引くので、 その後の進展が気になって、下巻を読みたくなる内容だった。 ▼ 本 文 引 用 歌は終わった。しかしメロディーはまだ鳴り響いている。(144) 世界に対して文句があるんなら、子供なんて作るな。(231) ※このレビューは、出版年度の違う同名作品の欄にも掲載しています |
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村上ワールドの始まり Date:2010-01-14 おすすめ度 ![]() この作品から本当の意味での村上ワールドが始まった、と考えている。 青春3部作の完結編。 といってもこの後に「ダンス・ダンス・ダンス」が発表されて、結果として4部作になる物語の3作目。 始まりは前2作同様の雰囲気で淡々と静かにすすむ。 妻が他の男のところにシケこむことになって、離婚しても主人公の「僕」は動揺しない。 それが自分の知っている男だったとしても。 そして今度は双子ではなく(前作1974年のピンボールでは双子だった)、高級コールガールのバイトをしている耳モデルの女の子がガールフレンド。 いつものように静かに物語は流れていくのかと思いきや、ある日突然大物右翼の代理人と名乗る者が登場するところから話は転がりだす。 問題は、PRの仕事であるパンフレットに使用した羊の写真だった。 その写真は友人の鼠が旅先から送り、「人目につくように」してくれと頼まれた写真だった。 大物右翼の代理人は、「僕」にその羊の調査を命ずる。 従わなければ、生活をメチャメチャにすることくらい簡単だという脅しをつけて。 札束を渡され、猫の「いわし」を運転手に預けて、耳モデルのガールフレンドと一緒に札幌に飛び立つ。 ガールフレンドが選んだホテルはその名も「ドルフィン・ホテル」。 この「いるかホテル」からこの物語は加速度的に展開していく。 耳モデルのガールフレンド。 羊博士。 羊男。 独特の文体と雰囲気を残しつつ、まさしく「冒険」は続く。 読み終わった後もしばらく不思議な余韻が残る名作。 村上春樹の本領はこの作品から発揮される。 |
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良い作品です Date:2010-01-01 おすすめ度 ![]() 良い作品です。文章も良いし、構成的にもバランスが取れていて、破綻していない。 最後まで読みきれば、透明な悲しみで満たされます。 村上さんの作品の中では、上位のものと思います。 |
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初期三部作はノーベル賞の対象外? Date:2009-11-04 おすすめ度 ![]() 村上のデビュー作「風の歌を聴け」で同じく我々読者の前にデビューしたのが、三階建ての豪邸に住むリッチな"鼠"とジェイズ・バーのオーナーである中国人の"ジェイ"である。ジェイズ・バーは、その後何度か場所を変え、今でも"街"の埋め立てられた海の近くでちゃんとやっている(はずだ)。"鼠"は村上の二作目「1973年のピンボール」で我々の前から消え、本作の最終章に近いところ「羊をめぐる冒険V」で、突然、"僕"と我々の前に現れるのだ。 "鼠"曰く、「これ以上堕ちていく自分を人前に曝したくなかったんだ・・・・・」だと。 "鼠"も"僕"も今や30歳になっている。 ここで、初期三部作は終了する。 しかし、「羊男」と「羊博士」は、「クリスマス」と「ふしぎな図書館」でまたまた現れるのだ・・・・・。 佐々木マキ描くところの「羊男」のギャップが大きすぎるのはどう考えたらいいのだろう。 それとも、「羊男」ないしは「羊博士」なるキャラクターは、何らかの比喩か、そうだとすればそれは何? この初期三部作の三冊目を改めて読み返してみると、2008年そして今年2009年の二年連続して、期待されながら、しかし村上がノーベル文学賞が取れなかったその理由がなんとなくわかってくると言ったら・・・・・。 今、この時期に「1Q84」が圧倒的な興奮を世界中に呼び起こした2009年という今年、この三部作を再読してみるそれなりの価値はあると言ったら・・・・・。 |
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羊を大地で追いかけて Date:2009-09-18 おすすめ度 ![]() 大学時代に出会って,もう25年あまり。 あの頃はあまりにのどかで,北海道に来てしまったら連絡のとりようのない状態なんて当たり前だっただろう。 北海道は今でも広いが,高速道路ができる前は,本当にどこに行くにも遠かったのだ。 そんな北海道の大地で繰り広げられる話。 道産子にとってはうなずけるシーンが多いのだ。 羊男と鼠,そして主人公,耳のモデル。 今でも設定が斬新だし,海外で評価されるのもうなずける。 羊は日本にとって管理された家畜だった。 今では人間が情報に管理されてしまっている。 |

