日曜日たち (講談社文庫)

価格:¥ 483 (税込)
出版:講談社
カテゴリ:文庫
ページ:224頁
JAN:9784062753593
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エディターレビュー
   東京で暮らす若者たちの、さまざまな「日曜日」の情景を切り取った連作短編集。著者の吉田修一は、同居する5人の男女の生活を淡々とつづった『パレード』で第15回山本周五郎賞を受賞。また、日比谷公園を舞台に、偶然出会った女性との奇妙な関係を描いた『パーク・ライフ』で第127回芥川賞を受賞した。現代の若者の姿を、抑えた筆致で、さりげなく、かつ、リアルにとらえる作風に定評がある。本書もまた、若い世代独特のやるせなさや焦燥感を浮き彫りにした5編が並んでいる。

   30歳になる無職の男が、日曜日ごとに部屋を訪れていた恋人のことを思い出す「日曜日のエレベーター」。泥棒に侵入されたという友人の話を聞いた独り暮らしの女性が、まるで自分の身に降りかかったことのように恐怖を感じ始める「日曜日の被害者」。恋人の暴力に耐えかねたOLが、やがて自立支援センターに足を運ぶまでを描いた「日曜日たち」。都会で倦(う)み疲れた主人公たちの物語には、共通した気だるさが漂っている。そんな主人公たちの人生が、少しだけ重なりあい、交差していく。

   その楔(くさび)となっているのが、彼らの過去に必ず登場するミステリアスな幼い兄弟である。「日曜日の新郎たち」の健吾は、家出してきた兄弟に寿司をおごってやり、「日曜日の運勢」の田端は、母親の住むアパートまで兄弟を送り届ける。兄弟とのささやかなふれあいが積み重なることで、閉塞した日常に、ほんのりと希望の光が差し込む。5編すべてを読み終えた後には、大切な人の死や、理不尽な暴力を受け入れながらも、「嫌なことばっかりだったわけではない」と言い切ることのできる、前向きでタフな若者たちが姿を現しているのである。(中島正敏)

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