銭売り賽蔵 (集英社文庫 や 41-1)
価格:¥ 700 (税込)
出版:集英社
カテゴリ:文庫
ページ:471頁
JAN:9784087462418
Amazon.co.jp 売上ランキング:本で81675位
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【覚書】★★★★★★☆☆☆☆ あくどい高利貸しの話ではない。文字通り「銭売り」の話。そもそも銭(ぜに)は一種の商品として売られていた。 金座・銀座が公儀の管轄にあるのに対して、銭を扱う銭座は公儀に願...
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レビュー
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江戸のビジネス戦争に立ち現れる「人情の花」 Date:2009-05-07 おすすめ度 ![]() 「銭売り」とは、庶民のために金貨・銀貨を銅銭に両替する商売である。その手数料が彼らの収入なのだが、店を持たず銭貨を背負ってお得意様に届けるのが仕事の「銭売り」は、肉体的にも重労働だ。 右手に下げた布袋には、両替商辰巳屋が封した丁銀と豆板銀五百匁(二キロ弱)の紙包みふたつが入っている。それに加えて、背負子には五貫文(約十九キロ)を背負っている。(本書64頁) 上記20キロを超える荷を担いだ賽蔵の体重はわずか45キロである。かくも重い荷を日々配達して歩くのが彼ら「銭売り」の仕事なのだ。そして、彼ら銭売りは、金貨・銀貨に対して変動する「銭相場」に翻弄される存在でもある。金・銀・銭の「三貨制」であった江戸期には、三貨の間の交換比率が日々変動した。それゆえ、「両替商」という商売が極めて重要な金融ビジネスとして重きをなしたのだが、「銭売り」は両替商に代表される江戸期金融業の末端装置でもあった。本書は、こういう江戸のビジネスのティテールを克明に描いており、江戸期独特の金融制度の中で主人公がのし上がっていくビジネス小説としても、十分に面白い。 もちろん、本書の本質は「江戸の人情」である。リアリティ溢れる江戸のビジネス戦争の精細な描写の中から、香り高い「人情」の花が立ち現れる。安心してお楽しみいただきたい。 |
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高い品位を保つ文章の魅力 Date:2009-01-14 おすすめ度 ![]() 『損料屋喜八郎始末控え』を読み、 他の作品にも目を通したく手に取った一冊。 主人公と彼が惚れている女性の造形が 同じではないかと感じるものの、 江戸の息吹を伝える用語を地の文にそのまま使用し、 高い品位を保つ文章の魅力は全く変わらない。 なにはともあれ江戸の三貨制度という 複雑な通貨システムを物語の根幹に据え、 そこからエンタテイメント性豊かな作品を作り出す手腕には 舌を巻かざるを得ない。 また三井両替店など大店の描写は、 現代の大企業のそれにオーバーラップし、秀逸である。 |


