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存在の耐えられない軽さ

原著 Milan Kundera , 翻訳 千野 栄一
価格:¥ 2,520 (税込)
出版:集英社
カテゴリ:単行本
ページ:365頁
JAN:9784087731774
Amazon.co.jp 売上ランキング:本で383693位
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 存在の耐えられない軽さ [ 風味絶佳な日々 ] at 2007-10-19 00:49:29
『存在の耐えられない軽さ』ミラン・クンデラ 以前付き合っていた年上の恋人から、ある日突然もらった。何かの記念日だ ったという訳ではなかったと思う。彼は文学を教える先生だったから、本の話 をしていてなにかおすすめをということだったのだろう。今でもそ...
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レビュー
上質なエンターテイメントと社会主義の関係 Date:2010-01-02
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いやぁ、おもしろかった。表題に騙されることなかれ、シンプルに音楽家のようなクンデラのマジックに身を委ねるべき。
恋人のテレザもサビナも情熱的で肉感的で、読後心の中にいつしか棲みついてしまう。名うての外科医から落ちぶれて窓拭き掃除人になったあとも女遊びに余念がないトマーシュも笑えるが、各人がそれぞれぶれない軸、信念を持っていて深い共感を呼ぶ。戦場での決死の大パレードや、捨てた息子と再会して理不尽な息子の頼みごとを苦しみながら拒むとこなど。
現代の閉塞感の中で、一見完全勝利したかに思える資本主義と、トマーシュが生きた当時の社会主義のコンセプト、理想について、思いがめぐりました。
Unique Date:2009-09-19
おすすめ度
私にとってのこの小説のいう「軽さ」は、私たちは本来ひとりひとりまったく異なったUniqueでかけがえのない(重い)存在である筈が、国にとって(特に共産国では)、社会にとって(今や日本では特にそうであろう)、また愛しい恋人にとって、簡単に取り替えの効く居なくなっても大して影響のない「軽い」存在なのだという視点です。
テルザの母親は、その美しさから自分を「かけがえのない、誰よりも幸せを手にする権利を持つ者」から、どこにでもいる中年女へと転落し、娘を初めからどこにでもいるありふれた小娘とみなして育て、娘のユニークな美点を認めなかった。テルザは自分を「かけがえのない取り替えのきかない存在」と認めてくれる他者が必要な娘に育ち、「どの女も違う(Unique)」ことを正当に評価するからこそドンファンであるトマーシュと出会う。しかし彼にとって、自分がやはり簡単に取り替えの効く軽い存在であるかも知れないことに苦しみ続ける。トマーシュの外に自分のUniqueを見つけ出そうとして挫折し、その結果選択する行動がトマーシュを成功=自己実現から遠ざけてしまう。常にトマーシュに苦しめられていると思いこんでいた彼女が「自分が大きな愛で彼をみていたら彼を不幸にしなかっただろう」と気づくところがとても哀しく、自分のもたらした今の不幸について彼に確かめたとき、トマーシュが「テルザが幸福であれば自分は幸福なのだ」のように応える。きっとトマーシュは同じことを何度もテルザに伝えていたであろうに、テルザは自分と同じように他の女を抱くトマーシュばかり見ていて気づかなかったのだろうと思います。救いは二人が幸福のうちに死んだであろうことです。
一方「トリスタン(ひとりの女を愛し抜いた人物)として死んだトマーシュ」と受け止めたサビナの心を考えると、息苦しくなります。トマーシュは求めるまま「自分」として生き、その結果は「重さ」に行きついた。サビナもまた「キッチュなもの」=ステロタイプを敵とする「個」として生き抜き、死後は風葬されることを望み、限り無く「軽さ」へと向かう。サビナの孤高さと強さが、テレザの孤独と弱さを対比させ、登場人物の持つ個性がもたらす必然(重い)としての死(軽い)は衝撃的です。
今の日本、私たちはいつでも取り替えの効く労働力もしくは購買力としてあり、「かけがえのない存在」として生まれた宿命を果たすことが困難な今の日本に、この恋愛小説は共鳴すると思います。25年前のヨーロッパの一共産国の渇望が、今の日本にある?
筆者が小説の中で様々に展開する分析の中の、どのような視線が必要か?のうち、「愛する者の目が必要な人たち」の範疇に自分を発見し、ます。テルザのように恋人のハンティング・ゲームの的になる夢は、恋愛における女性の苦しみの典型だと思います。そして、人生に同じことは2度なく、常に私たちは未経験の選択にさらされていること。私たちには過去の経験はなく、今の自分にとって必然の選択を、間違っているかもしれないとしても選ぶ。
読後に息苦しさを覚えるほど感動したのは久々です。ギリシャやヨーロッパの神話が挿入され、相当に読みにくい本でありながら、生涯読み続けたい本です。
理屈っぽい人向き。 Date:2009-06-08
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これはストーリーを追うというよりも、作者の語り口や薀蓄や濃密な心理描写、登場人物の考え方を楽しむべき小説ですね。ストーリーだけだと「理屈こねてるけど、結局ヤリチ×野郎じゃないか」ってことで終わっちゃうんだけども、その理屈がすごく面白い。ということで「軽々しく好きだとは言うけど、恋とは、愛とは何かね?」とか言っちゃう、理屈っぽい人向き。

恋愛小説って言葉でイメージするようなめくるめくラブストーリーじゃなくて、恋愛哲学を語る小説です。気をつけて読まれたし。
千野さんの翻訳でクンデラが読みたい Date:2009-06-03
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クンデラの本は何冊も持ってますが、これが一番面白く感じました。理由を考えてみますと、この作品自体の魅力もあるのでしょうが、文章の分かり易さ、的確さにある気がします。他の作品は翻訳があまりに酷いと思います。日本語として変、というより滑稽です。だから難解です。理解に苦しむ部分があちこちに地雷のように隠れていて疲れることこの上もありません。他の本も千野栄一さんの翻訳で是非お願いします。
人生最高の本 Date:2008-06-14
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プレイボーイで外科医のトマーシュと田舎娘で一途で不器用なテレザの愛の物語である。純粋な女性が浮気ものの男に悩ませられ、つくして苦しみような話に思われるかもしれないが、実際は皮肉なことにトマーシュのほうが全てを失ってしまうのである。

映画と共に恋愛小説として紹介されることが多いであろう。しかし私には哲学書に思える。ストーリーとは別に、ところどころ哲学的記載があり、深く考えさせられることが多い。

私にとっては、人生最高の本であり、いつもそばに置いて何度も読み返したい本である。
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