イキガミ―魂揺さぶる究極極限ドラマ (1) (ヤングサンデーコミックス)
この書籍を買った人はこんな書籍も買っています
レビュー
|
社会批評として読むべきSFマンガ Date:2009-09-14 おすすめ度 ![]() 「命の大切さ」を実感させるために、「国家繁栄維持法」のもとに1000分の1の確率で選ばれた若者が国家に「殺される」という設定は、ジョージ・オーウェルの小説(または映画)「1984」の描いた全体主義的ディストピアに近いものがあり、SFマンガの一つと言ってよいと思う。 あと24時間で「自分が死ぬ」と分かったらどうするか?その設定から始まる人間ドラマや心理描写が本作最大の目玉であり、「魂揺さぶる極限人間ドラマ」という宣伝文句からも、その意図がうかがえる。確かにリアルな心理描写は面白かったが、正直、自分は妙に冷めてしまっているせいなのか「感動」を覚えることはなかった。自分が一番面白いと感じたのは、人間ドラマよりも、劇中で描かれる、主人公の「国家繁栄維持法」に対する考察だった。 語り部である「イキガミ」配達人の藤本は、仕事として職務を遂行しつつ、この法律に疑問を感じている。そして、この職務を「誇りに思い」「やりがいを持って」行うことに、心の底で抵抗しているのである。藤本の静かな葛藤こそが、このSF作品最大のポイントではないだろうかと自分は感じた。 転じて現実世界の日本では、「生命の価値」を軽んじる様々な犯罪がメディアを賑わせ、道徳の退廃を嘆く批評家の声が大きさを増している。そんな社会状況下にあって、「国民の生命財産を守るため」の全体主義的な政策が、熱狂的に支持される可能性は否定できないのではないか。このマンガに描かれた「国家繁栄維持法」が、将来本当に成立する…そんなことは100%あり得ないと笑い飛ばすことが、あなたにはできるだろうか?日本が全体主義国家だった戦前は、わずか半世紀前のことであり、そんな時代が再び訪れないとは限らないだろう。 ディストピアを描くことで、現代日本に対する批評をも成立させている作品であると思う。 藤本は、そしてこの法律はどうなるのか、興味深く見守っていきたい。 |
|
イキガミ=読者の怒り揺さぶる究極ドラマ Date:2009-08-30 おすすめ度 ![]() 本当に買って損した。 なんか読んでで退屈になるし、設定はメチャクチャだし、絵は下手だわ、勘弁してほしい。 国家繁栄法がある日本という世界観をつくったにも関わらず、あまり共感できない。 だいたい、後24時間で死ぬのに、まともに行動できるはずかない。 これ読むくらいなら、GANTZ読んだ方が良いよ。 |
|
国家による無差別殺人 Date:2009-04-22 おすすめ度 ![]() 国民は幼少期にナノカプセルを注射され、18歳〜24歳の時期に1/1000の確率で死んでしまう。 つまり「国家繁栄維持法」は国家による「無差別殺人法」ですね。 無差別殺人がおこなわれることにより国民に「生命の尊さ」を認識してもらうことが目的です。 すると、その国にはもはや「憲法」は存在しませんね。基本的人権、生存権がありませんから。「刑法」も存在しませんね。「冤罪で死刑」などということも、争っても無意味ですから。なんの罪も犯していない若者でも抽選で殺されてしまうわけですから。 そしてそれに反対する者は「思想犯」として処罰される。 不思議なのは、その国はファシズム、恐怖政治、国家統制なのかという点です。 ファシズムならばその国の繁栄を維持していくために「国家」にとって負担となる者、弱者、つまり身障者、老人、少数民族を粛清する法律が制定されるのも頷ける。 恐怖政治というのは、独裁者が国民をコントロールするのではなく、国民が集団暴走することです。自分の利益を守るために自分と異質な者を排除する。そして内心では自分がいつ排除される側にまわるのか不安なためにその体制を維持せざるを得なくなる。 そこに良心の葛藤や人間が持つ残酷性や戦慄や不合理や不条理が生まれるわけです。 ところが「国家繁栄維持法」には法律を維持していくための大義名分や抑止力がなにもありません。なにせ抽選ですから。 ならばいっそのこと「死亡予告証」でなく「殺人許可証」でも発行して、選ばれた若者には誰か1人殺してもらうという設定にすればいかがですか? 国家が直接殺すのも、選ばれた若者が「代理人」として殺すのも同じことですから。ひとり殺せば自分は死を免れる。自分の死を受け入れてそのまま死ぬのもOK。 だけでもその設定は星新一ではなくアシモフにあったような気もしますが。(嘲笑) |
|
拙い感想ですが。 Date:2009-02-26 おすすめ度 ![]() イキガミ、読ませていただきましたが…。なんだか、言葉にしたら、可愛げない。 擬音にたとえたら、ギスギスしてるという印象でした。 リアリティ(ご都合主義漫画嫌いなんで)ある感じの漫画や小説は好きな方だったんですが…。 デスノートは良かったのに、この漫画の印象が良くないのは、はなんでだろ? なんか、比較間違ってるみたいですね。 すみません。 |
|
第一巻を読んだ限りでは、映画に軍配 Date:2009-02-15 おすすめ度 ![]() 出張時の機上で松田翔太主演の映画版を観て大変感動し、コミック版にも手を伸ばしてみた。「「死」への恐怖感を植えつけることによって、「生命の価値」を再認識させることが目的であり・・・「自分が死ぬのでは」という危機感・・・こそが、「生命の価値」に対する国民の意識を高め、社会の生産性を向上させている」(12〜14頁)との国家繁栄維持法の趣旨やその具体的な運営システム(例えば、守秘管理のためのリレー方式によるアンプル製造)の描写については、やはり後者の方が分かりよかったが、感動という点では個人的には前者の方が圧倒的に優れていると感じた。 Episode 2「忘れられた歌」は、映画版の序幕として採り上げられたコマツナによる『ミチシルベ』の話(但し、主人公のキャラは映画版とは逆)。なお、177〜178頁で描かれた森尾秀和の交通事故シーンであるが、引越運送車は通常であれば貨物搬入の便宜を考えて搬送先の軒前に駐車するはずであって、あのような駐車はしないのではなかろうか。この点、細部にやや疑問の残る描き方であるように感じた。 |





