個人的な体験 (新潮文庫 お 9-10)

価格:¥ 594 (税込)
出版:新潮社
カテゴリ:ペーパーバック
ページ:258頁
JAN:9784101126104
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エディターレビュー
27歳の予備校講師鳥(バード)は、結婚して間もなく子供が生まれようとしているのにいまだアフリカへの冒険旅行を夢見ているようなモラトリアム青年である。そこに、とうとう子供が生まれた、それも頭に異常のある障害児だという知らせを受けて、バードは今後いっさいの行動の自由が奪われたと絶望し、アルコールに、そして女友だち火見子との性交渉に逃避する日々を送ることになる。その間に子供が衰弱死して責任から解放され、火見子と連れ立ってアフリカに出発することができればというのがバードの期待だったが、その土壇場にきて、彼はこうした態度が自己欺瞞であり、自分の人生を台無しにしてしまうと自覚し、赤ん坊を引き受ける決断をする。障害を軽減する手術が成功して退院できることになった子供と妻を連れたバードは、確かに自分が変わったこと、大人になったことを感じる。
戦後新世代の旗手として華々しく登場した大江健三郎は、初期作品においてまず、閉塞した社会状況に抵抗し、そこから脱出しようとする若者たちを描いたが、1964年に書き下ろしたこの長編(新潮文学賞受賞)において、状況から逃げるのではなく、積極的に引き受けるようとする成熟、自立した青年像を提示し、中期創作への道を踏み出した。現在作曲家として知られる長男光の誕生をきっかけとして生まれたこの作品は、その後の大江と光の親子関係の発展をたどっていく一連の物語の出発点でもある。(大久保喬樹)
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