ルネサンスとは何であったのか (新潮文庫)

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マーケットプレイス価格:¥ 637 (税込)

出版:新潮社
カテゴリ:文庫
ページ:338頁
JAN:9784101181318
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エディターレビュー
   歴史のおもしろさを味わわせてくれた書物はいくつかあるけれど、遠い異国の、それも古い時代のこととなると、どうしても隔靴掻痒(かっかそうよう)のうらみが残る。特に歴史研究書はなるほど史実に基づいているとはいえ、無味乾燥な年代の頻出と相まって、時代の姿がなかなか浮かんでこない。もちろんすぐれた史書があることは認めるが、本書の著者の若かりしころの言葉「歴史は所詮人間だ」と思わせるものが少ないのである。

   ほかならぬこの言葉をまさに実現してくれる数少ないひとりが塩野七生で、その出世作『チェーザレ・ボルジア あるいは優雅なる冷酷』をそれこそページを繰るのがもったいない思いで読んだのが、つい昨日のように思い出される。そして今彼女は、毎年1冊のペースで『ローマ人の物語』を読者のもとに届けてくれて、我々の睡眠時間をずいぶん削ってくれた。

   本書はこれまで書かれたルネサンスを舞台とする作品の集成にあたり、その序章となるべく新たに書き下ろされた(あるいは語り下ろされた)ものである。ルネサンスとは何かについて、この大いなるうねりを起こした力、その先駆者に始まり、巨大な車輪を動かしたあまたの天才、巨人たちの姿を通じて、ルネサンスの全容と魅力とを伝えようとするもので、そこには確かに個性あふれる人間たちの生きる様子が、実に簡潔に、しかし豊かな色彩をもって描き出されている。「飽くなき探求心がルネサンスの基本」だと著者は言うが、その言葉は彼女の人間に対する姿勢を最も鮮やかに示したものでもあろう。ただしこの人は、あくまでも豊かなスケールをもった人間が大好きであって、仮にその人物が後世から悪人と評されようともいっこうに構わないのである。確かに彼女が描くチェーザレは、実に魅力的な人物だった。(小林章夫)

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