最長片道切符の旅 (新潮文庫)
価格:¥ 620 (税込)
出版:新潮社
カテゴリ:文庫
ページ:372頁
JAN:9784101268026
Amazon.co.jp 売上ランキング:本で20209位
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レビュー
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名編集長の視点でとらえた名著 Date:2009-03-08 おすすめ度 ![]() 若い頃に本書と出会いあれから30年。鉄道紀行文学というジャンルを確立した宮脇俊三さんの名著『最長片道切符の旅』を読み返しています。改めてこの壮大な計画を実行に移した宮脇さんの渾身の傑作だと思います。 中央公論社で中公文庫を創設し、『日本の歴史』『世界の歴史』シリーズでは大当たりをとり、自宅の隣人・北杜夫を名作家として世に送り出した名編集長が、作家に転身した際、どのようにすれば売れるのか、という企画立案はお手の物だったでしょう。また書き手である自分の力量もまた編集長から見れば客観的に評価できるわけで、作家・宮脇俊三は生まれるべくして生まれたと思います。 本書も一部の鉄道ファンに支持されていた一筆書きルートを、50歳を超えた筆者が実行に移し、名文で紹介したことによりポピュラーな存在となりました。これだけの線を乗継ぎ、最後まで成し遂げた過程は修行僧の歩みのようにも感じました。ただの乗りつぶしだけなら、これだけ多くのファンを獲得することはなかったと思います。宮脇さんのとぼけたようなユーモアが至る所で感じられ、こんなアホなことをやっている自分を客観的に見ている筆者の姿も浮かび上がり、その絶妙の距離感がまた読者を心地よくさせます。 途中下車印で記載面が分からなくなった切符も風格をおび、検札にきた駅員も驚くということ自体がこの快挙の真髄でしょう。広尾から枕崎まで68日間有効、13319.4kmは、昭和53年当時だからこそ可能な企画で、その後のローカル線の廃線もあり、現在ではそれだけの距離を得るのは実行不可能となっています。1か所の出入り口となった四国も渡れなくなっており、宮脇さんは在りし日の国鉄網の姿をずっと後世まで見せてくれています。貴重なルポですし、名紀行文です。 |
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故宮脇氏の代表作にして古典 Date:2007-03-24 おすすめ度 ![]() 「鉄っちゃん」の導師、故宮脇俊三。 趣味を紀行文というスタイルでメディアに発信し続け、 鉄道の旅を社会的に認知させた功労者です。 宮脇さんの紀行文、文体はとっても素朴で、分かりやすく、読み手の視点に近い。 そんなところ誰からも支持される理由だと思います。 本作は宮脇さんの代表作です。30年前の著作で、路線は現在と随分違います。 そういった意味では、古典。 本作を読むと鉄道好きの執念が伝わってきます。 意味ないと思っても、 好きだからやり抜くという覚悟とだんだんに消耗してくる旅の様子が伝わってきます。 そこが読みどころだと私は思います。 「なんでがんばるだろう」と著者に投げかけながら、うらやましい自分にも気づく。 よい紀行文だと思います。 |
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最長片道切符の旅を記録した名紀行文です Date:2006-08-12 おすすめ度 ![]() 今でこそ、TVでも取り上げられ、メジャーになった「最長片道切符の旅」−同じ駅を2度通ることなく、1枚の切符で行くことができる最長距離の旅−という、鉄道マニアの間では有名なルートを、実際に旅した著者の記録です。それは、途中下車しなければ、連続30日以上の日数がかかり、時には、通ってきた駅を横目に、豊橋(愛知)から会津若松(福島)まで戻る等々、実際に走破することは、鉄道マニアでもないものから見れば(鉄道マニアでも?)、馬鹿げたものです。でも、それを、自ら「阿呆らしさもここまでくると、かえって厳粛な趣きを呈してくる」と自虐的になりながらもしてしまう著者の生真面目さが、本書を貫く面白さでしょうか。また、その生真面目さゆえ、著者は行く先々での面白いエピソードを几帳面にレポートしてくれており、我々は自宅に居ながらにして、各地の面白いことを楽しむことができます。国鉄全線走破を記録した「時刻表2万キロ」共々、紀行文の名作と言える本です。 |
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小さな一冊の、無限の世界 Date:2006-07-24 おすすめ度 ![]() 13000キロ以上にも及ぶ国鉄線一筆書き切符の旅行記。各地の気候風土や人とのふれあい、旅先で出会った味などが宮脇さん独特のユーモアあふれる文章が読者を楽しい旅へと誘ってくれます。狭い自室の中に居ても日本列島が広がる、大変夢のある一冊です。私も本書がきっかけで訪れた地は数えきれません。客車列車が数多く登場するのが今となっては羨ましいですね。現在ではローカル線の大半が廃止されてしまったのは大変残念ですが、だからこそ歴史的財産に値するものだと思っています。こんな素晴らしい作品を遺して下さった宮脇俊三さんに心から感謝します。 |
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四国に行けた時代 Date:2006-01-24 おすすめ度 ![]() 1979年の単行本の文庫化。 いまの最長片道切符の旅とは、かなり異なっている。廃線、第三セクター化のため、現在ではずっと短い距離でしか楽しむことが出来なくなっている。特に、当時は仁堀連絡船があり、四国に渡ることが出来た時代であるというのがうらやましい。 しかし、本書でもっとも面白いのは、東京近辺である。たくさんの路線が入り乱れ、頻繁に乗り換えをして行きつ戻りつを繰り返さなければならない。しかも、通勤列車や混んだ電車が多くて大変である。とはいえ、その「無駄な行為」である点が素晴らしい。 ほぼ全国くまなく旅することになるのだが、さすがに後半は疲れが見えてくる。著者も、読者も。 |

