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熱球 (新潮文庫)

価格:¥ 540 (税込)
出版:新潮社
カテゴリ:文庫
ページ:350頁
JAN:9784101349213
Amazon.co.jp 売上ランキング:本で119254位
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レビュー
逃げたい過去はいい思い出になるんだろうか Date:2009-04-24
おすすめ度
何故だかよく分からないけど所々泣きながら一気に読んでしまった。

高校時代の思い出したくもないような出来事、年老いた父、忙しい夫婦、
田舎に転校していじめられる子供・・・。
自分の身に起こったら逃げ出したくなるようなことばかりなんだけどなぜか感動。

感動してしまった理由は登場人物がみんな一生懸命だからでしょうか。
自分なりに過去を消化して、現実と向き合ったり逃げたりしながらも、
やっぱり戻ってきたい過去があって、それを大切にしている。
そんな気持ちが本から伝わってきたんでしょうか。

本の中には「逃げたいときは逃げてもいい」って書いてあります。
結局、逃げ切れないんだけどいったん逃げることでいい思い出として残るのかな・・・。
今年もまた甲子園の季節 Date:2008-07-25
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地元の夢を背負って、球児たちが行く。
高校野球は、敗者のドラマ。
しかもそのほとんどが、はるか遠い地方予選で、涙を呑んで去っていく。
だが流した汗や涙の尊さは、『高校球児』ならみな同じ。
手に入れた宝物は、青春を注ぎ込んだ対価だから。
だから観客席の拍手は、勝者にも敗者にも温かい。

だからこそ、きちんと負けることが許されなかった主人公たちの無念は、いかばかりだったことだろう。

都会と田舎、家族の在り方、生きるということを真摯に問い、温かく包み込む本作品。
高校球児の純粋さが、太い背骨となって全編を貫く。
再スタートの物語 Date:2008-05-07
おすすめ度
高校野球をやるのではなく「高校球児」になってほしい。
主人公が小学生に言った言葉が深い。
この作品に心を揺さぶられるのは、ある年齢以上の人かもしれない。
甲子園出場をかけた県大会決勝戦を前に部員の不祥事で棄権した高校球児。
事件を起こしたチームメートはうわさ話の絶えない小さい故郷の中で行き場を失い
やがて死んでしまい、事件に係わったマネージャーは行方知れず。
その後の20年間に変わってしまった自分やチームメイト。
こんな過去を「青春」と呼べるのか。
人生に迷い、夫婦間のこと、娘のいじめ、親の介護、何より自分の進む道しるべを
失いかけている時、そんな青春を過ごした故郷に帰る主人公。
今まで避けてばかりいた故郷は、彼をどう受け止めてくれるのか。
いろいろな問題を「高校野球」に題材を置き、全てを網羅した作品にしている。
「一度も負けたことのない人はいない。大切なのは負けた後、どう生きるかだ。」
という野球部監督の言葉がこの作品を全て表している。
「ようがんばった。ようがんばった。」勝っても負けてもスタンドの最前列で
何十年も応援し続けた老人。
誰かにそんな風に言ってもらえるような人生を歩みたい。
この作品はすばらしい。
涙を流すような作品ではないけれど、明日を見つめられる作品だ。
結局帰るところは高校のクラブなのかなぁ Date:2008-03-18
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大人になって、仕事に行き詰ったときや、人間関係がこじれたとき、どこで息をつくか。
私見だけど、一所懸命にやった高校(人によっては中学・大学)のクラブに何かを求めるような気がする。
そして、生きる勇気みたいなものをもらって、何とか生きていくんだろう。
高校時代に運動部(チームスポーツ)をやっていて本当によかったと実感させてくれる本でした。


スポーツをやっていた人間は、そのほとんどが「最後には負ける」。
40半ばになっても、高校時代のクラブの友人と親しく付き合っているのは、
その「最後の負け」を共有できたからなんだろう。
息子にもチームスポーツをやって欲しいと願わずにはおれない。
ひとは「帰ってくる」と優しくなるのでしょうか。 Date:2008-03-01
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主人公は38歳。会社を辞めて山口の実家に帰った半年あまりの暮らしで語られる,青春の思い出,厳しい現実,そして未来への決断。重松作品王道の設定。

印象に残ったのはこのセリフ。
「ひとは『帰ってくる』と優しくなるのでしょうか。」

米国留学中の奥さんが山口に来て,久しぶりに主人公に会った印象を表現したメールの一節ですが,これに限らず。この文面のひとつひとつが効いています。自分は故郷に,母校に帰るとどうなるかな,と想像せずにいられません。

もうひとつ,年取ると言えば,実家の父親に関する表現に切なさを感じます。言動の端々に老いが現れ,考え方も相容れなくなるけど,それでも自分にとって大きな存在を占めるもの。主人公と年齢が近い自分自身も同じ感情を最近持っただけに,じんわりと来るものがありました。

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