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青いバラ (新潮文庫)

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出版:新潮社
カテゴリ:文庫
ページ:634頁
JAN:9784101482217
Amazon.co.jp 売上ランキング:本で310056位
おすすめ度:

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レビュー
“Some say love it is a hunger...” Date:2010-02-01
おすすめ度
「バラと呼ばれるその花は、たとえその名を失おうとも、変わらずかぐわしき
その香りを放つ」とはかのジュリエットの悲痛な叫び。
 さて、この花がもしバラでなかったとしたら、あるいは他の生物だったとしたら――
 たぶん彼女のことばは限りなく退屈になってしまう。バラはバラでなければいけない。
 そして、脳裏で描くその色はきっと、ピンクでもなく、オレンジでもなく、血にも似た
深紅でなければいけない。

「青いバラができたとして、さて、それが本当に美しいと思いますか」
 美しいか、美しくないか、それは知らない、それは各人が決めればいいこと。
ただし、確かなことは、青いバラが咲いたとして、それはとても退屈――

 青いバラが「不可能」を象徴するように、例えば古来から空を飛ぶこと、あるいは
そこから派生する翼、鳥、羽根などもまた、不可能の暗喩として機能する。
 そして今日、私たちはわけもなく空を飛べる、限りなく誰も何とも思わずに。
 けれども、空を飛ぶことは依然として叶わぬ幻想を象徴することをやめない
(もちろんそれは、自力であるか、飛行機に頼るのか、ということも大きいが)。
 さて、青いバラが咲いたら――「また、次の夢を探せばいい」のか? それとも、
青いバラは青いバラのまま、彼岸に横たわり続けるのか?

 本書は世界的なバラの育種家、「ミスター・ローズ」こと鈴木省三氏の回顧を
中心に展開される。そこに、古典名作文学における青いバラのイメージの系譜、
遺伝子組み換えや色素研究などのバイオテクノロジーからの青いバラへのアプローチ、
明治維新後の日本におけるバラ普及の歴史などが絡む。
 例えば一方には鈴木のバラに賭した情熱があり、他方には「サラリーマンとしての
研究に過ぎない」とする企業の冷徹とも見える論理がある。こうした価値の対立軸を
さまざまなかたちで盛り込みつつも、単純極まる善悪二元論に従って一方に棹差す
こともなく、高密度に展開されたテキスト。ただし、決然と書き切らぬが故の短所、
筆者の問題意識が揺らいでいるがために、というよりも漠然とした違和感を上手に
ことばとして紡いでかたちにできていないがために、他のレヴューが指摘するように、
読み手次第で複数の見え方が生じてしまうであろう一冊。

 バラの向こうに透けて見える日本近代史なども盛り込まれていて、バラを愛好する
読者ならばたぶん飽きることがない一冊。ただし、そうした記述に青いバラは
どこに行ったのだ、と苛立つ方ももしかしたらあるかも知れない。あるいはそもそも
青いバラと鈴木氏を同時に主題として論じるのは妥当なのか、とも。
 収集した情報の取捨選択ができないがために、これほどの分厚いテキストになった、
との批判があったとして、それも決して誤ってはいない、と少なくとも私は思う。
 ただし、それ以上に緻密な取材と安定した文章に感服してはいるのだけれど。
科学はロマンを大成できるものなのだろか? Date:2005-01-04
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blue rose[青いバラ]とは不可能を意味する言葉である。
なぜ不可能なのか?

バラには青い色素がなく交配しても創ることは不可能だからである。
現代人には科学があり、ソレが事実と知っている。

ではなぜ何世紀も前の人間がその事(不可能)を知っていたのか?
科学とは程遠いその時代に。

日本では自らの人生60年以上に渡ってバラの育種に貢献した男、鈴木省三は言った。

「青いバラが出来たとして、さて、それが本当に美しいと思いますか?」

青いバラを育成させるのは果たして神への冒トクなのか?
決して大袈裟な話ではありません。

あらゆる角度から青いバラの謎に迫ります。
驚きと感動が交差します。
この本の楽しみは、後からもどんどん膨らむ。 Date:2004-09-02
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バラ好き必見の本。青いバラについて、様々な側面からの実態を追う試み、その精力的な情報収集に感謝したい。ただ、読み手にとってはオトシドコロの難しいものかもしれませんね。ノンフィクションの場合、事実を知った、その後に残るものというのが、(それは読み手個々さまざまであってよいのだが)散漫になると、それはただの雑誌記事の寄せ集めの雑学集になってしまう。歴史、開発、個人育種家・企業、科学的事実、それらをぐるり巡らす旅は興奮に満ちているが、読み手を心地よいオトシドコロに誘導するという点で、どうも、読み手の力量に大きく依存してしまいそうな気もする。(というのは、読後感に対する感想が、私の周囲ではかなり差があったのだ。青いバラへの関心が高い人と、低い人とでは。。。)科学的な話はかなり専門的要素が高かったので、捨象度合いの調節も必要だったもしれない。とはいえ、バラ好きには必見の☆5つ作品であることは間違いない。鈴木省三氏との交流が羨ましい。鈴木氏の言葉を残してくださった書物としても、大切にしたい思いです。カラー図版は、確かに欲しかったですね。私は手元にあるバラの図鑑などを、ときどき見やったりもしました。鈴木省三氏の生み出した、ピンク・白や赤系統の美しい花を見ながら、それを手中にしながらも青いバラを追い求める試みがここらある、それに対する自分の物思いを楽しみたい。この本を読んだ後は、バラの楽しみがまた増えた。バラの楽しみへの感受性の基盤を厚くしてくれる本であることは間違いない。バラ好きの書棚には、有無を言わせず並べたいね。
写真が欲しい!! Date:2004-08-07
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いろんな種類のバラの話が出てくるのですが、形や色など全て言葉による説明のため、
素人読者には具体的イメージを持つのが大変困難です。
最初から最後まで、モドカシイ思いで読みました。
カラー写真さえ添付されていれば、読み応えもかなり変わると思います。
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