神の棄てた裸体―イスラームの夜を歩く
価格:¥ 1,575 (税込)
出版:新潮社
カテゴリ:単行本
ページ:310頁
JAN:9784103054511
Amazon.co.jp 売上ランキング:本で4465位
おすすめ度:
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『神の棄てた裸体―イスラームの夜を歩く』作者: 石井 光太出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/09メディア: 単行本 イスラームの文化に興味を持っているので、たまたまどこかで見かけたこの本をamazonで買って読んだ。 イスラーム国をいくつか回って、そこでの性にまつわる現実を探ろうとし、体験したことを纏めている。 その行動力や敢えてイスラームの陰に迫ろうとする姿勢は飛び抜けている。が、個人的体験に終始しており、迫力がある分、文化としての実態を見れているのかというところは疑問。 ルポとして読めば物足りないかもしれないし、体験記と思えば、難しい所に飛び込んだところに迫力を感じると思う。 ★★★★
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レビュー
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圧倒的な現実と生半可なお節介は通用しない世界 Date:2009-12-19 おすすめ度 ![]() 本書はイスラム圏の娼婦や同性愛者、性転換者などを扱ったルポルタージュである。 エピソードの多くはアジアの極限とも言える貧困地帯を背景にしている。病気で動くことさえ出来なくなり、雨に打たれたまま死を待つ娼婦。わずか 10歳前後で体を売るストリートチルドレン、などなど。なかには政変によるイスラム法の締め付け強化で、地下に潜ったインドの性転換者・ヒジュラの話や、結婚前の逢い引きが露見し、因習によって父親に撃ち殺された娘の話など、前時代的なものもある。 その多くは現代の日本とかけ離れた世界だが、既視感を憶えることも少なからずある。著者は感情多可になりすぎない落ち着いた筆運びで、自らが見聞きしたできごとを綴っていく。 とはいえ著者をうっとおしいと感じる場面が何度もあった。抑制のきいた文体とは裏腹に、同情や親切心からいらぬお節介を焼きたがるのだ。おそらくとてもいい人なのだろう。だからといってカタルシスが起きるわけではなく、逆に毎回のように手に余る現実を突きつけられて終わる。無様な自分。その澱のような読後感が「リアル」と評され、本書をして同時代的な共感を呼んでいるのだろう。 「兄弟の秘め事」や「問わず語り」のような胸を打つエピソードも織り交ぜられ、エピソードの配列も秀逸だ。レビューアーであるわたしより7歳年下の書き手だが、非常に参考になる。 |
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方法意識の強さ Date:2009-08-28 おすすめ度 ![]() イスラーム圏の〈セックス〉の世界。たんに旅行しているだけではう かがい知ることができないのはもちろんのこと、メディアや研究者た ちも伝えてこなかったテーマである。 16編はどれもショッキングなエピソードでつづられている。そして いずれも美しい物語だ。過酷な境遇に直面している人たちがほとんど だが、どんなときにも、ちっぽけかもしれないが「誇り」を失わない 人々の姿を見つめている。 とりわけ、「婆」「兄弟の秘め事」「死海の占い師」「堕天使」「問 わず語り」にひかれた。 重くて暗い現実を、重く暗く描くのは、おそらくさほど難しくないか もしれない。だが、それだけでは読者には届かない。というより、読 者は容易なことでは読み切ってくれない。いくら重要なことが書いて あっても、読まれなければ意味はない。方法意識の弱い書き手は、い くら社会的名声を獲得しているものであろうと、しょせん二流ライ ターでしかないと、わたしは思っている。 石井さんの『神の棄てた裸体』は、重くて暗い現実を、どんな状況に あっても奪われない人々の核を見つめることによって、美しい物語に 変えていっている。著者の伝えたいことは、確実に読者に届いたので はないか。 ただこれをノンフィクションと呼んでいいものか、判断に迷う。 1編1編の取材はヘビーなものばかりだ。ひとつの取材を終えるだけ で、肉体的、物理的にはもちろんのこと、何よりも精神的な面で、著 者はボロボロになってしまったのではないのか。たった半年でこれだ けの取材をやり遂げることができたとはちょっと信じられない。 ある程度の事実の骨格の上に、構築されたフィクションではないかと いう印象を持った。これは著者の石井さんを貶めるつもりで言ってい るのではないのだが。 |
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言葉がない Date:2009-05-09 おすすめ度 ![]() 「絶対貧困」から他の著作に興味を持ち、この本を読んだのだが自分が持っているどんな言葉も意味が無く力がないと思い知らされた。とりわけダッカの路上で売春する年端もいかない子供達の前では、「先進国」で生活している自分がなにを言えるだろう。助けるとか救うとかとてもおこまがしくて言えない。哲学や芸術やその他諸々が意味を失っていく。「ごめんなさい」。それしか言えない。いつからこんな事になってしまったのだろう。昔からある世界の一つの風景なのだろうか?「ごめんなさい」。「何を言ってるの?おかしなおばさん、それより抱っこして」ってあの子達は言うんだろうか。 |
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間違いなく面白い本ではあるのだが・・ Date:2009-02-16 おすすめ度 ![]() イスラーム世界の「性」という目の付けどころがいいし、取り上げられている事象も文章も魅力的。面白く読んだことは間違いないのだが、登場する女性たちの語り口にどうしても「日本人ぽさ」のようなものを感じてしまって、読み進めていくうちに距離感を感じてしまった。書き手の立ち位置に対する違和感というほどのことでもないけれど・・・。 |
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この読後感は... Date:2008-09-23 おすすめ度 ![]() イスラーム圏各地の底辺社会に潜入した作者が、ノンフィクション と文学作品の境をギリギリ縫ってまとめあげた力作。地理的にカバー する領域が極めて広いこと、同時に、人々との接触の度合いが(その まま受け止めるのであれば)極めて深いことに驚かされる。 これだけの取材を積み重ねた筆者の努力には敬意を表するが、言葉の 問題などもある中で、どこまで本当にやりとりされた内容なのだろう? その疑問が最後まで脳裏を離れることはない。 短編1話、次々に完結していく物語を読み継いでいくと、この読後感 はなんなんだろう、そう、ひょっとすると、4コマ漫画に似ているの かもしれない。内容が悲惨なのにも関わらず、読後感があっさりして いるのはそのせいなのか。 |


