地球月光浴

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マーケットプレイス価格:¥ 4,860 (税込)

出版:新潮社
カテゴリ:大型本
ページ:1頁
JAN:9784104358021
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エディターレビュー
   写真といえば太陽光で写すか、夜ならフラッシュをたく。そんな常識を覆したのが写真家石川賢治である。1985年以来、「月光浴」と名づけ、満月の光だけで写真を撮ってきた。本書はその最新刊の写真集。ここには、あふれる色彩も、人工照明に輝く町や人間たちの姿形もない。微妙な諧調の青、影絵のようなモノクロームの鉱物的世界があるだけだ。それは夢の中のような、あるいは生まれる前か死んだ後のような、寂しくも美しい沈黙の世界。作品のすべてが目をつむらないと見えてこない内省と瞑想の視覚に気づかせてくれる。

   ヒマラヤの鋼鉄のような山嶺と満月、ケニアの草原の月光に浮かぶライオンやキリン、青白く光る白い花、溶岩流の赤を照らす月光の青、雪解け水を集めて流れる高原の源流。長時間露出のため、水が白い光のもやとなって、まるでサテンの長い布地が風をはらみゆらめいているよう。その岸辺に蝟集(いしゅう)する石。濡れてぬめった大粒の石たちは、いま目覚めた原生動物みたいにエロティックである。

   星座、十五夜、ホタル狩り、夜祭り。幼き日の夜に浮かれた記憶。慣れ親しんだはずの眺めが、昼とは違って見えなかったろうか。月の満ち干が、じゃがいもの発芽に作用しているという科学記事があった。かたく閉じた種子の闇に、月光が届いていたということだ。月光を浴びた地球という大きな種子をとらえたカメラのレンズを、讃えたい。(中村えつこ)

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