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物質のすべては光―現代物理学が明かす、力と質量の起源

翻訳 吉田 三知世
価格:¥ 2,415 (税込)
出版:早川書房
カテゴリ:単行本
ページ:365頁
JAN:9784152090973
Amazon.co.jp 売上ランキング:本で2605位
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レビュー
純粋文系には確かに難しい。が、結局言わんとすることは分かる気もする良い一冊です。 Date:2010-02-27
おすすめ度
純粋文系でありながら、森羅万象の理由を知りたがる
ありがちなゼネラリスト志向の自分ですが、
この本はいろいろ驚くべき事を教えてくれました。
勿論、難しいです。
でも、何回か読めば何となく見えてくるような気がします。

この本が扱うのは、主に「質量の起源」の問題。
原子が陽子、中性子、電子から出来ていることはさすがに知っています。
そして、原子の質量の99.9パーセント以上は、
陽子、中性子の質量による。ここまでも知っています。
また、現在の考え方では、陽子、中性子も、クオーク3つとグルーオンというモノから
成っている、ということも聞いています。

では、結局は、陽子、中性子の重さ(質量)は、クオークとグルーオンの重さ(質量)の総和、
ということだと思っていましたが、
なんと、この本によれば、
グルーオンには重さ(質量)はなく、クオークの重さ(質量)は3つ合わせても、
陽子、中性子が持っている重さ(質量)の1パーセントしかない!のだそうです。

では、では、陽子、中性子の重さ(質量)は、何から生じているのか???
この本の提示する答えは実にあっけないモノです。
それは、恐らくは、純粋文系の方でも、幾らかこの手の話に関心をお持ちの方なら
概念は理解できる程度のモノです。
そしてこの本は、そのあっけない結論のみのために多大な伏線を張り巡らせた一冊とも言えます。
でも、その余の雑知識が良い味を出していますので、読んで損した気持ちには絶対になりません。
ただ、この題名だけは「ちょっと違うんでないの」、と言わせていただきたい。
勿論、源著者一流の洒落がベースなんですけどね… 

末尾に私のような純粋文系の方でもこの本を楽しむためにまず読んでおいて損のない本のご紹介を。
「量子論」を楽しむ本―ミクロの世界から宇宙まで最先端物理学が図解でわかる! (PHP文庫)
光と物質のふしぎな理論―私の量子電磁力学
普通の物質の質量の95%分の起源が興奮を持って語られてます Date:2010-02-14
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クオークの漸近的自由の発見でノーベル物理学賞を受賞したイタリア
系の血をひく著者が、普通の物質の質量の95%を説明すると宣言して
「手ぶりを交えながらの説明」を実行しています。読んでいくうちに
このような書き手の興奮が伝わってきて巻き込まれていくような本
です。内容は陽子の質量がクオーク3個の質量を足しただけで
は5%分しかないことをきっかけに、残り95%分の質量の原因を素粒子
物理学の大切な概念である対称性、漸近的自由、粒子をとりまく雲等
々をイメージ豊かに駆使して説明しています。題名から質量の起源の
話だろうと推測できる人はヒッグス機構の話を期待して本書を手にと
るかと思いますが、私はそうだったのですが、その点に関しては肩す
かしを食らった感じです。というのは著者のスタンスとしてはヒッグ
ス機構による質量の説明は5%の部分だからです。そんな気持ちで読ん
でいても著者の意気込みと人となりに飲み込まれてしまいます。例え
ば、1)対称性を「差異なき区別」という言葉に言い換えて、クオー
クだけではそれを達成できないことをイメージさせ、その辻褄合わせ
にグルーオンという粒子の存在が必然であるということを納得させる
書きっぷり、2)重力が他の力と比べてとんでもなく弱いことに関し
て、その原因として問うべきことが陽子はどうしてこんなに軽いのか
ということであると読者に気付かせその軽さをもたらす仕組みの語り
っぷり等々は是非手にとって読まれることをお勧めします。
クオーク理論を主張していたゲルマンがファインマンの言うパートン
をプットン(ごまか子)と言って揶揄していたころ、著者は学生だっ
たのですがゲルマンの部屋を訪れたとき「君は何を研究しているのか」
と聞かれ、わざと「パートン模型の改良です」と返事をしたときのて
んまつも本人の話としてたっぷりの情景を伴って語られています。
Dr. F. Wilczekの“質量の起源”に関する、類書にはない記述は秀逸です。本著を読めば、読者が持っていた多くの疑問が解けるでしょう。 Date:2010-01-25
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Q.C. DのAsymptotic freedomの発見によってノーベル物理学賞受賞者の一人となった、Dr. F. Wilczekの本著は、Newton、Einstein、Feynman等の話題に何度も触れながら、遠隔作用と近接作用の違いをはっきりとさせている(そんなことは知っているさ!おっしゃる方は是非お読みください)。Wilczekは空間を満たす現代物理学におけるRealityを持つ媒質をGridという言葉で表し、古典物理学的なEtherと区別している。Feynmanが場という概念を回避して創り上げた(Feynmanによる遠隔作用の電磁力学を量子化した)独自のQ.E.D.に本人は大いに不満であった、ことの記述は有名であるが読んでおく価値はある。Q.C.D.の話題を中心にしながら、どのように陽子、中性子が質量を獲得するのかを詳細にわかり易く述べている。勿論、弱い相互作用の記述もある。しかし、重力に関する議論が面白い。
現状においては質量の起源も含めた力の統一理論構築には、未解決な部分が多い。それに関する著者の見解もある。
本著の内容は、文学、哲学等の文章を巧みに使いながら、洒落た、教養のある記述となっています。Gell-MannのFeynmanに対するライバル意識は有名で、多くのエピソードがあります。細かい内容は述べませんが、翻訳書では、文中に原注以外に訳注もあります。是非お読みになることをお薦めします。HIGHLY EXCELLENT BOOK!



この著書に述べられている物理学的内容は、既知のことのようです。しかし、一般読者にとってウィルチェック博士の(特に1部、2部の)解説がいかに優れているかを知らされました。 Date:2010-01-09
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物質って光なの?と同居人に聴いてみたところ・・・“違うよ!”との返事。でも〜・・・あぁ‾「The Lightness Of Being」のことだろ?彼は原著が出たときに読んだとのことで、今度は本和訳を解説してもらいながら、一緒に読んでもらいました。同居人は、この本の内容は70年代に論文で読んだそうです。彼が言うことには、”空間“の概念に関する記述が、非常に優れていて、この本の「第1部:質量の起源」はこれまでの類書では最高で、それに続く「第2部:重力の弱さ」も良いとのことでした。読んでいって、質問しながら進んでいくと・・・空間⇒エーテル⇒グリッドとウィルチェック博士の解説が空間の現代的な構造と意味が分かってくるような気になり、質量の起源が単にヒッグス機構のみではないことを知りました。また、登場する学者たちの多くのエピソードを同居人から聴け、理解が深まりました。第3章はSUSY、さらに重力を含んだ統一理論の簡単なお話、LHCで期待されるパートナー粒子が検出されるに違いないとの著者の期待が述べられている。
この本における貴重な記述は”第1部:質量の起源“で、この内容を理解していない、物理学科の学生、物理学ファンはいっぱいいる。ここを理解して”第2部:重力の弱さ“に進めば、現代物理学における『空間』のイメージがはっきりして、これまであったモヤモヤがいくらか晴れる・・・と同居人はぼやいていた。私の中では現代物理学における空間、質量の起源の概観を知っただけでも満足でした。面白かったです!
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