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ボーン・コレクター

原著 Jeffery Deaver , 翻訳 池田 真紀子
価格:¥ 1,950 (税込)
出版:文藝春秋
カテゴリ:単行本
ページ:471頁
JAN:9784163186603
Amazon.co.jp 売上ランキング:本で129483位
おすすめ度:

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レビュー
もう少しで★5つ Date:2009-10-18
おすすめ度
本書は、1997年に発表された
<リンカーン・ライム>シリーズの第1作です。

物語の舞台は、ニューヨーク。
ここで猟奇的殺人事件が発生し、
市警察は、元中央科学捜査部長のリンカーン・ライムに捜査を依頼します。
彼は、捜査中に事故に遭い、
四肢麻痺となっていましたが、明晰な頭脳は健在でした。
手足となって協力するアメリア・サックス巡査の収集する微細な証拠物件から、
科学捜査方法を駆使して、犯人を追い詰めて行きます。

この作品の特徴は、
「ジェットコースター・サスペンス」とも呼ばれる、
息をもつかせぬスピーディーなストーリー展開にあります。
上・下巻に及ぶ物語も長さを全く感じさせません。
「このミステリーがすごい!」の「ベスト・オブ・ベスト」で
第3位に選ばれているのも納得のいくところです。

ただ、少し残念な点があります。

思えば、この作品が発表された1990年代は、
映画「羊たちの沈黙」(1991年公開)の成功で、
小説や映画で、猟奇的殺人を題材とした作品が
数多く発表された時代でありました。
そうした中で、「猟奇的殺人鬼VS科学捜査官」という
作品構成上の図式もかなり一般化してしまった感があります。

そのためでしょうか、本作品は初読であり、
映画版も観ていませんが、同じような作品を多く目にしてきたからか、
「どこかで聞いたような物語」という感じがしてなりませんでした。
これがなければ、★5つとしたところですが・・・。

また、もう一つ残念なことがあります。
それは、作品の結末。
確かに意外性はありましたが、
「驚愕」するほどのものではありませんでした。
レベルの高い作品だけに、期待していたのですが・・・・。
科学捜査小説の金字塔 Date:2009-06-24
おすすめ度
この作品にはサスペンスを面白くさせる要因がすべて揃っている。

静かで理知的な安楽椅子探偵リンカーン・ライム、動的で感情的な助手、アメリア・サックス。この二人のあいだには微妙な男女の機微が流れ、恋愛小説的な側面も垣間見せる。この二人が時に反目し、時に尊敬しあいながら、追い詰めていく連続殺人の犯人の不気味さがまた凄い。殺人のシーンは想像するに目もそむけたくなるほど凄惨だが、犯人の骨への執着でみせるひとつひとつの行動が鳥肌が立つほどおぞましいのだ。この追うものと、追われるものがみせる推理力と科学捜査の粋を集めた知恵比べはまさに凄まじいのひと言。ページを繰る手がもどかしくなるほどだ。

犯人捜査の緻密さでは、名作「羊たちの沈黙」をはるかに凌ぎ、CSIとかボーンズとかのアメリカドラマの科学捜査ものの先駆けともいえる作品で、そんなアメドラファンにも必読の、科学捜査小説の金字塔ともいうべき名作である。
シリーズの原点 Date:2009-05-13
おすすめ度
なんで今までこの本を手に取らなかったのか今更ながらに悔やまれます。
先に映画を観てしまってたのも、なかなか読み始めれなかった原因の一つでもあるのですが、あの映画で全てが語られてるって自分の中で勝手に決めつけてる部分がありました。
映画ではリンカーンとサックスの2人の心情を深く掘り下げて描けてなかったって気がしました。
正直映画よりも小説の方が何倍も面白いですよ。
傑作という言葉がピッタリの小説です。

ドラマなどで科学捜査を見て知ってたけど、この小説で描かれてる科学捜査は本格的で最先端の装置とライムの奥深い知識が重なって犯罪者を追い込んでいきます。
専門用語も次から次へと登場するけど、その度に詳しい説明もあり初心者でもすぐにこの世界に浸る事が出来ます。
四肢麻痺のライムの手足となって現場で証拠を収集したり、犯人が残した痕跡を探し出すアメリアとのコンビが素晴らしいです。
自分が動けないのでアメリアに求めるハードルが高いのですが、それを次々とクリアして成長していくアメリアの姿にも注目です。
このライムとアメリアのコンビにかかったら完全犯罪などなくなってしまうのかなって思えるぐらい豊富な知識と行動力をもってます。

最初から最後まで緻密に練られた伏線が見事で犯人の招待を知った時には愕然となります。
これだけ分厚い本やのに、全然退屈する事もなく早く次のページを読みたいって気持ちになります。
それだけ中盤の描き方も見事で読者を惹きつけるんでしょうね。

脇役もみんないい味を出してるので、これからこのシリーズを読んでいくのが凄く楽しみです。
☆星五つです Date:2008-11-01
おすすめ度
読者を飽きさせない、良質なシリーズ第一作。
読んでいて「上手いな」と思いました。

物語としてのライムとサックスの関係が今後どのように展開をするのか。
併せて、著者であるジェフリー・ディヴァーが、読者をやみつきにさせる
ストーリーを構築するのか、二つの意味で期待させるシリーズ第一作です。
自ら命を絶とうとする友に私は何ができるのだろう Date:2008-07-19
おすすめ度
 云わずと知れた四肢麻痺・天才リンカーン・ライムシリーズの第一作です。
ミステリー好きであれば、必読のベストセラーですが今更ながら未読でした。
先送りしていたのは訳があります。E・ワシントン主演の映画版を一度見たことが
あるのですが、首から上しか動かないE・ワシントンが映画としてはなんとも地味
だなぁ、といった印象で、結末も覚えてさえいなかったからです。

 巧妙で、猟奇的な犯行に対して(1999年時点のですが)最先端の科学鑑識技術と
ライムの図書館並みの博学、洞察の緊迫した対決を縦糸に、女性巡査アメリア・
サックスとの関わりを横糸にしてストーリー展開をしています。何かと縦糸が
注目される本作ですが、何時も自殺する事を考えている身障者としてのライムの
苦悩と、何もできない、でもライムに生きていて欲しいと願うサックスの思いの
葛藤が読ませます。恋愛関係になる事はありえない仕事のパートナーでありながらも
本音で話し合い、苦楽をともにしてできる限り一緒に歩いていきたいと思う異性
との関係は現実の世界でもありうる事なのではないでしょうか。その究極の条件
付けとして肉体的な関係が不能なライムと、男性との恋愛関係が不能なサックス
といった取り合わせになったのは偶然ではないでしょう。現代では恋愛不能な
シチュエーションを作るのには、ここまでしなければ二人に立ちふさがる壁を
設定できないのかと思いました。

 印象的なのは、自殺を思いとどまらせようとサックスがライムに議論を挑む
場面です。ライムの自殺感は衝動的ではなく、苦悩の中で考えに考えつくされた
哲学の域に達しているため、誰も彼を思いとどまらせる事はできないと思いました。
言葉で自殺者を救う事の難しさを痛感させられます。本作はそんな生死感や
死にたくなるほどの孤独、苦悩に友人として何ができるのかということを
考えさせられました。
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