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悼む人

価格:¥ 1,700 (税込)
出版:文藝春秋
カテゴリ:単行本
ページ:464頁
JAN:9784163276403
Amazon.co.jp 売上ランキング:本で4197位
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 2009年本屋大賞 [ rythmes||et/logique ] at 2009-04-03 17:35:24
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 悼む人 [ 読書三昧 ] at 2009-01-16 15:37:24
悼む人 天童 荒太 読んでいる間中、やっぱり偽善じゃないかなどと感じながら、それでも何度も目頭を熱くした。 読み終えて何気にニュースサイトを見ると、この作品、直木賞を受賞していた。 なんだかタイムリー。 包帯クラブから久しぶりに天童サン読んでみた。 これって「オール讀物」か何かで連載が始まったようなころに読んだ。 ただ最初の数話を読んだきりのときには、スピリチュアル的か感じとか偽善のにおいがプンプンといった印象を受けた。 この小説には全体的に死の匂いが漂っている。 主人公は、全く知らない人々の死を悼むために旅を続けている静人。 まぁ、彼の様子を描こうとすればその都度誰かの死が描かれるんで、ものすごく多くの死について描かれている。 また登場人物の家族の死や、それを上手く受け容れられない人間を描いていたり、自らが死期を宣告されて残りの人生を生きている静人の母を描いていたり。 読んでいる間中、死っていうものに対してをすごく考えるというか思いをはせるっていうか。 そんななんとも低く平らな心境の中で読み進めた。 人は必ずいつか死ぬ。これはすべての人に平等。 ところがその死に関する思いは、亡くなった人によって全く違う。 悲しみ惜しまれる人もいれば、死んで当然だと罵られる人もいるだろう。そして全く誰も関心を示さない死も。 そんな思いに取り付かれたように日本全国を旅する静人。 新聞や雑誌に載っている死亡記事を元に現場を訪ね、故人について周囲の人たちに問う。 誰を愛していたのか。 誰に愛されていたのか。 誰にどのように感謝されたのか。 そして周囲から聞いた話を元に、心を込めて故人を悼み、心に刻んでノートに記す。 そうやって、その人が確かに誰かを愛して誰かに愛されて感謝されて生きていたことを覚えておくという。 彼のその行為に対して、偽善だ無神経だという声もあり、不審者として警察に通報されることも。 なんだかなぁ。 宗教っぽいっていえばそうだし、嘘くさいっていえばそうだし。 だけど、この作者は基本的に人の気恥ずかしいほどキレイなところとかを描くのが上手いと思う。 慎ましい感じに受け取ることができるから。 そうやって死を追いかけるように旅を続ける息子とは対照的にその母が描かれている。 余命数ヶ月と知ったあと、自宅で過ごすことを選ぶ彼女。 そして、少しずつなにかができなくなっていくことを悔やむのではなく、できることを喜びながら前向きに生きようとする。 その姿がとても力強くてステキだと思う。 それからこの静人。 聖者とか仙人とかのようにも、また宗教家とか偽善者とかのようにも取れる。 彼の印象がそのまんまで終わることなく、最終的には彼の人間らしさというのも表れている。 これでぐっとこの小説にリアリティが増したような気がする。 そして読みながらずっと思っていた、聖者ととるか偽善者ととるか……。 読み終えた今、アタシとしては聖者でも偽善者でもなく、彼のことは心優しい一人の人間としてとらえたいと思う。 内容紹介 全国を放浪し、死者を悼む旅を続ける坂築静人。彼を巡り、夫を殺した女、 人間不信の雑誌記者、末期癌の母らのドラマが繰り広げられる 登録情報 単行本: 464ページ 出版社: 文藝春秋 (2008/11/27) ISBN-10: 4163276408 ISBN-13: 978-4163276403 発売日: 2008/11/27 JUGEMテーマ:読書
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レビュー
死生観 Date:2010-01-21
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最初は読みすすまなかったが、進むにしたがって普遍的な死生観に通じる深いものを感じた。どう死ぬかはどう生きるかに繋がることを改めて確認させてくれる作品だと思った。
死者を悼むとは… Date:2010-01-11
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亡くなった人々のことを記憶に留めるために,日本中を旅する一人の男.彼は亡くなった人が,愛した人や愛された人,そして人に感謝されたことを聞き,自分の胸に刻み,その人のことを悼む.なぜ彼は無関係な人々の死を悼むのか.なぜ彼は悼む旅をするようになったのか.3人の人物の物語を通して,その謎が少しずつ明かされていく.

本作の完成に7年間もの歳月が費やされているということが頷けるほど,唯一無二の独特の世界観が構築されている.近年,日本では自殺者が3万人を超えるという異常な状態が続いている.一人でも多くの人に,誰しも孤独ではなく,生きることで救われる人が多くいることを知って欲しい.そして生の喜びを噛みしめて欲しい.
亡くなった母を思い出し涙 Date:2010-01-10
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いつもは、仕事帰りの電車の中で、推理小説や警察小説を好んで読んでいる。全く違うジャンルだが、話題の本と聞き、購入した。ストーリーの重さと、著者の表現力に圧され、読み終えるまでに長い時間を要した。人の死を悼む旅を続ける主人公を見つめる或る三人の視点から本書は構成されている。中学生の頃、癌で亡くなった母の思い出と重なり、坂築巡子の章では、涙した。少々現実離れした設定・描写もあるものの、読者の年代やこれまで歩んだ人生により、各々様々な形で、人の「生」、「死」、そして、「愛」について心に響く内容の本であると思う。一読の価値あり。
最後まで、不快感をくつがえせなかった本。 Date:2010-01-10
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書評など読んで期待して読みはじめたが・・・。どんな人にも、愛されて、愛して、輝くようひと時があったというモチーフを感じさせる内容を期待していたが「大外れ」。それぞれの登場人物が自己顕示しているだけという感じしかなかった。行動を共にする奈義、母親の巡子、雑誌記者の蒔野の人生を語る言葉も、心の動きも、読むものの心に響かず不快な感じだけが積み重なっていく。最後にはいい印象が残るか・・と思いつつ読み終えたが覆ることはなかった。
「病気」の一言で片付けるのは如何なものか? Date:2009-12-28
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人の命の尊厳に対して真摯に向かう姿勢において、「悼む人」には頭の下がる思いだ。これを執筆するのに実に七年もの歳月を費やした天童荒太の心意気と直向きさにも、また、深い畏敬を覚える。
自分とは縁故もないアカの他人の為に巡礼をする「悼む人」。こんな人物が実際にいたら、それこそ聖人君子以外の何者でもあるまい。読中、胸に迫るものには、活字で安易に表現できぬ感慨があった。本当に美しい物語だと思う。
「悼む人」こと静人を主人公に、記者の蒔野、静人の母で末期癌患者の巡子、そして、静人に随行する倖世の三者を通して、「悼み」の美学が綴られる。蒔野の父へ対する赦し、巡子の静人へ対する赦し、朔也の倖世へ対する赦し。これは、おしなべて、悼みの物語であり、かつ、赦しの物語だ。
文学的価値を計るにおいて、後者は最高級だと言える。特に、巡子の最後などは、その凡百のイマジネーションを超越した情景を俯瞰し、まさに忘我であった。だが、前者はとなると、評価しかねる。作品の本来の主役である肝腎の「悼む人」が、余りに虚構じみてみえるのだ。
確かに、テーマ自体は深遠なものだ。問題なのはしかし、その表現手段なのである。一方的な主観で他人の死に土足で踏み込み、「愛」だの「感謝」だのと定義する静人の行動心理に共感ができない。彼への遺族の反発や警察の保護といったシーンが度々出てくるが、彼らの対応こそ至極健全なものだろう。静人に自己を病気呼ばわりさせたのも、こうした問題への逃げ道の用意のようで、萎えた。
もし、これが静人が全国の犯罪被害者を慰撫するような話だったなら、文句なしの満点だったと思う。これは、もっと常識的な視野で書けば、最上のヒューマンドラマ足り得た筈だ。何故に著者は、それを、このような浮世離れしたお伽噺にしてしまったのだろう。理解に苦しむ。
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