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鷺と雪

価格:¥ 1,470 (税込)
出版:文藝春秋
カテゴリ:単行本
ページ:261頁
JAN:9784163280806
Amazon.co.jp 売上ランキング:本で12318位
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レビュー
激動の時代がはじまる・・・昭和初期の味わい深い余韻 Date:2010-02-09
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昭和初期の香りがする味わい深い世界にうっとり。
時代は決して明るいはずはないんだけど、
それでも蝶のようにしとやかに華麗に生きてる英子お嬢様のモダンな日常・・・この時代独特の余韻に浸れます。
謎そのものにはそれほどインパクトはなく、やはり時代を味わう作品なのではないでしょうか。

それにしても最後の2,3ページの緊迫感といったら!!
特に最後の1行にはガツーンとやられました。とんでもないショックを残しつつ終わっちゃうのね。
この後、英子お嬢様たちは時代の渦に巻き込まれ、激動の時代を生きることになる。
それを知っている私たち読者はとても平静ではいられません。

昭和エレジー Date:2010-01-30
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なるほど直木賞を取る方は良く勉強されていますね。226事件で終わらずに少なくとも終戦まで続けて頂きたい。
粒ぞろいの、日常の謎の傑作 Date:2009-11-15
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とにかくコージーミステリに登場する様な痛快なキャラクターと、それとは対極的なゴシック小説の如く壮麗な表現が際立つ、何とも妙味のある作品群。どれも、北村薫という作家の個性がみなぎった出来映えになっている。 エンタメとしては「獅子と地下鉄」が最もよかった。日常の謎、アクション、人情話。これらがこれだけ巧く活かされていればケチのつけようがない。ベッキーの大立ち回りに胸を躍らせながら、「ライオン」の真相にホロリ。全く以て無駄がなく、物語として円熟している。 文学としては一も二もなく「鷺と雪」だ。およそ華族らしくない立ち居振舞いをしながらも、凛とした一面も持つ英子が可笑しい。一方で、能楽と英子の夢の融合の賛嘆たる美しさと、英子の恋の前に屹立する2・26事件の非情さは壮観だ。これらが矛盾なく共存しているのには、見事としか言いようがない。 北村薫には余りに遅すぎた感のある直木賞。だが、本作での受賞となったことは、著者にとっても読者にとっても、決して悪いものではないのではなかろうか。
時代を重ねて Date:2009-11-06
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 9月以降、世の中の雰囲気が少し変わったが、この作品を読んだころ(5月か6月?)には、
「何となく変な世の中だよなあ」と言う気がしていて、北村先生の時代に対する痛切なメッセージを感じたものだった。
 小説の舞台は、戦争に向かう昭和初期。その中で、心ある人たちが心ならずも時代に流されていくという宿命。
この重いテーマを、様々なミステリー仕立てのアイデアや、魅力的で賢明な主人公たちを配して、一気に読ませる。
所々に窺われる「軽さ」とか「衒学」というのはあくまでも小道具で(もちろん、それも大事です)、
北村作品の本質は、人の持つ根源的な「悲しさ」、「喜び」、「優しさ」の表出であろう。
 この作品でも、帯(本に巻かれているやつです)の裏に引用されている、ベッキーさんの悲痛ではあるが希望を込めた言葉や、
「善く敗るるものは亡びず」という言葉を支えとして戦いに向かう若者の真情などが胸を打つ。
「欲しいものが何であれ、命を、まして他人の命をもって贖われる世ではなくなることを―願う」というベッキーさんの願いが叶うように、
特に、若い世代がこの小説を読んでくれることを心から願っている。
シンプルで面白い作品です。 Date:2009-10-27
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 近年、直木賞に選ばれた作品はどれも読みやすいです。
 本作は「オズの魔法使い」に例えると、主人公の英子がドロシーで、ベッキーさんは、知恵を与える良い魔法使い。
 つまりは、英子が昭和初期の東京を回るロードムーヴィーです。
 ベッキーという名は、映画「虚栄の市」にもじっているようにもみえますが、若者が読むと、どうしたって、あのタレントを想像してしまいます。なんか、若者向けに考えて狙った気がします。
 冒頭は、つかみにくいのですが、男性作家だからこそ描ける女性の優しさが、今風のユーモアを織り交ぜた文章で進んでいくので、さらっと読みやすいです。
 ラストはちょっと強引のような気がしますが、そこが他と抜きん出たところなのかもしれません。
 でも、ちょっと寂しいかな。
 
 追加
 このレビューを書いた一週間後に、録画して見忘れていた「週刊ブックレビュー」で本書の特集を発見しました。
 私には読んだ後に感想を話し合う友達が一人もいないので、番組では、著者の狙いが本人の口から聞くことが出来たり、司会の児玉清さんは、三越のライオン像に跨る習慣(都市伝説?)はあったのは事実だということを知り、本書の見方がとても変わりました。
 もう一度読み直そ。
 
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