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ドナウよ、静かに流れよ

価格:¥ 1,785 (税込)
出版:文藝春秋
カテゴリ:単行本
ページ:367頁
JAN:9784163597409
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 ○「ドナウよ、静かに流れよ」 大崎善生 文藝春秋 1700円 2003/6 [ 「本のことども」by聖月 ] at 2006-01-12 18:45:00
 評者は集中して、一日中、本を読むことはできるのだが(食事可、昼寝可、なんでも可、要するに飽きずに読書を続けるという行為)、本を読みながらその中身に集中するのには少し不得意である。そんなことに得手も不得手もなさそうだが、やはり不得手なのである。文章を読みながら、目は字面を追っているのだが、心は別の思考に満たされてしまっていて、数行元に戻って読み返すことがよくあるのである。裏を返せば、評者は本を読みながら、色んなことを考えている。というか、色んなことに思いが行ってしまったりするのである、まるで連想ゲームのように。  小学校6年生のとき、クラスで一番ちっちゃな体格の女の子は、今考えれば...
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レビュー
こういう男女関係を断ち切るには。。。 Date:2005-06-18
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身につまされる、ある意味で怖い話でした。
海外、それも日本人にとっては難しい国で、弱さを抱えた2人がくっつけば、
こういう結末が、最悪の場合には待っているということでしょうか。
日本人の海外脱出に待っている落とし穴って沢山あると思いますが、
それにハマらないようにするにはどうすれば良いのでしょうか?
また、男女関係においてこういう悪い共鳴をしないためには、
どうすれば良いのでしょうか?
と色々考えましたが、答えは出ませんね。
印象に残った作品 Date:2005-03-12
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パイロットフィッシュやアジアンタムブルーとは、性質のことなるドキュメンタリー作品。 

新聞の小さなベタ記事(異国で指揮者と19歳の少女が心中)がどうしてもひっかるというところから始まるのですが作者同様 こちらのほうもどういう理由で2人が心中にいたったか真実を追いたくなってくる。

その中で、今度は、現実的に少女の両親が相手の男と引き離そうとする壮絶なドラマが展開される。

真実を追いかけ現地に取材し 大崎さんの新境地ともいえる作品であっと言う間に読み終えてしまいました。

作品の中で大崎さんは、ドキュメンタリーでは、沢木耕太郎の影響も受けたとありましたが大崎さんも独特の味を持っていると思います。
少女の親が将棋と無関係でないというのも偶然ながらもと週間将棋の編集長だった大崎さんとの結びつけたのかもしれないですね。
あとにいろいろ考えさせられる作品でもありました。是非ご一読を。
一気に読ませるが納得できない Date:2004-07-30
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大崎氏がなぜこの事件にそこまで感情的に入れ込むようになったのか今一つ釈然としないまま話が進みます。動機なんかは別にどうでもいいのですが、もしドナウに身を投げた二人の実像が本当に大崎氏の想像しているとおりのものだとしたら、感動できません。

これは人それぞれでどうしようもないことなのですが、私はどうしても、経験と知性に裏打ちされていない"純真さ"というものを礼賛できない人間だからです。それがどれほど周りの人達を苦しめるか、当人たちが自覚していないこともまた事実なのです。家庭環境に問題があったことも、異国の地でどれだけさびしい思いをしていたかもわかります。私自身海外で8年暮らしていますが、これほど極端ではないにせよ、似たようなケースはそれこそ掃いて捨てるほど見てきました。そして、所詮は他人事ーと、砂を噛むような思いを抱かされ、自分の留学の目標に邁進する事しかできませんでした。

大崎氏は、彼らの行為を無償の愛として美化していますが、彼女はともかく、なぜ彼までも-なのでしょうか。どうしても行間から彼の愛は読み取れません。"あいつの処女をいただいたー"と、友達に言いふらす33歳の男が、なぜ初めて愛を教えてくれた人なのでしょうか。二人の残した遺書に、またしても私は砂を噛むような思いを抱かされただけでした。若いからこそ純真。その苦悩する姿は美しい。まさにその通りです。私自身異国の地を初めて踏んだ時まだ若く、苦しみました。でも人に感謝しながら精一杯生きることをやめませんでした。

感動! Date:2004-07-28
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読み終えて、壮大な長編ドラマを見た時のように感動の余韻に浸っています。
新聞の片隅に掲載されたベタ記事・・。たった二行で忘れ去られてしまう、あるいは全く目にも止まらなかったであろう、一人の少女の異国の果てでの死。

それを大崎氏の手により、多くの人の知るところとなり、彼女の人生を辿ることで、おのおのが何かを受け取り、考える基盤となったと思う。
又、両親や日実に関わった人たちがこれにより、少なからず救われたのではないだろうか?

日実はきっと両親を深く愛し、それがゆえに憎んでいたのではないか?

だから、父親に自分以外に子供がいることが許せず、母の二重人格を否定しながら「料理上手」と自慢する。
そんな危うく揺れ動く年代の少女が、一種自分と同じ傷を持つ、千葉と出会う。自分と同一のものを本能的に感じ取り、誰に何と言われようと見捨てなかったのは、きっと見捨てる事は自分を見捨てるのと同一と感じたのでは?

日実の選択に答えはない。

おそらく彼女自身も明快な答えは用意できないだろう。そして、これを読んだ
一人一人が出す結論が全てのような気がする。
この本の出版を了承したご両親の勇気と日実への深い愛情を感じる。

何とも切なく、哀しい・・。

ドナウへの祈り Date:2004-07-27
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「純粋さは子供にしかないのだろうか。大人は純粋ではないのだろうか」
本書を読み終えたとき、ふと頭に思い浮かんだ疑問。

〈邦人男女、ドナウで心中 33歳指揮者と19歳女子大生 ウィーン〉

それは2001年8月15日付の朝刊に掲載された小さな記事だった。本書の著者・大崎氏は出会うようにして紙面から記事を拾い上げ、引きつけられるように記事を辿っていく。そして、自分と19歳の女子大生を辛うじて繋ぐ因縁をスタート地点に取材は始まる。

ルーマニアに留学した女子大生・日実(カミ)は父親の浮気というトラウマのせいなのか、大人になりきっていない日実にとっては厳しかったルーマニアの現状のせいなのか…わずかな間に、出会ってしまった自称指揮者の千葉の存在に傾倒し、自らの精神と肉体を投げ捨ててしまった。

日実がもう少し大人だったら…。日実に“別れ”と“裏切り”の分別があれば違う結果になっていただろうか?

大崎氏は「人間にパンを与えられなかった自分がなぜ鳥には与えることができるのだろうか」と自問自答する。そんな大崎氏だからこそ、本書によって日実の人生に光を差し入れることができるのだろう。

ドナウに祈る日実を愛した人々の悲しみがそっと心に流れ込んでくるような本でした。

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