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磯崎新の「都庁」―戦後日本最大のコンペ

価格:¥ 2,300 (税込)
出版:文藝春秋
カテゴリ:単行本
ページ:476頁
JAN:9784163702902
Amazon.co.jp 売上ランキング:本で42751位
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レビュー
充実の建築ノンフィクション Date:2009-10-02
おすすめ度
戦前の岸田日出刀から前川、そして丹下、本書の主人公たる磯崎と、日本の近代建築のメインストリームをその各時代で代表する建築家達の関係を縦糸に、東京都庁という「日本最大のコンペ」における建築家たちの奮闘ぶりを横糸として、非常にコンパクトに多くの内容を詰め込んだ、エンターテイメントとしての建築書。なんだかんだと小難しい理屈を振り回しながらも、結局は「かっこいいから」この形を選ぶ、あるいはなんだか良くわからないまま選んだ形にあとづけでそれらしい説明をくっつける、リアルな建築家たちの息遣いを赤裸々に綴った文章にも好感が持てる。
ドラマとして面白い Date:2009-06-26
おすすめ度
判り難い建築書などではなく、小説として単純に面白いです。著者の前作「光の教会-安藤忠雄の建築」も読みましたが、今回も文体が明快で、ストーリー展開もスムーズ。最後までいっきに読み進むことができます。

物語のメインはやはり主人公・磯崎新と師匠・丹下健三の師弟対決。コンペという直接対峙することのない戦いですが、熾烈な格闘劇が描かれています。また磯崎新の弟子、事務所の所員たちの視点で描き出される磯崎新の素の姿も、変に面白く魅力的で読者を引き付けます。各登場人物ごとに書かれるサイドストーリーも豊富で、それが物語に厚みを持たせています。ひとつひとつの場面が映画のように視覚的に描かれていて、最後まで読者を飽きさせません。読み物として非常にオススメです。

もし、許可が得られるようであればコンペに提出した提案書の内容も添付してあると、読者にはうれしかったかもしれません。私は最後に別の書籍で確認しました。きれいな図面、精巧な模型写真、想いの溢れたテキスト等、すべてが物語とつながっていて感慨でした。提案書の内容は物語の核心部分ですから、オチが先に分かってしまう危険を伴いますが、見比べると非常に面白かったです。
平松剛『磯崎新の「都庁」』はオススメ本 Date:2009-03-22
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1985年の東京都庁のコンペをテーマにしながら
1,戦後の建築界を唸らせた丹下健三の快刀ぶり
2,丹下門下だった磯崎新が学ぶだけでなく影響も与えいった様子
3,1960年代にモダニズムが行き詰まった時の磯崎新の迷いと脱出
が印象的だった。

バブルの崩壊後、新世代の建築家が世界に
新しい建築を問うてきたことに関する続編が読んでみたい。
焦点は日本なら伊東豊雄か隈研吾とその門下たちがいいと思うけど。

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http://blog.goo.ne.jp/grenc/
フジテレビ本社デザインに何を思う Date:2008-12-06
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 バブルの沸騰する直前の85年、出来レースのような、天皇丹下健三に挑む磯崎新。既に天皇の力の衰えは明らかではあったが、年老いた巨人は挑戦者を葬り去ろうと死力を尽くす。消去法的な都のコンペのやり方、都が想定していた超高層でまともにやったら、面白くはないが実績のある丹下の勝ちとなるのは明らかだった。
 そこで挑戦者磯崎はマッシブな低層案をぶつける。勝ち目の薄い戦いに全力を尽くす。事務所の所員も職人も限界まで努力をして作り上げたデザインは、予想通り敗れた。
 この本は1995年にレム・コールハウスと車で首都高を走った際の会話で締めくくられる。「おい、磯崎。あそこに君の都庁が建っているじゃないか」「いやあれは丹下さんの仕事なんだよ」かつての愛弟子が拵えた新都庁案を最も理解していたのは彼であったのかもしれない。と。

 
表紙の柔らかさと内容の刺々しさのギャップがたまらない怪作 Date:2008-11-06
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表紙も文体も柔らかいのですが、実は磯崎新とその師・丹下健三との骨肉の闘争物語。丹下先生のワルさ全開という感じですが、ルイス・カーンの息子が撮ったドキュメンタリーで、フィリップ・ジョンソンが「ミースは癇癪持ちで、コルビュジエは意地悪だった」みたいなことを言っていたけど、大御所ってのはそうなっちゃうんですかね。個人的に東京で最も酷いなぁと思っていた都庁とフジテレビですが、丹下と磯崎がこの二つの建築でつながっていたことは本当に感慨深い。才能には限界があって、本当に輝くのはほんの数年に過ぎないのに、欲望には限りがない。建築家に限った話しじゃないけど、そのあたりのドラマとしても面白いし、磯崎と丹下を軸にしてみる戦後日本の建築史でもあって、読み応え十分です。
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