ホワイト・ジャズ (文春文庫)

原著 James Ellroy , 翻訳 佐々田 雅子
価格: (税込)
出版:文藝春秋
カテゴリ:文庫
ページ:683頁
JAN:9784167254391
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エディターレビュー
少年時代に母親を何者かに殺され、その後酒とドラッグに溺れた日々を送ったという特異な経歴のジェイムズ・エルロイ。本書は彼の「暗黒のLA四部作」の最後を飾る作品である。1950年代のロサンゼルスを舞台に、悪徳警官クラインはマフィア一家の家宅侵入事件の調査に乗り出す。暗黒街に強いコネクションを持つ彼は、事件を利用してうまい汁を吸おうとたくらむが、同僚の陰謀にはめられ破滅していく、というストーリー。登場人物全員が悪玉。警官が人を殺すのは当たり前。誰も信用できない。ヒーロー警官が活躍するハリウッド映画とは対極に位置する暗黒の世界である。
正直言って読みにくい。「バケツの汚物を壁にぶちまけた」とでも形容したくなるような文体で、暗号とも呪文とも思える言葉が全編に羅列されている。何度か読み返さないとストーリーも把握できないだろう。「暗黒街を舞台にしたミステリー」を楽しみたい人にはむしろ『ブラック・ダリア』から始まる前3作の方がお勧めである。しかし圧倒的な迫力を求めるなら断然本作である。一言で言うなら、本書のエルロイは「爆発している」。前3作で緻密なプロットと巧みなストーリー運びをものにしたエルロイは、今度はその技術を携えたまま、自らの怨念の世界にどっぷりとはまってしまった。
何がこうも彼を駆り立てるのか?その文体は、読者を彼の怨念に引きずり込もうという罠にも思える。いろいろな意味で「危険な」小説であることは間違いない。(三木秀則)
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