父の詫び状 (文春文庫 む 1-1)
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ユーズド:¥ 1より »
出版:文藝春秋
カテゴリ:文庫
ページ:281頁
JAN:9784167277017
Amazon.co.jp 売上ランキング:本で76819位
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レビュー
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愛すべき父親 寺内貫太郎の原点はココ? Date:2009-11-17 おすすめ度 ![]() 向田さん小5時代の詩発見が発見され 一部が読売新聞に掲載された。 子供の頃から文章力があって人を引きつける。 向田さんは私の親の世代。 そのお父さんとなると明治生まれぐらい? 家族の様子が生き生きと描かれ 特にお父さんが頑固でおかしくて お寿司のエピソードは笑わせる。 平成の今だとあのような父親は絶滅危惧種かも。 そしてうちの父の話になるが、 食事のしつけは厳しかった。 年末や夏の大掃除など父の号令で子供達みんなが動いた。 私が小学校に入学して一年間は毎日鉛筆を小刀で綺麗に削ってくれていた。 「父の詫び状」の中にもお母さんが鉛筆を削ってくれるシーンがある。 父が他界して25年。すっかり忘れていた40年以上も前の記憶まで 呼び戻してくれた。 ひとつ上の世代の話だけれど 昭和の懐かしい匂いがするエッセイで 向田さんのあっけらかんとした明るい性格が印象に残った。 |
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家族愛がたっぷり。泣けて笑えます。 Date:2009-10-28 おすすめ度 ![]() 向田邦子さんの生まれ育った亭主関白の家庭環境がリアルに拝見できます。随所に人の「死」や捉えがたい登場人物が登場し、気持ちが重くなることもますが、向田邦子さんが向き合うべくして巡り合った出来事・人々なのだと思います。いつまでも本書の中で生き続け、読者の心にも残ります。 寝巻き姿の向田さん含めご兄弟とお父さんの場面に声を出して笑っていました。私も同じ種類の腹巻をしているので。(小さい頃も今も腹巻の世話になっています。) どの思い出も印象深いものです。お母さんの健気な性格に胸が熱くなり、次の場面ではまた吹き出している自分がいました。 「父の詫び状」、もし自分に書くチャンスがあれば「娘の詫び状」を書きたい…。 |
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気骨のある父親を縦糸に軽妙なエッセイ Date:2009-09-03 おすすめ度 ![]() 巻頭の「父の詫び状」以下24編のエッセイにかなり多く父親の思い出が出てくる。転勤族で父親の勤務地へ家族で移っていく。 昔気質の父は、履物の並べ方一つにしても口やかましいところがあった。家長としての威厳があってブスッとていたが、ある時手紙の終わりに簡単に「此の度は格別の御働き」という一行があり、そこだけ朱書で傍線が引かれてあった。「それが父の(一度きりの)詫び状であった」とこの文章を結んでいる。 普通の人ならば、こんなふうには感受性深く感じられないし、こんなに軽妙洒脱に父親を浮き彫りにはできないであろう。家庭的に恵まれず育ち苦労性であった父に、厳しく叱られた思い出の方が多い。気短でよくどなられたが、死なれてみると懐かしい。 そういう作者自身も交通事故で亡くなられたことを思うと、感慨に耽らずにはいられない。 |
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時代を感じさせない傑作 Date:2009-05-31 おすすめ度 ![]() 向田邦子が亡くなったとき大きなニュースになったのを小さかった私はなぜだかなんとなく記憶していて、でもなんでこんなに騒ぐんだろうと思っていた。その後ドラマなどを見せてくれない家庭に育ったので向田邦子作品に触れることもなく大きくなった。 この名作と言われるエッセイ集もつい最近ふとしたことがきっかけで手にとった。最初から引き込まれぐんぐんと読み進めた。間違えたらかわいそうな話で終わりそうなエピソードもつい笑ってしまう話になるのはすごい。 そして読むのをやめた。読み終わってしまうのがとてもこわかった。もうこの世にいない著者の作品というのはまた新刊が出るわけじゃないんだと思うともったいなくてもったいなくて。 違う本にうつったりしながら大切に大切に読み、つい最近読み終えた。 また何度も読み返していくエッセイ集になると思う。 |
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カラっとした心地よいエッセイ Date:2009-03-21 おすすめ度 ![]() 端正な文章のエッセイ。 経験した多くの転校も、実のところそれなりにつらかったと思うが、ネガティブな面では《場数を踏んでいるとはいえ、新しい学校へお目見えにゆく朝は、子供心に気が重かった。(「隣の匂い」)》と触れられている程度で、ほかはそれぞれの地での思い出が、ほんのり胸の奥があったまるようなトーンで多く描かれている。 読み終えてみて、印象に残るのは、ありがちかもしれないが厳格な父親を中心にした家族への愛。 子供のころに「時間ですよ」や「寺内貫太郎一家」を再放送でみたけれど、今思うと、ドタバタでくるんだ娯楽ドラマにも、じめっとしていない家族愛がやっぱりあったよなと思う。 自分の父より一回り年長になる著者の遣う言葉は、まったく平易でありながらも、背筋が伸びるような感じがして、気持ちがいい。明治・大正期の小説のような読みにくさはなく、自然で美しい日本語。 読み返しに耐える好エッセイと思う。 |

