センセイの鞄 (文春文庫)
価格:¥ 560 (税込)
出版:文藝春秋
カテゴリ:文庫
ページ:278頁
JAN:9784167631031
Amazon.co.jp 売上ランキング:本で6453位
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友人に薦められた川上弘美さんの小説。文春文庫。 なんだか題名が媚びた感じがしていたので、手にとらずでいたが、友人が言うとおり、とても良い。染み渡る。自分の早計さに恥じる。 センセイとのいろいろな会話、飲み、交流を通して、だんだんツキコさんに変化がある。 気持ちの変化を味わうことが、それまた心地よい。 どうしてこんなに自然体なのだろう。さらにのめり込みが深く続きそうです。 その友人とは、これから一緒に音楽を聴きに行き、夕べからはお薦めの居酒屋へ向かうことにしています。無事、家にたどり着けるかな。 センセイの鞄 (文春文庫)川上 弘美 / 文藝春秋
内容(「BOOK」データベースより) 「センセイ」とわたしが、過ごした、あわあわと、そして色濃く流れゆく日々。川上弘美、待望の最新長篇恋愛小説。 「ツキコさん、デートをいたしましょう」 ああ、私もセンセイに頭を撫でられたり、デートに誘われたい!と思っ...
恋愛小説、でした。 駅前の居酒屋で十数年ぶりに高校の恩師と再会したツキコさん。以来、会えばセンセイと酒を飲み、キノコ狩りや花見へと出かけていく。やがて、歳の差を超えた切ない心を抱きつつ、ゆったりとした日々が流れていく。 何度もタイトルは目にし、何となく知った気になっていたものの、実は全く予備知識がなかったことに読み始めてから気づいたあたし。普通に恩師との交流録かと思ってましたよ。全然違った・・・。今更ですが、でもこれ、すごく、好みです。 当時もとりわけ親しかったわけではない高校時代の恩師と、居酒屋で再会。何となくの交流が始まり、成り行きであちこち出かけるようになる。劇的な事...
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レビュー
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あわあわと、心地よい物語 Date:2009-10-04 おすすめ度 ![]() 40近くの独身女性である月子さんと、初老で元国語教師のセンセイが お互いに好意を持ち始め、そして恋心を抱くようになる。 二人ともいい味を出していて素敵。 居酒屋の場面も、二人で市に出かけてひよこを買うところも、孤独に耐えられなくて泣きたくなったときに偶然出会うときも、 どんなときも穏やかで、洒落がきいていて、個性的で 物語自体のおもしろさに夢中になって読んでしまう。 あわあわと、心地のよい物語で、それでも最後はあって、最後にしゅんと寂しくなる。 そして読んだあと居酒屋に行って日本酒が飲みたくなる。 |
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二人の忸怩たる想いが限りなく愛おしく胸を締め付ける Date:2009-09-08 おすすめ度 ![]() 客観的にはこの上なく無様でも、 恋愛はやはり恋愛である。 青春の輝きや、未来に向かう夢希望が 高らかに喧伝されていなくとも、当人たちにとり それは年齢に関係なく切実なモンダイで、 不器用であればこそ、彼らの忸怩たる想いが 限りなく愛おしく胸を締め付ける。 残された時間が少ないからこそ 今、この掌にある大事なものを ゆっくりと熟成しなければならない、 その慎重さ、そしてかけがえの無さ。 そしてそれをなんとか成し遂げる彼らに 私たちは最大級の賛辞と羨望を送りたくなるのだ。 時折立ち現れる夢うつつのシーンが、 登場人物たちの恋愛の生々しさを時に剥ぎ取り 不思議な余韻を読者に与えている。 |
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遺していく人と、遺される人 Date:2009-05-18 おすすめ度 ![]() いつもどこかしら外界との違和を抱いている未婚の「わたし」と、そんな「わたし」が偶然再 会した、辛うじて覚えているほどの高校の教師「センセイ」との、ゆったりした交流を描く小 説。 この小説で、「わたし」と「センセイ」の関係の象徴とも言える、2人がいつも立ち返る「場」とは、 2人いきつけの(かといって2人がそこをいきつけにしているのは単なる偶然だったのだけれど も)居酒屋である。 そこで彼らはいつも、対面する席には座らない。いつも、向かい合うことはしないカウンター で酒の肴をつつく。それが、この小説の2人の関係性を象徴しているような気がする。面と向か い合うのは、教師―学生の関係性の所作だ。そうではなく、どこかしらまだ「わたし」を学生 扱いして押しつけがましいセンセイと、そんなセンセイの押しつけがましさを表面的には鬱陶 しがりながらも(面とは向かい合わずに)、でもなぜか離れることのできない(晩酌を相席を してしまう)「わたし」というのは、一言では語ることのできない何かでつながっているのだ。 小説はそういった2人の、急がない、焦らない日々の積み重ねなのだけれど、その結末に おいて僕は少し驚いてしまった谷崎潤一郎賞受賞作。 |
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泣きたくなる。。。 Date:2009-01-22 おすすめ度 ![]() 「センセイ」「ツキコさん」名前を呼び合う二人の空気が、とても甘く、ゆったりとながれます。でも、お互いに求め合おうとするココロのざわめきが詰まった会話です。 20年ぶりに再会したセンセイと私、飲み友達からだんだんとお互いを必要になっていく気持ちの流れが、淡々と書かれています。 でもそれは大人の恋愛だから。 30代後半のツキコと30ちょっと年齢が上のセンセイの愛は、自然にはぐくまれ、気がつくとお互いがお互いを欲しています。 年齢的に必ずぶつかるであろう、性への不安も、初めて結ばれた時の激しさも、短い言葉で端的に表現しています。 そして、現実世界での永遠の別れ。 「センセイにすっかり馴染む前に、センセイがどこかに行ってしまったことを思い知って、泣けたのだ」 恋の切なさをしみじみと感じて、泣きたい気持ちになる小説でした。 |
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最後は自然と涙が流れてきました。 Date:2009-01-20 おすすめ度 ![]() 川上弘美の作品は、いくつか読んできました。 「物語が、始まる」「蛇を踏む」「消える」・・正直どの作品も難解で意図が全く分からず、 最後はいつも疑問ばかりが残っていました。 けれども、今回この作品を読んで強い感情移入はなかったものの、ツキコとセンセイのやりとりには心が和むような、ずごくじれったいような・・でも最後は自然と涙が流れてきました。元妻への思いがあったからツキコを突き放していた(心を閉ざしていた)けれども、最後はツキコに心を開き、不器用ながら一生懸命愛情表現するセンセイが可愛いと思いました。 |


