動物園にできること (文春文庫)
価格:¥ 690 (税込)
出版:文藝春秋
カテゴリ:文庫
ページ:346頁
JAN:9784167662035
Amazon.co.jp 売上ランキング:本で227716位
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レビュー
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表現が程よく客観的 Date:2008-12-01 おすすめ度 ![]() きっとこんな本を読まれる方は少なからず動物園が好きであったり、動物園について調べていたりする方が多いのではないかと思います。 私も同じような種類の本をいくつか読むのですが、この本は業界の専門書と言うわけでもなく、動物園を絶賛しているわけでもなく、著者の方が足を運んでお調べになったことを読みやすいレポート調で、淡々と書かれていることが気に入りました。 本文に書かれている著者の方の考え方も、その表現が自然体で、固まった意見を押し付けられるような印象が全くなかったので、読みながら本に書かれていることと自分の思うところをこうさせながら読むことができたので、とても楽しかったです。 |
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動物園に「も」できること Date:2007-12-03 おすすめ度 ![]() 絶滅の危機に陥った野生動物の飼育下繁殖と野生復帰の重要性をこんこんと説いていて、それはそれでとても説得力があるのですが、肝心の「じゃあなぜそれを動物園がやるのか」という疑問には一切答えていないのが不満です。 ゾウにせよゴリラにせよ、先進国の大都市にある大動物園で保護繁殖を行うよりも、原産国の生息地に隣接して保護飼育センターを作り、そこで保護や繁殖・野生復帰を行ったほうが効率がいいに決まっている。だが、そういう可能性には本書は一言も触れていない。 すでに先進国の大都市にある動物園という施設の持つ「原罪」には触れずに、保護も行っているんですという免罪符を与えている点では動物園内部の人間が書いた動物園肯定論の域を出ないものである。 保護の必要のない動物の飼育や展示についても曖昧な理論に終始しています。 |
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客も設置者も働く人も“動物園”を考える為に Date:2006-12-18 おすすめ度 ![]() 本書にでてくるいくつかの動物園に、私も行った事がある。 昨今日本でもなされてきた棲息地型展示が主流で、欧州(ドイツではなかったかと思う)ではゴリラにストレスを与えぬよう、観客とゴリラを隔てるガラスの人の身長以下の部分の殆どに、中からも外からも見えないようにシールが貼られ、客は縦数CM・横10CM程度に所々切り取られた部分から内部を覗き見るようになっている展示も見た。 そんな動物園先進国が、どんな取り組みを行なっているのかを学べる本としては、近年いくつも発刊された旭山動物園関連の本より遥かに先を行く充実した中味であり、それは客を楽しませる為に動物の説明や餌付けを見せるということではなく、子どもや教育者に対する環境教育・種の保存・健康管理をしやすくする為の訓練・刺激を増やし、自然な環境に近付ける事で身体的・精神的健康に寄与するエンリッチメント・アジアやアフリカ等棲息地の繁殖計画やパプア=ニューギニア・中国へも出張して教育プログラムを広げるといった、国連1部門のような働きをも動物園は担っていけるのだという、先進国アメリカの例であった。 確かにヘンリー=ドーリー動物園の獣医の言うとおり、「野生のトラも今やちょっと大きな動物園に棲んでいるようなもの(であり、また)動物園には彼らを救う義務と能力があ」ろうし、その言葉には説得力もある。 日本の設置者の“市民の娯楽であればいい”という幼稚な考えと比較すべくもないが、米のように“積極的に動物を窓口とする地球環境悪化防止に関わろう”とする意思を持たずに見世物小屋として動物園を運営するのならば、そこに投入されている税金や入場料代わりの自然保護税を新設して、棲息地での密猟の取り締まりや環境保全に資金投入した方が良いのではないかとも思わせてしまう本です。 追記 読後、ここでも民度の低さに準じた施設しか持ちえないのか?と嘆いてしまいました… |
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動物園をどう楽しむか Date:2006-05-27 おすすめ度 ![]() 珍しい動物を見て、歓喜する。かわった習性を見て、ラッキーと思う。確かに猿山は見ていて飽きなかった。 そんな動物園の記憶を、現在の視点から見つめ直す本です。 動物園のいろいろな努力を認めながら、でもやっぱり、その予算は生育環境保護に使われレルベきじゃないという視点と、動物園でもナチュラルな環境を少しでも満たすべき。 著者の視点の揺らぎに共感する一冊でした。 |
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現代に生きる全ての人類にとっての「バイブル」 Date:2006-03-30 おすすめ度 ![]() 1999年に単行本が出版された後、動物園・水族館関係者の「バイブル」とまで言われ、古書店で8,000円の高値を付けられたこともあるらしい噂の名著が、2000年以降の日本国内の動物園の最新動向も盛り込んで文庫化。単に動物園のあり方を考えさせられるだけではなくて、広く環境保全や環境教育全般に関して、深く考えさせられる内容です。 米国の動物園における様々な新しい試みの実例が、35ヶ所の動物園、120人以上へのインタビューを通じて、豊富に紹介されていますが、野生動物や自然環境と人間との関わり方の問題は、国や地域の違いを超えて共通です。本書の中にも「メガ・ズーとしての世界」という小見出しの付けられた段落がありますが、今や人間の活動から完全に隔絶された野生の王国などというものはこの世界中に一箇所も存在しないのですから、つまりは我々現代人の全ては、地球という大きな動物園の中に住んでいるようなもの。となれば、その動物園のあり方を考える本書は、現代という時代にすむ全ての人間にとって、必読の教科書と言うべきでしょう。この本を読むことで我々はようやく、現在の地球生態系の中で自分自身が置かれているポジショニングを理解し、地球環境や生態系に対して負うべき責任を自覚することが出来るようになるのではないかと思います。 「動物園にできること」は、そのまま「人間たちにできること」。そう捉え直して読み進んで行くと、本書を「動物園・水族館関係者だけのバイブル」にしておいてはいけない。と、誰もが感じることと思います。 久々に感動しました。 |


