リクルートという奇跡 (文春文庫)

価格:¥ 540 (税込)
出版:文藝春秋
カテゴリ:文庫
ページ:263頁
JAN:9784167679545
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エディターレビュー
   ――河野さんはいつ社長を辞めるおつもりでしょうか――こんな衝撃的な一言から本書は始まっている。これは著者の、藤原和博が、株式会社リクルートの第41回定時株主総会で突きつけた質問。本書のテーマとなる「リクルートマンシップ」の真髄が伝わってくる、強烈なエピソードである。

   本書は、東京大学を卒業後、まだ名もない企業だった日本リクルートセンター(当時)に入社し、さまざまな事業の経験を経て、営業本部長にまでのぼりつめた藤原和博が、人材輩出企業リクルートの秘密を内部からえぐり出した1冊である。

   アルバイトをきっかけに入社した藤原青年が、「ビジネススクール」リクルートでさまざまな教師に出会い、成長していく様や、リクルートの社員たちがどんなスピリッツを持ち、さまざまな問題に立ち向かっていったかが、実に生き生きと描かれている。新人・藤原を率いて、苦情をあっさり契約に結び付けてしまった先輩、木村晴男や、ダイエーの中内社長(当時)からも教えを請われたという伝説の営業マン、土屋洋、安比高原スキー場を手がけた天才デザイナー、亀倉雄策、iモードを成功に導いた松永真理、さまざまなタレントたちのエピソードなども枚挙にいとまがない。リクルートという企業の躍動感が伝わってくる、魅力的なドキュメントに仕上がっている。

   内容は決してさわやかなものばかりではない。リクルート事件のスキャンダルに巻き込まれ、マスコミと闘った著者の苦悩や、ダイエーの支配下に置かれ、プライド喪失の危機にひんした頃の重苦しい社内の雰囲気など、リクルートの社史の陰の部分も描かれている。(土井英司)

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