華々しき鼻血

原著 Edward Gorey , 翻訳 柴田 元幸
定価:
マーケットプレイス価格:¥ 1,404 (税込)

出版:河出書房新社
カテゴリ:単行本
ページ:64頁
JAN:9784309265032
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エディターレビュー
   タイトルにひかれて表紙の絵に目を凝らせば、ハンカチで鼻を押さえた女が、岩の上にのけぞっている。厚い毛皮の外套を着た男が2人、鼻血の女には無関心で、彼方を見やる。裏表紙では、3人退場。代わりにとぼけた顔の白い犬が、女の倒れていたあたりをかいでいる。空には暗雲垂れこめて…。

   でも本書は、不吉な一篇の物語というわけではなく、26の個別な文と、緻密な白黒のペン画とで構成された、アルファベットブック。AからZまでの頭文字の副詞が、ワンセンテンスの短文の中に必ず含まれている。というより、その副詞を中心にしている点が、珍しい。

   たとえば「B」なら、「The creature regarded them Balefully」が原文。「まがまがしく/こ(子)らにらむ/いきもの」という訳文に、水から上がってきたばかりの変な生き物が、桟橋の上で3人の子どもをじっとにらんでいる絵。「E」は「Endlessly(とめどなく)」で、長い長いマフラーのはなし、などなど。それぞれは独立した場面だが、全体をタイトルに結びつく1つの筋に想像力でつなげようとして、はてつながるかどうか。ゴーリーの手品に挑むもよし、あるいはお好みの場面だけ、心の箱にしまっておくのもよい。

   訳文は、2から3行の縦書き平仮名。原文には必ずある主語が訳文にはなく、おまけに文頭の文字が黒丸に白抜きと目立つので、名調子のいろはカルタのよう。どのページにも、予感としての不吉は漂っているものの、ゲーム感覚で、楽しめる。(中村えつこ)

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