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今日の芸術―時代を創造するものは誰か (光文社文庫)

価格:¥ 520 (税込)
出版:光文社
カテゴリ:文庫
ページ:258頁
JAN:9784334727895
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 『岡本先生』発見! [ クラニスム ] at 2008-04-05 00:33:13
『こどもの城』 東京・青山 今日の芸術―時代を創造するものは誰か (光文社文庫) 岡本 太郎 / / 光文社
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エディターレビュー
芸術家の書く文章の魅力は、何と言っても彼らの創造の秘密をのぞかせてくれることだ。「芸術は爆発だ」であまりに有名な岡本太郎による本書もその例に漏れない。本書は、美術、歴史、民族学など広範な知識を駆使し、論理的に展開しているが、創作者の実体験に基づく論述だけに退屈させない。また全編を貫く著者の芸術に対する深い信念が文章に勢いを与え、読者を魅了する。
前衛芸術の啓蒙書と言うべき本書において、著者は「今日の芸術は、うまくあってはならない、きれいであってはならない、ここちよくあってはならない」を芸術の根本条件として宣言し、芸術の本質とは常に過去を否定し乗り越えることであると示す。そして現代社会で失われた人間性を取り戻すため「これからはすべての人が描かなければならない」と主張し、人々を芸術行為へと誘う。1974年に刊行された初版の序では、著者自らが芸術に関心のない人にこそ読んでもらいたいと言っている。芸術は特権的なものではなく、人間の根源的な欲求だからである。
復刻版では横尾忠則が序文を、赤瀬川原平が解説を書いている。刊行当時、芸術を志す者に競って読まれた本書は、簡略だがオーソドックスな美術史入門でもあり、「謙虚は卑屈」と断罪する日本文化論でもある。しかし何よりも、停滞を嫌い常に前進する画家の人間像が印象に残る、本人による「岡本太郎論」と言える。(林ゆき)
レビュー
芸術から見た現代人の問題とは Date:2010-02-03
おすすめ度
芸術論に留まらず我々の人生論、精神に語りかけて
くる極めて意義深い本。

この本の意義は主に2つある。1つは表題の芸術論
で、主に裸婦像、静物画などの近代絵画から(この
本が書かれた時点での)抽象画、シュルレアリスム
など現代絵画の意義と歴史が極めて簡明に説明され
ている。特に抽象画の説明は目から鱗で、今までの
どの解説より分かりやすかった。

もう1つがこの本の本題であろう人生論、日本論で
ある。日本芸術の現状を著者なりに分析しながら、
日本人、現代人の精神を縛っているものは何か、を
炙り出す。絵画教育や日本文化の発信はその後の時
代を先取りしたものであり、著者の先見性が窺える。

本書にも岡本太郎独自の名言が数多く収録されてい
るが、その中で特に気に入ったものを最後に1つ。
「自分が、現在、すでにそうである。」

「今日からやる」の上を行く最上位の決意といえるだ
ろう。
芸術3原則の衝撃 Date:2010-01-09
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「きれい」「上手い」「心地よい」
これらを積極的に否定する芸術の3原則は衝撃的だ。
ただし、この3否定は芸術の本質に到達するために絶対に経なければならない「手段」として捉えられるべきであって、それ自体が芸術の目的ではない。

周囲の目を気にしていては本物はできない。だから敢えて嫌われるように作る。それが結果的に評価されなくてもいいし、評価されるなら大いに結構。
そういう芸術哲学が見事に表現されている。
彼は、いまでも猛々しい! Date:2009-11-02
おすすめ度
岡本太郎が、この本のなかで言葉を変えながらも言わんとすることを一言で表現するなら、なににつけても、「装ってはならない!」ということになると思う。
自分が何ものかであるように装ってはならない。そして同様他人にもそれを許してはいけない。知らず知らず装っているものをよく観察して、キャベツの葉皮を引き剥がすように裸にしていく。素っ裸にしたものをこそ見なきゃならん!そしてこの「装わないこと」は、何もしないことではなく、「すべてをする」ことである。
(芸術に限らず、人生において)こんな大命題を引き受ける(いや、彼は自然な人間のありかたとして、当然のようにやっているはずだ)ことは困難極まりないが、彼は自ら先じてそれを引き受けた。そしてこの本を読んでしまった以上、僕は自分にも同じ問題をつきつけずにはいかない。(だって知ってしまったのだから。)太郎の問題は、たとえ50年経っていても、(少なくとも)僕の問題である。
今、現在読んでも、新鮮な感覚が・・・、 Date:2009-10-18
おすすめ度
ある、間違いなくある!

正しく、目から鱗とはこの事なり!!
この本が発行されたのは、今から55年前の1954年。

当然、今とは、世間の状況も違うはずなのに、これだけの衝撃性がある事自体が、この本の普遍性を物語っていると思います。

岡本太郎と言えば、「芸術は爆発だ!!」で有名な爆発おじさんというイメージかもしれませんが、この本の太郎は非常に冷静かつ、論理的な太郎です。

正直、読んでいて、久しぶりに感動しました。
身が震える様な感覚になり、「岡本太郎は生きている!!」とさえ、感じました。

これほどまでの影響力を持っているのです、間違いなく、僕の中で太郎の言葉、精神は息づいています。

今は、渋谷に行けば、「明日の神話」が展示されていて、誰でもあの大作を鑑賞できます。
この本を読んだら、太郎の作品にも触れてみてください。

また、違った目線で観られると思います。

古さと新しさ Date:2009-05-27
おすすめ度
社会的政治的な本だ。
時代の影響だが著者の認識にはマルクス主義の臭いがある。
内容は古いような新しいような、
普遍的な要素と時代的な要素が入り混じってる。

官僚制が支配する近代社会に対して人々はどのように対峙すればよいのか、
というポジションが著者の根本にある。
だが、現在は50年前とは異なる状況がある。
官僚制が支配の道具であることは変わらないが、
究極の官僚機構とも言えるコンピューターネットワークが幅広く人々の隅々まで普及した時代に、
官僚制からの逃避を訴えてもあまり説得力がない。
むしろそれそれをどう使うかを問うのが今の方向に思う。

また、自由を使いこなせる人がいる一方で、
自由に振り回されるだけの人も多いことも知られている。
精神の自由さは、確かに大きな価値ではあるけれど、
それもいくつかある大きな価値観のうちの一つにすぎず、
自由が犠牲にする取り返しのつかないものが世の中にざらにあることも認識されてきた。
今の日本人にとって、「すでにかなり自由だけどだから何なの?」とか、
「自由だけど幸せではない」、「自由だけど何をすればいいのか分からない」、
そんな不満の方が現代的に思える。

その一方で、前衛芸術の美術史における位置付けを、明白に語っている部分は説得力が高い。
言い方は微妙に違うが、モダンアートでは、技術の巧拙と芸術的価値を分離する試みがなされており、
それがヘタクソに見えるピカソのキュビズムとか、
アンリ・ルソー、セザンヌ、ゴッホなどが高評価される理由だという。
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