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独白するユニバーサル横メルカトル (光文社文庫)

価格:¥ 600 (税込)
出版:光文社
カテゴリ:文庫
ページ:318頁
JAN:9784334745264
Amazon.co.jp 売上ランキング:本で48262位
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レビュー
グロテスク小説 Date:2009-11-30
おすすめ度
奇抜なタイトルと「このミステリーがすごい」1位で知られる本書だが、この小説にミステリーの要素はなく、ホラーと呼ぶのも違う気がする。
新しいジャンルとして「グロテスク小説」に分類するのが妥当だろう。
この小説から受ける印象は「恐怖」ではなく「不快」である。
ただただグロい情景描写が続いてゆく、これを「独特の世界観」と評するに値するかどうかは見解の分かれるところであろう。
評価の分かれる本と言ってしまえばそれまでだが、「この本を好きだという人とは親しくなりたくないなぁ」そんな本である。
残酷さの限界への挑戦 Date:2009-11-12
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 一言で言えば「悪趣味」ということになる。
「このミステリーがすごい!」2007年度第一位を獲得した、平山夢明による短篇集である。この作品がミステリーかどうかは疑問が残るものの、挑戦的な意欲作であることは間違いない。個人的には最終話の「怪物のような顔の女と溶けた時計のような頭の男」が断トツであった。
 MCという強迫神経症の男性と、ココという人生に絶望した醜い女性。椅子に縛り付けられた後者に、前者が手術用具を使ってありとあらゆる拷問(というより生きたままの解剖)を容赦なく繰り広げる。目的はない。強いて言えば人生に絶望しているココに、苦痛から逃れたいという希望を与えることだろうか。MCは解剖学用語を駆使して自分の行為を逐一ココに解説し、脇役である「溶けた時計のような頭の男」がその残酷さを読者に代わって訴え、その言葉が行為の異常性を改めて強調する効果を生み出している。だがココは最後まで拷問(解剖)を拒絶しない。叫び声を上げない。「指は切断されるよりも折られる方が痛いわ」などと言って、むしろ苦痛を味わっているかのようである。男女の言葉だけに耳を傾けるのであれば、これは死にいたるセックスにほかならず、交わされている会話の調子と物理的な行為とのギャップが、その残虐さをかえって際立たせている。
 読み終わったときの後味の悪さ。しかしそれこそが本作の魅力なのだろう。言葉はどこまで人間を残酷にできるか。その難問に挑戦したかのような、悪魔的で救いのない、読者を選ぶ作品集である。幸せなままでいたければ読まないほうがいい。
平山ワールドと奇怪な表紙とのインナートリップ Date:2009-08-24
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『「超」怖い話』で平山氏を知ってから、ちょくちょく読んでいます。

本書は、表現が秀逸でえげつなく、読者の「原始の想像力」を
さかなでされる代表作がたくさん収録されていて、秀作です。
表紙絵の力(魅力、魔力)は、大きい。

ホラーでもない。怪談でもない。いわば、夜想小説、夢想小説、悪夢
と言えます。

本短編集は氏の代表作であり、かつ、キッカイなタイトル
「独白する」「ユニバーサル」「横メルカトル」という、謎めいた
題名、それと、シュールな表紙とあいまって、本の扉を開く前から
読者はすでに奇怪な世界へと足を踏み入れていきます。

・ニコチンと少年
・Ω(オメガ)の聖餐(せいさん)
・無垢の祈り
・オペラントの肖像
・卵男(エッグマン)
・すさまじき熱帯
・独白するユニバーサル横メルカトル
・怪物のような顔の女と溶けた時計のような頭の男

「ニコチンと少年」は題名がしゃれですが、空恐ろしくも気味が悪い傑作。
「オペラントの肖像」はどんでん返しがあって、推理小説風でおもしろい。
表題作は、実は、一連の収録作の中では、まだ「まとも」な話(設定は独特
ですが)と言えます。

夢明氏の作品は、一度とりこになると、クセになるような、そんな
毒と夢想を含んだ血肉と供物を含んだ、魅力的な「闇」の小説です。
読者は、自分でも気がついていない、自らのどす黒いリピドーを、まるで
鏡に映った自分の姿を見ておののくがごとく、新しい発見にたじろぐ可能性
大です。
タイトルと表紙絵にひかれて Date:2009-08-17
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ホラー小説などは好きな方ですが、残念ながら私にはこの本の面白さがわかりませんでした。
残虐描写ばかりで、その描写に深い意味も感じられずひとことで言えば「つまらなかった」です。
そういうのが好きな人は面白いかもしれません。
怖いもの見たさ Date:2009-07-27
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2007年の「このミス」第1位の作品の文庫化。当時読もうと思っていたんだけど、読まずにいたら、もう文庫化された。
しかし、悪夢だ。嫌悪感を催しながらもどんどん引き込まれていく。決して、ホラー好きというわけではないが、この本が読まれる理由は分かる。
怖いもの見たさなんだけど、それだけではなく、人間、誰しもが持つ狂気が日常に潜んでいる感覚が、淡々と描写されているのが不思議な魅力だ。
正常と異常の境目なんてなくて、人間はその混在状態が普通なんだろう。
でも、やっぱりホラーは自分には合わないな。気持ち悪いというより、このような小説に魅かれてしまう自分が怖いから。
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