死刑基準
価格:¥ 1,680 (税込)
出版:幻冬舎
カテゴリ:単行本
ページ:357頁
JAN:9784344015869
Amazon.co.jp 売上ランキング:本で110583位
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レビュー
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読んで損無し Date:2010-01-12 おすすめ度 ![]() 現役の弁護士さんによる書き下ろし法廷ミステリー。 さすが現役だけあって、法廷部分については基礎が座っていて安心して読めました。それに法曹家らしからぬ簡潔明瞭な文章がリーダビリティを上げています。ともすると法廷モノは法律言葉が多用されて難読なことが多いのですが、本作はそのようなことはなく、平易で読みやすい文章でした。 ミステリー的には、ちょっと狡いなと思うところもありましたが、なかなか良く出来ていたと思います。デビュー作とは思えない仕上がりです。本業の傍らではあるでしょうが、次回作を期待します。 死刑の存廃に関しては意見の分かれるところでしょうが、どちらの立場に立ってもすっきりとした後読感を味わえるところが印象深いです。著者がこの問題に対して真摯に向き合ってきたことが感じられ好感が持てました。 扱われる事件が残虐であるので映像化はどうかなと思はなくはないのですが、映像化されるのであれば、主人公の弁護士は竹野内豊氏がいいんじゃないかと思いました。 |
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世間の評価と実際の内容が少しだけ離れている Date:2009-05-06 おすすめ度 ![]() アマゾンや新聞など多くの書評を拝見すると(新聞の書評は著者のホームページで読める)、もうすぐ始まる裁判員制度と絡めて語られることが多いようだ。 これはネタバレではないと願いつつ、あくまで参考として記しておくと、この書はこんなタイトルでありながら、死刑に対して「賛成」「いや反対」という筆者の立場を鮮明にはしない。むしろ話の重点はサスペンスに置かれていて(死刑論10%、サスペンス90%)、全部読んでから「ああ、俺死刑●派だわ」と強制的に振り返らされるという、おそろしくも「勝手に考えやがれ」と突き放すタイプの書である。ここのレビューだけ見ても、評価が天と地でまるっきり分かれているのは、タイトルを見てこの本を手に取った時の期待の度合いの差なのではないか。 死刑は必要かという、重くそしておそらく永久に結論が出ない問題に対し、何らかの結論を求める人にとっては、ちょっとした肩透かしかもしれない。だけれど、著者本人も指摘するように、エンターテイメント性は非常に高く、気がついたら読み終わっているという塩梅だ(ぼくはこの本に休みをまるまる1日奪われた)。 こういうやり方もあるのか。してやられた感は残りつつ、思わずニヤリとせざるを得ない良書である。 |
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被害者の家族が死刑廃止論から死刑在置論に転向する様子がリアルだった Date:2009-04-10 おすすめ度 ![]() 弁護士である大伴の妻が強姦・殺害される事件が発生した。容疑者はすぐに逮捕され、強姦の容疑は認めるものの殺人については否認し続け、死刑を要求する検察側と刑期を軽くすることを要求する弁護側で大きく意見が分かれる。 裁判での検察側と弁護側の討論は読み応えがあり、逮捕された被告人が嘘の証言をしているのか別の真犯人がいるのか、事件の真相が少しずつ明らかになっていく様子が最後まで楽しめた。 また、死刑廃止論を支持していた大伴弁護士が、妻が殺害されたことにより、はじめて被害者の気持ちを理解し死刑在置論に転向する様子が実にリアルだった。物語の中で紹介されていた中国での公開処刑の様子や、死刑判決を受けた被告人が実は冤罪だった例などの話も死刑制度の要否を考えるうえで参考になった。ただ、タイトルの死刑基準というほど死刑の基準に焦点があてられている話ではなかったと思う。 |
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死刑、誤審、遺族感情、裁判のあり方を考えさせられる。 Date:2009-04-09 おすすめ度 ![]() 本書を単に法廷小説や推理小説として捉えずに、死刑論議、冤罪や誤審の危険、被害者遺族の苦悩等を描いた良い作品と思う。裁判員制度も絡めて、裁判の審議や、量刑について読者に考えるきっかけを与えてくれる。まず本書内で死刑廃止論か存置論かの意見が展開される。私は被害者(遺族)の救済を重視し厳罰主義を貫き、当然に死刑を存置すべきと考える。遺族の感情、救済については、従来は被害者遺族の苦しみには配慮が足らず、死刑選択基準に拘束される裁判官は死刑選択に慎重だった。だからこそ国民感情と乖離した判決も出された。裁判員制度では恐らく、裁判官は従来の量刑基準を引きずり無期懲役とし、裁判員は常識的な国民感情を反映して死刑を選ぶ場面が増えてくるだろう。そもそも2003年度の未決囚・受刑者にかかるコストは259億円強、それに対し犯罪被害者(遺族)への給付金はたったの4億7千万円強である(本書)。これは交通事故の場合より少ないものだ。量刑基準にしても被害者数が3〜4人なら死刑、それ以下なら死刑回避というのも疑問だ。死刑とは別に、意味のない無期懲役は終身刑に改正すべきだろう。死刑か外に出さないかいずれかの選択だ。凶悪犯を無期懲役にしても刑務所で更生出来ない。再犯率が非常に高い凶悪な性犯罪常習者を短期で塀の外に出していいのか。また今後更に増大する外国人凶悪犯罪も懸念される。金の為なら平気で強殺する彼らは、自国の刑法に比べ日本のそれを甘く見ているものだ。一方で本書では誤審の危険、冤罪の可能性が出てくる。確かにこれは怖い。しかし私は冤罪の可能性を回避する為に死刑を廃止する論には与しない。本書では凄惨な犯罪現場、犯人の思考回路、被告人の弁護人、捜査と誤審、量刑、被害者遺族の感情、その他考えさせられるテーマが多くあった。 |
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[死刑基準]がテーマではない小説 Date:2009-03-11 おすすめ度 ![]() 最後まで、興味を持って読むことができます。 ただ、鼻につく登場人物や設定が多い感じがする。 たとえば、出てくる人間のうそくさい感じ。それは主人公の恋人しかり、友人しかり。 そんなご立派な人がこんなくだらない事件を起こすかという素朴な疑問も読んだ後には感じるし、この被害者の女性の生き方を説得力を持って納得させるだけのものがない。苦しんでいる夫がばかにみえてくる。 しかも、出てくる女性は美人で、賢くやり手ばかり。 なんとなく事件の落ちにしらけるのは私だけではないでしょう。 |


