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既にそこにあるもの (ちくま文庫)

価格:¥ 1,365 (税込)
出版:筑摩書房
カテゴリ:文庫
ページ:445頁
JAN:9784480420497
Amazon.co.jp 売上ランキング:本で11994位
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レビュー
現代アートのもっとも素朴な形 Date:2007-05-14
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大竹伸郎の作品には新しさが無い?ポップ、ネオ・ダダ、ジャンクの複合に過ぎない?ではききたいがポストモダニズム以降どこの誰が全く新しい流派を編み出したというのであろうか?バーバラ・クルーガーだって、リチャード・プリンスだって、はたまたリヒターやポルケだって促成の概念の複合じゃないか...。村上隆や会田誠は革命的といえるほど斬新なのかい?

現代アートのポップ路線をアニメや漫画といった類でなく応用したら、行きつく先はこの大竹伸郎的な世界観である。さらに彼はセンスがいい、言い換えればウマイ。近代・現代アートの視覚効果エッセンスを感覚的にシッカリおさえ、なおかつ自分らしく彼らしく日本らしく現代らしく再構成してる。このバランス感覚が確実にセンスなのだ。

たしかに彼は圧倒的な存在ではないが、むしろポルケやキッペンバーガーのように実にテクニカルに素朴に美しく現代アートを紹介してるソフトなラウシェンバーグ的存在で、アートとエンタメの中間にその身をおいて妥当な道を歩んでる。コンセプトやアイディアが先行して、純粋に視覚的にカッコいいアートってのが影を潜めえるコンテンポラリー・アート界において大竹伸郎は清々しいほど常識的だ。

こういう主流があって、初めて裏をかく連中の存在が栄えるのだ。
革新性のない美術家 Date:2006-12-24
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1960年代までに既にそこにダダとポップアートとジャンクアートの燦然たる美術史があるのに、大竹はそこに何一つ付け加えられるものがない。ただ美術史に意図的に無自覚でいられる図抜けた、ふてぶてしさ以外には。ふてぶてしい個性が大竹の美術やエッセイを特徴づける。それは悪くはない。ふてぶてしい個性が彼の二流芸術家としての地位を確固たるものにしているからだ。しかし彼の芸術に過去の芸術を越え行くものが全くない以上、残念ながら、どうもがいても二流芸術家にとどまらざるをえない。そこに本エッセイ集のもどかしさの理由もある。
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