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セイジ

価格:¥ 1,470 (税込)
出版:筑摩書房
カテゴリ:単行本
ページ:185頁
JAN:9784480803641
Amazon.co.jp 売上ランキング:本で516648位
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レビュー
これは神話。 Date:2007-02-06
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 デビュー前の作品。それをどう筆を加えたのか加えていないのかわからないけれど、句読点の打ち方は荒っぽく、文章もたどたどしいところがある。でも、全体的には文章が流れて書き手の文才は確かなものだとも感じる。
 ストーリーの展開は、この人の作品には多く見られるけれど、自然を装いながら、でも、あり得ないものだ。あまりに嘘っぽい。
 でもいいんだ。これは神話だ。

 登場人物の発言も、作者の人生観をあからさまに代弁していて、少し臭い。鼻につくと感じる人もいるだろう。
 でも、いいんだ。
 作者は、言いたいことを言うために、計算を捨てた。読者にウケるかどうかなんて考えないで書こうとしている。シロートじゃん、そんなの。・・・そうかもしれない。素人っぽい作家なのかもしれない。
 けれど、物語のリアリティなんてくそくらえだ。ここで俺が言いたいことにリアリティを持って感じてもらえるかどうか、そこで勝負だ。
 そんな作者の声が、この作品からは聞こえて来るように思う。

 そして、僕には伝わった。
 人間を信じたいという気持ち。

「まぁ、アレじゃねえか。人間はよ、多かれ少なかれ、カナシイ思いをする為に生きてるんじゃねえのか」

 カナシイ人間を、信じたい。読み終わって、僕はそう感じた。
 そんなことを思わせてくれる本は、なかなか見つけられない。
いい話だけど Date:2006-01-11
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 ★のたくさん付きそうな良い話しです。でも、ちょっと待った。
主人公が急にアルバイトするところまでは許せる。でも、短い期間なのにすぐ他の登場人物と仲良くなったり、女性の昔の過去を打ち明けられたり、大事件が起こったり、その家まで行って・・・。
 とにかく私は何で何で?とストーリーのご都合主義的展開が気に掛かりのめり込むことができませんでした。
 ただ、良い文章を書く作家になる将来性はあるような気がします。その時はきっとこの作品は加筆修正となる気もしますが、文庫、中古なら買いです。
しみじみ。 Date:2005-12-25
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現在を語り合い、あるいは未来を語り合うことなどに何の興味もない、そんな場所に竜二は住んでいるような気がした。忘れかけたものへの回帰を促す小説である。
こんな風に生きてみたいけれど Date:2005-10-08
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辻内作品を初めて読みました。読み終わって、心にぽっと小さな灯りがともるような作品でした。

当たり前のように社会の中に身を置き、働くことが良いことと思っている人間にとっては、「セイジ」のような人間がいることに怒りを覚える人もいることでしょう。いろんなことが「見えすぎる」ために苦しむ「セイジ」。
動物保護団体のおばちゃんに投げつけた彼の言葉に、はっとさせられる人は多いはず。群れの中で行動しているといつの間にか本質が見えてないこと、ありますよね。

「竜二」も、やはり組織に属さず生きている人間。こちらは正反対の兄の存在が竜二の個性を引き立たせ、「セイジ」以上にわかりやすい、説得力のある作品だと思いました。二人の息子に感謝しつつこの世を去る母のくだり、弟を最後に無言で見送る兄のシーンに涙がこぼれます。

響く/響かない Date:2005-10-01
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すなわち「人間は何の為に生きるのか」。あまりに語り尽くされたネタに挑んだ辻内智貴の「セイジ」は、あまりに読む人を選ぶ作品になってしまったと思います。なにいってんだと唾を吐きたくなる人もいるでしょう。もう一度考えてみなきゃなあと思う人もいるでしょう。そんな永遠の問いに対する答えが、この作品には散らばっています。バカじゃねーのなんて思わず、ひとつひとつ拾ってみて、自分なりに組み立ててみるのもまた、楽しいような気がします。
粗はたくさんあります。ようはこの音楽が、響く/響かない、です。無論私は響きました。
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