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錯乱のニューヨーク

原著 Rem Koolhaas , 翻訳 鈴木 圭介
価格:¥ 4,305 (税込)
出版:筑摩書房
カテゴリ:単行本
ページ:406頁
JAN:9784480836243
Amazon.co.jp 売上ランキング:本で158785位
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レビュー
すでに古典か Date:2009-11-20
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本書はすでに古典の領域に達しているのかもしれない、それは本書の以下の名言に象徴される。

p.9 マンハッタンは二十世紀のロゼッタ・ストーンである。
p.18 マンハッタンは進歩という名の演劇である。
   マンハッタンとは実利主義的論争の場なのである。
p.28 マンハッタンはパリの対立物であり、反ロンドンなのである。

やはり、ここにある目線は欧州人のもの!
エコノミック建築/都市のエコロジー Date:2009-05-07
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マンハッタンの歴史書というよりもマンハッタンの生態学と考えてみるのも、この本を捉える上で重要だと感じた。本書では「過密の文化」「ロボトミー」という言葉が出て来るが、都市/メトロポリスが持っている密度のポテンシャルがどのようにシステムとしてカスタムされて、ロボトミーとしての側面が構成されているかを見せてくれる。

平面方向に展開されるグリッドが作り出す冗長性と区画されて作られる各セルに流入する過剰なエネルギーが都市を形成する基盤と原動力となる。各セルは実験室となり、成果はその冗長性ゆえに他の全てのセルへと伝播していく。垂直方向では水平断絶されたスラブの積層によってあらゆる要素が隣り合う可能性を獲得する。複合化の流れはセルそのものを一つの都市へと仕立て上げていく。そこでの主役は「大衆」である、彼らはその「量」によって過密を達成し、新たな「質」を作り出す。

都市に住む大衆は単身者である。複合化された機能はたくさんの都市の住民が共有するダイニングであり、キッチンであり、シアターである。資本主義が行き着いた先が共産主義であったとはそのようなことである。より効率的に、合理的に、より経済的にと考えた結果が相反するものと繋がった。それはプロテスタントの禁欲が経済と繋がったように。

終わりなき変遷の連続を続けるマンハッタンの姿は、一回性の反復を繰り返し続ける永劫回帰の姿そのものである。資本主義に分裂症、ドゥルーズとガタリが紡ぎ出した世界観はレム・コールハウスによって建築化されていく。本書を読んで、改めてS,M,L,XLに出て来るベルリンの壁の文章におけるvoid,solidがなにかを考えさせられた。solidとは理性と知識そのものであり、voidとはまだ人間が制御し切れていない自然の領域であり、同時に人の動物的な側面に訴えかけて人を制御する非常に人工的なものでもある、本書を読んでそのように思われた。
ニューヨーク建築のイデオロギー分析 Date:2007-02-07
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オランダ人建築家コールハースは、本書でマンハッタンの発展形態をまるで「主体」の自己成長のように描写していく。自らをニューヨークの「ゴーストライター」と称するコールハースの叙述の方法に、「建築史」あるいはその語り口を知らない僕などは、終始とまどいを覚える。しかしそうした叙述手法が、ニューヨーク内在的なその発展の可能性と限界を語るうえで、有効であるということも読み進めていくと明らかになっていくのだ。彼の言うマンハッタンとは、欧州的な「歴史ブロック」を顧みない。格子状の街路構成は、置き換えと「過密化」による、無限とも思える開発自己運動を可能にしたのである。つまるところその資本主義的開発は、ニューヨークにおいてもっとも「自然」な空間布置を獲得したのだ。「摩天楼」の発生はその必然であり、そのものが「空想性/理想性/イデオロギー性」を体現していくのだ。(本書のコルビジェがそうであるように)あらゆる批評・批判はそれとして自然的傾向に充填されていく。そしてその限界は、「全否定」によってしか全面露呈されないということは、本書が書かれたよりもずっと後におきた、「九・一一」によって明らかになった、のかもしれない。
こうしたコールハースの叙述は、資本蓄積に純化されたニューヨークという都市を論じたからこそ、可能だったのかもしれない。しかし、グローバル化が席巻する今日、こうした「建築」のイデオロギー性に着目した世界都市の叙述の方法は、例えば上海、そして東京などを考察するうえでも、有意義ではないだろうか。
でも、あまりにも博識なコールハースの物語を、全面的に理解することは、僕にはできなかった。「ゴーストライター」についていくのは難しい。
『過密』への欲望 Date:2005-05-19
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 ニューヨークのマンハッタンというメトロポリスをその成り立ちの歴史を辿りつつ、可能性から限界まで、独自の視点から斬る。世界を代表する建築家である著者は、かつてハリウッドでシナリオライターを経験したこともあり、その文章による表現力は見事で、まるで小説を読むように楽しめる。ル・コルビュジェによる著書『建築をめざして』に並ぶ名著とも言われおり、「この書を読まずして、現代建築を語るなかれ」と磯崎新氏も指摘するように、建築に携わる者のみならず、広く読まれることが期待される。採用されている写真や図版も非常に印象的なものばかりである。
 文章自体はそれほど難解ではないが、その独特の言い回しを読み解く努力は必要である。著者の言葉を借りると「マンハッタンがそれ自身のメトロポリス的アーバニズム-過密の文化なるもの-を創造したという事実を明らかにするために書かれた」ものである。人間によって作り上げられ、自然に取って代わるまでに至ったメトロポリスの特殊性を、それに関わる多くの人間の欲望や意志を通じて生々しく描いている。決して望ましいとは思えない『過密』を望んで止まない人間の強い欲望が鮮明に描かれている。自分が何気なく住んでいる街のことを改めて考えさせられる経験である。
マンハッタン自身の物語 Date:2003-12-10
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オランダの建築家コールハースによる、ニューヨークマンハッタンの成り立ちを暴いた名著。それまで誰も語ろうとしなかったマンハッタンという場所について、独特の建築的、歴史的見地からその成り立ちを紐解いている。もう二十年以上前の書ではあるが、史実を追うだけでも十分に楽しめる。当然のことだが文庫版よりも図版が大きく分かりやすい。
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