ルポ資源大陸アフリカ―暴力が結ぶ貧困と繁栄
価格:¥ 1,995 (税込)
出版:東洋経済新報社
カテゴリ:単行本
ページ:326頁
JAN:9784492211823
Amazon.co.jp 売上ランキング:本で5336位
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ルポ資源大陸アフリカ ― 暴力が結ぶ貧困と繁栄 白戸 圭一 / 東洋経済新報社 ルポルタージュを読むなら、フリーライターよりも記者の方がいい。ような気がします。辺見庸氏然り。文章の安定感もありますが、感情的な要素が記者は入りづらいのかと。辺見氏は、ルポ以外ではよく偏りますが。 著者は、特派員としてアフリカを飛び回っていた毎日新聞の現役記者です。 アフリカといえば、治安の悪さと貧困。それらを裏付けるルポになっています。著者がそれを望んでいるかといえば、それだけではない、と随所で言いたげですが、でも仕上がってみればそれらしか無いほどの印象。 芸能人がドキュメンタリーっ...
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レビュー
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アフリカは人類のために Date:2009-12-23 おすすめ度 ![]() ルポ 資源大陸アフリカ 白戸圭一 東洋経済新報社 2009 毎日新聞特派員としてヨハネスブルグを拠点にアフリカ大陸をまさに縦横無尽に身の危険を顧みずに取材した白戸氏(1970−)の記録。取材は2004−2008に行われている。 南アフリカ、モザンビーク、ナイジェリア、コンゴ民主共和国、スーダン、ソマリアと言った国々が登場する。資源大陸と呼ばれ多くのレアメタルや金、ダイヤモンド、鉱物を産出するアフリカの国々。そこにはそれら資源を買う側の姿も見え隠れしている。決して日本はそれに関与していないとは言えないのである。暴力や犯罪を生み出す背景は決して単純な構造ではないであろうことは本書でも明らかである。国際社会とは何か、グローバリズムとは何を求めることなのか?援助という名の汚職支援は無かったのだろうか。 一つの答えとして終章で白戸氏は書く、 「地球規模の格差社会の底辺に置かれたアフリカかから染み出す犯罪などの負の側面は家具後の上で、競争礼賛で弱肉強食の道を突き進むのか。一方、先進国側も暴力の拡散に耐えきれず、資本主義の暴走に一定の歯止めをかけ、命の価値を平準化する努力に取り組むのか。私たちは今、命の価値を巡る一つの岐路に立たされているのではないだろうか。」 アフリカにほとんど係わりの無い方が本書を読まれると、アフリカというところは危険で腐敗し、訪問するような所ではないと思われてしまうかもしれない。 しかし多くのアフリカ諸国には、目をキラキラさせて明日の未来を夢見て勉強したり、サッカーに汗を流す多くの子供達が生きている。そしてそれぞれの国の文化や歴史がある。また大家族制の共同体を形成して助け合って生きて行く社会もあるのだ。植民地時代に列強国が勝手に引いた国境線に区切られた大陸を国際社会がどう対応していくのか一人一人が考えねばいけないのではないかと思ったのである。 |
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ルポたるものの見本。アフリカは発展途上ではなく発展の結果、人類の未来の先取り Date:2009-12-16 おすすめ度 ![]() 実査とインタビューで構成された冷静客観的な報告です。思い入れはあるが感情的な著者の意見を抑制した良い内容(最終章で初めて著者の考えが記されているのみ)。だからこそ随所に極めて的確な指摘がなされている。詳細な説明や描写に圧倒され、それらを見逃さなぬようにしたい。組織犯罪は巨大な所得格差が生じて成立する、強国が引いた国境線と民族的歴史的なそれとの不一致、経済成長で組織犯罪のうまみは増える、貧困と暴力は現在の国際的ITテクノロジーとグローバル社会にに支えられている、資源問題等々、まず目次を見てから読んでみてはどうだろう。そこに見えるのは、まざしく著者の記しているように、アフリカ問題はアフリカが発展途上だからでなく、現代社会の先進国経済と歴史的繁栄の結果であるということ。ここに報告されるアフリカは実は今後ますます加速されるであろう将来の世界情勢・地球規模の混迷を示唆する。自分ではなかなか知り得ないアフリカの実態をよく教えてくれました、相当な危険もあったはずです。ありがとうございました。しかしちょっと種としてのヒトもそろそろチェックメイトかなと思わされる内容です。 |
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強い衝撃を受けました。 Date:2009-11-22 おすすめ度 ![]() 日本にいるとアフリカというのは、はるか遠く彼方の国としか映らず、時事問題としては、ごくごくたまに簡素な形で聞こえてくるだけです。 ラフに書かれた紀行文としてもアフリカをテーマにしたものは数が少なく、その多くは暗いベールに秘められた未知な部分に包まれています。 それだけに本書は、アフリカ問題に対して、その背景を交え奥深い核心問題を捉えた貴重なルポです。 著者は新聞の特派員として、ハイリスクを省みず、頑なな執念と決死の勇気を持って乗り込んでいったのです。 これは簡単に出来ることではなく、ごく僅かな方々のみぞ実体験したものなのです。 生の声がビビッドに聞こえて来て、久々に強い印象が残りました。 よくぞここまで徹底したルポをして、こんなにも平和ボケしている世の中に震撼のアフリカ事情を知らせてくれたと思います。 本書を読んで、今まさしくアフリカで現実に起こっている事象に対してガツンとした衝撃を与えられ、同時にずいぶんとこころを痛めてしまうことと思います。 しかしながら、決して茹でガエルにならずに、現実を正面からきちんと見据え、理解した上で、どんな小さなことでも何らかの形で支援できたらと思います。 本書は少し価格が高いと思われるかもしれませんが、価格に相応しい情報を読者にインプットしてくれることは間違いがなく、是非とも手にとって読まれることをおススメします。 これほどリアルなアフリカ事情を書いている本は他にはありません。 著者はアフリカを愛しているからこそリアルに伝えています。 それを読者も十分理解し共有しながら、アフリカを読んでほしいと思います。 |
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素晴らしいルポだ。 Date:2009-11-02 おすすめ度 ![]() ◆本書「ルポ資源大陸アフリカ―暴力が結ぶ貧困と繁栄」の著者白戸圭一氏は、毎日新聞の元ヨハネスブルク特派員で、現在は政治部記者。本書は、著者がヨハネスブルク特派員だった時に、南アフリカ、ナイジェリア、コンゴ(旧ザイール)、スーダン、ソマリアで起こっている暴力の現場を取材し、毎日新聞本紙には(読者ニーズが少ないために)掲載しきれなかった部分をまとめたものである。アフリカの現状を伝える本である。 ◆まずはじめに書いておく。この本の内容は素晴らしい。 ◆アフリカには貧困がつきまとい、圧政君主と腐敗した政治が渦巻き、暴力が国中を支配している、というイメージが世界中の人々に植え付けられている一方で、最近読んだアフリカ絡みの本、ロバート・ゲスト「アフリカ−苦悩する大陸」や、ヴィジャイ・マハジャン「アフリカ 動きだす9億人市場」には、アフリカに住む人々だって平和を望んでいるし、経済的に豊かになりたいと思っているし、実際経済的に成功を収めつつある国だっていっぱいある、悪いことばかりじゃないんだよ、という論調になっている。 ◆1970年生まれの著者は、学生時代の1991年にニジェールを訪れたのを始め、大学院時代にアフリカ政治学を専攻、毎日新聞ではヨハネスブルク特派員と、アフリカに魅せられた人なのだろう。 ◆その著者をして、アフリカは貧困や暴力だけではないことを承知の上で、アフリカで起こっている暴力の連鎖、圧政、貧困、それら負のスパイラルをテーマに本書を書いている。 ◆発展しつつあるアフリカと、暴力の連鎖が渦巻くアフリカというのは、今の日本を「豊かな国」と見るのか「貧しい国」と見るのか、そのような違いなのかもしれない。だから、松本仁一「カラシニコフ」や本書のような負のテーマをメインに置いている本もあれば、前掲の「苦悩する大陸」「動き出す9億人市場」のテーマもある。 ◆惜しむらくは、本書は毎日新聞社の金で取材した成果を記した本なのに、なぜ毎日新聞社から出版されないのか。更にこれだけのルポを書ける記者が、なぜ政治部記者にならなければならないのか。また、時折著者が見せる「上から目線」。こういう部分に、日本の新聞社の問題があるような気がする。 |
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凄まじさとジャーナリストとしての真髄と。 Date:2009-10-03 おすすめ度 ![]() 「日経」書評欄で激賞されていた本著、その穏やかなタイトルに隠された実にヘビィで凄ましい1冊である。 毎日新聞ヨハネスブルグ特派員だった著者は、アフリカ圏48カ国をひとりで担当。虐殺、略奪、強姦が蔓延るこの地で、日本や欧米では大事件として報道される事柄が、人が虫けらの如く殺される事の常態化で、記事としての掲載が限りなくゼロになる事を痛感し、その暴力の背景を取材する事が、“今”のアフリカ諸国へのアプローチに繋がるとのスタンスで、劣悪な環境、身の危険を体験しながら、デンジャラスな地域に入り込み、危険な指導者や犯罪者たちにも突撃取材を敢行、斬り込んでいく。 南アフリカ、ナイジェリア、コンゴ、スーダン、ソマリア、、、。一方で民主化、目覚ましい経済成長を遂げながら拡張する組織犯罪、強盗、麻薬、人身売買。複雑混沌とする民族紛争、内戦、役人腐敗、更に見え隠れする欧米多国籍企業による搾取、環境破壊。この世の果てとも言える犯罪の巣窟、治安崩壊、汚職の極北に虐殺の嵐。根底にあるのは、より深まる絶望的なまでの格差、貧困。読み続けるうちに暗澹たる思いになってくると同時に、遠く安全な位置から眺望した人種差別廃止、民主化のうねりなどと言った甘っちょろい認識は脆くも崩れ落ちてしまう。 結局、過酷で辛苦な状況に置かれるのは、一般人、女性、子供ら弱者。決死の取材を通じて、彼らの言葉と共に掲載されるその現地の写真の数々に、胸を衝かれる。 |

