リスク〈下〉―神々への反逆 (日経ビジネス人文庫)
原著 Peter L. Bernstein
, 翻訳 青山 護
価格:¥ 750 (税込)
出版:日本経済新聞社
カテゴリ:文庫
ページ:317頁
JAN:9784532190804
Amazon.co.jp 売上ランキング:本で9694位
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レビュー
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未来を予測することに挑んだ賢人たちの壮大な人類史(上巻) Date:2009-08-18 おすすめ度 ![]() よく、ビジネス書で必読の一冊にあげられている本書。 ようやく上巻、下巻を読み終えて、満足しています。 確かに、現代ビジネスパーソンには、必読書ですね。 特に、金融や経済学に直接関わっていない方々でも、 リスクリテラシーが声高に言われている今日、リスクに 関わる人類の長く、壮絶な思想革命を知っていることは 重要なことだと思います。 タイトルにある「神々への反逆」とは、紀元前も入れて 数千年にわたる、人類の「不確実な未来に関する」壮大な 智慧の戦いの歴史です。不確実な未来をいかにして、予見可能な 範囲に帰着させるのか?これに数理論理的人類の英知を傾けた革新 の物語。 古代ギリシャに始まり、行動ファイナンス、遺伝的アルゴリズム に至る、「ものを数える」ことから「コンピュータを駆使した」 未来のシミュレーションに至る、ありとあらゆる、先人たちの 取り組みが、その人の個性や生き方も交えながら、あざやかに 展望していきます。 ぞの主軸は、著者が「はじめに」で語っているように、二つの 概念で包括されます。ひとつは、最善の意思決定は計量的手法と 数字に裏付けられた過去から敷衍できるというもの。もう一方は 未来への意思決定は、不確実性に対する主観的な信念で行うもの といえる。 著者が目指す、記述の到達点は、資本市場における合理的投資 や投資家行動の、今日の到達点にいたる、歴史を、哲学、数学、 確率論、統計学、ポートフォリオ理論、分散投資理論、デリバティブ や行動ファイナンスに至る智慧とビジョンとロジックを総括する ことにあるようですが、なにせ、カバーしている分野が広範囲 なことと、登場する歴史上の人物があまりにの有名かつ人数 が多く、読んでいて恐ろしくなってくるほどの大著です。 上巻では、古代ギリシャから、19世紀に至る、数学、論理学、 統計確率、物理学の進展を、正規分布、平均、偏差の発見までの 道のりを、革新者たちのエピソードを軸に時系列的に語っていきます。 |
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不確かな未来をより確実にするための、科学的アプローチ。偶然を必然にするために。 Date:2009-01-10 おすすめ度 ![]() リスク(未来に対する不確実性)をマネージメントするために、 過去の科学者や数学者たちがどのような思惟を巡らせていたのかを、 歴史的時系列に沿って紹介をしている本。 上巻では、かなり古代にまで回帰して、 - 数学の基本的な諸概念(ゼロの概念) - 確率論の確立。 - 実際にサイコロの目を振ることがなく、将来を予測できる (リスクマネージメント)の初めの一歩。 神様の運命によってではなく、ヒトの構築した理論で、 自分たちで運命を決定したり予測したりできるようになった、 その所以について。 ここで、上巻は終わっている。 おそらく具体的なリスクマネージメントや金融工学への応用は、 下巻で明らかにされるのかと思う。 リスクについての基盤がしりたいだけなのであれば、 いきなり下巻から読んでも特に問題はなさそうな本。 文庫本として発売されているが、内容はそれなりにテクニカルで、 それなりに興味がないと、読んでて結構大変だと思う。 運命に身を任せることに抵抗を感じる人には、 すごく知的にスリリングな本だと思う。 |
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リスクの概念というより歴史 Date:2008-09-22 おすすめ度 ![]() 歴史が好きな人は知的好奇心を刺激されると思う。 手っ取り早くリスクについて学びたい人には不向き。 数学がいかに実学としても役にたってきたのかを知ることができた。 人名がたくさん出てくるが、学生時代に目にした人が多い。 最後のほうで、デリバティブ(金融派生商品)がなぜ登場したのか、 何に有効で何をしたから問題になったのか、わりとわかりやすく 記載されている。(門外漢でもなんとなく理解できたつもりになった) 訳文がとてもしっかりしていて読みやすい。 文庫本でこれだけの内容を学べるので、買って損はしないと思う。 |
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「偶然」を如何に手懐けるかに関する思想史的批評!! Date:2008-04-06 おすすめ度 ![]() 人間には制御できるはずのない現象を 如何に人間に知覚可能で、再現可能な理論とするか、 あるいは、制御できるはずのない現象を、 如何に人間に知覚可能で、再現可能な標準とするか、 こうした近代科学を推進してきた力強い動機は、 科学の発展と同時に、陰ながら現代の投資理論の伏線となっていた、 とりわけ、リスク管理の重要な補助線となっていた… バーンスタイン氏が過去の科学者たちを多数登場させたうえで、 彼らの独自の理論をいわば叩き台にしながら、 株式・為替市場における「リスク」を主軸にして論じていく様は、 学術研究と呼ぶには、エッセー的要素が強いにしても、 いわば、投資理論における「リスク」概念の思想史的変遷ということはできるのだと思う。 個々の理論の思想史的な位置付けは読んでいただくしかないものの、 すべてではないことを承知で、以下に簡略化すれば、 1 カルダーノ 賭博 1 パスカル 三角形 2 ガウス 正規分布 3 ゴールトン 平均への回帰 4 マーコビッツ 共分散 5 ベルヌーイ 標本抽出 6 アロー 普遍的な保険 7 ラプラス 確率論 8 ポアンカレ 因果関係の潜在力 9 アインシュタイン 相対性理論 10 ライプニッツ 自然界の謎 11 ケインズ 確率論と合理性 といった人物と代表的な思想が叩き台にされる。 不確実性の中で意思決定を図るとはどのようなリスクがあるのか、 完全な、確実な情報がない中でどのように判断するのか、 リスクを見極めることに鋭い感覚をお持ちならば、 該当の思想かなり考え方なりだけでも、 ピンポイントで巻末の索引で検索にかけて、 そこだけ、じっくり読むほうがいいのかもしれない。 本書すべてを通しで読んだ身としては、 全部を読んでる間に、大きな株式・為替相場でのチャンスを うっかりと逃してしまうほどに時間がかかるというデメリットがある。 分量的にも内容的にももう少しスリム化できたならという希望を込めて、 「★★★★★」ではなく「★★★★」とさせていただきます。 |
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(上)は統計学の本(下)はリスクマネジメントの本 Date:2008-03-29 おすすめ度 ![]() 表題の「リスク」はどちらかといえば概念・総論を表す言葉であり、(上)では、その 歴史について、まずは統計学的なところから紐解いている。 ただ、(下)まですべて読み終えないと「リスク」全般にかかる総論までは、たどりつかない。 (下)の終盤で著者が述べているリスクマネジメントの未来の話は大変興味深い。 |


