父の椅子 男の椅子 (建築家宮脇檀・名作椅子コレクション)

価格: (税込)
出版:PHPエディターズグループ
カテゴリ:単行本
ページ:158頁
JAN:9784569615219
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エディターレビュー
   著者は建築家宮脇檀の長女。著名な父の思い出を娘が語るという本は無数にあるが、本書がユニークなのは、父のコレクションした名作椅子を一方の主役に据え、椅子とのかかわりで父その人を浮かび上がらせている点だ。

   ダイニングの椅子さえひとつひとつ違い、最盛期には200脚の椅子があったという宮脇家。生活のあらゆる場面で、それぞれお気に入りの椅子が使われていた。たとえばアアルトのキッチン・スツール。木製の丸椅子に小さな背もたれがついている。この椅子に腰をかけ、ジャガイモの皮をむいたりビールと文庫本をお供にタマネギをいためていた父のことを思い出した著者は、彼がいかに料理が好きだったかについて語りはじめる。また、仕事場に置かれていたル・コルビュジエ作「グラン・コンフォール」を取り上げた項では、この黒い皮の椅子を「玉座のよう」と形容し、いつもより偉く見える仕事中の父について書く。

   著者が結婚したとも、嫁入り支度にどの椅子を持っていくかが大問題。宮脇家でくつろぎの代名詞になっていたマレンコのソファーはすぐ決まった。ダイニングにはシンプルなヤコブセンのセブン・チェア。結婚を認めたものの内心はおもしろくない父が、椅子選びで相談されたのをきっかけにだんだん協力的になっていく過程を通じ、娘を手放す父親の気持ちが書き込まれている。そして、父が亡くなったとき、著者はアアルト作アームチェアのミニチュアをお棺に入れ、あの世で座る椅子をプレゼントするのだ。(松本泰樹)

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