日本奥地紀行 (平凡社ライブラリー)
原著 Isabella L. Bird
, 翻訳 高梨 健吉
価格:¥ 1,575 (税込)
出版:平凡社
カテゴリ:文庫
ページ:529頁
JAN:9784582763294
Amazon.co.jp 売上ランキング:本で57064位
おすすめ度:
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レビュー
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イザべラバード日本奥地紀行を読んで Date:2009-12-16 おすすめ度 ![]() 皆さんは歴史に少しでも興味がありますか? 歴史小説、過去の人々の日記、自伝を読んでその時代の空気、時間軸、距離感、環境、生活習慣、宗教、人生観、食べ物、服装から天候まで色々想像を巡らしたりはしませんか? もし、YESであれば、この本をお勧めします。 明治11年西南戦争などの士族の乱が治まったばかりの日本を江戸から北海道まで旅をした英国人女性の紀行です。 イザべラバードはインテリジェンスに溢れ、冒険心と好奇心に富んだ文明人です。 その感覚は、今われわれの横にいても何の違和感も感じさせない高い知性と旺盛な独立自尊心を持っています。 つまり、正に現代の読者自身がタイムスリップして明治11年の日本を旅し、そこで体験したすべてをを現代にレポートするという実現不可能な事が実現しているという真に驚くべき感覚の本なのです。 一ページ一ページが想像心を掻き立てます。 映画やTVの時代劇の映像に違和感と不信感を持っている人には正にベールをはがされる爽快感を味わう事が出来ます。 楽しみ方は無限のこんな本を読んだのは、これまで一千冊に近い本を読んできましたが、初めてです。 |
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著者の知性と行動力に頭がさがる Date:2009-07-28 おすすめ度 ![]() 本書は「明治初期に、東京から北海道まで旅したイギリス人女性の旅日記」と単純に紹介するにはあまりにももったいない。その徹底的な写実にこだわった観察力に、それを記憶し文章に残す知性と、自ら未踏の地をかきわけて進んでいく行動力により、明治日本をかなり詳細に、まるでその時代にタイムスリップした様な情景を読者の頭の中に作り出してくれる。またアイヌの生活に関してはかなり価値の高い歴史的資料を残している。 本書の一番の特徴は、庶民の生活が地域別に事細かに描かれていることであろう。異国に外国人一人という旅の中で、著者の日々の感想は最低限に、偏見にほどんど捉われず客観性を重視する日常の描写は、アイヌの生活を綴る後半に活かされ、そこで完全に一人の民族学研究者となって活躍している。またところどころ風景や土地に愛情が注がれた文章にも惹かれるものがある。 年表によると著者は、日本を発った後も、世界各地を旅していることがわかる。その執念とも言える知的好奇心とそれを行動にもっていく強靭な精神力には、全く頭が下がるばかりである。 |
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東洋のアルカディアに生まれて Date:2008-06-21 おすすめ度 ![]() 彼女にとっての「未踏の地」は、すでに何世代もの人々が歴史を築いている。 彼女はその歴史に触れる。僕らはそれを読み、喜びと、不快とを同時に受けることになるだろう。 彼女の感想は、西欧的だった。それは、今の僕らの感覚に近いだろうと思う。 文明開化、戦争、敗戦、高度経済成長、バブル崩壊。 時代を超えて、今の日本は確かに彼女が理想的だと思うような、技術や、生活が生産されただろう。 だが同時に、彼女が感嘆の声を上げた諸々の美しさは、もはや失われつつあるだろう。 彼女がアイヌを訪れる章は、日本人が失ったあらゆる素朴さを考えさせられる。 「祈りが空を穿つことができない世界、天の扉がすべて閉じられ、ただひとつ開いているのは傷つけられたものの涙が通る扉だけであるような世界、そのような世界について彼らが語るとき、彼らが教えているのはおそらくそのことである。」-レヴィナス- |
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ただ者ではない観察力と詩的表現力 Date:2007-11-22 おすすめ度 ![]() ・ 本書は、著者が妹へ送った手紙をもとにまとめたもの(明治時代の国際郵便事情に感心する)。日本語がわからない人間によるものとはにわかには信じがたい驚異的な情報収集力。後で加筆はしたのだろうが、一日当たりの執筆量が多い。外国人ならではの間違いはあるのかもしれないが、私が気付くものは皆無。 ・ そもそも中年スコットランド人女性が、元々の知り合いの同行無し(日本人青年を雇った)に、約130年前の日本の奥地を旅した行動力に、感動と若干の呆れ。病気、詐欺、強盗など様々な危険があったろうに。本人は予想していたであろうが、豪雨などの苦難に見舞われている。 ・ 一旦見学を断られた病院に、文書で許可をもらって再度訪問するなど、かなりの厚かましさも見せている(私も見習おう)。しかし、彼女のたくましさのおかげで、私はこうして過去の日本の状況を、客観的に詳しく知ることができるのである。また、師範学校、絹織工場も訪問している。 ・ 当時の地方の日本の不潔さなどが、たびたび描写されている。私は何度か発展途上国を旅したことがあるが、それから類推すると真実だと思われ、貴重な情報である。 ・ 日本人、アイヌ人文化の詳細な調査のみならず、自然の観察とその詩的な表現も高水準で、本書が未だに読まれていることに納得する。 ・ 挿絵がいくつかあるのは長所だが、一方、不満な点は地図が無いことと、漢字の振り仮名の少ないこと。旧名が多いので不便であり、出版社の配慮は不足している。 |
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東北日本の原風景 Date:2007-08-05 おすすめ度 ![]() 当時の東北地方の山村の生活がいかに文明とはかけはなれたものであったか、それが生々しいほどに描写されている。また、本の後半の大部分を裂いている北海道での探検では、北海道の雄大な自然とまだあちこちに自然の暮らしを営んでいたアイヌが詳しく書かれている。世界中を旅したバードだが、北海道の自然とアイヌのすばらしさには心底惚れ込んだようだ。明治の日本人の風俗や、北海道や東北の自然に興味のある人はきっと楽しめる本だと思う。 |


