伊藤ふきげん製作所

価格:¥ 1,575 (税込)
出版:毎日新聞社
カテゴリ:単行本
ページ:221頁
JAN:9784620314631
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エディターレビュー
ついこの間まで赤ん坊だった親戚の子が久しぶりに会ったら生意気な中学生になっていた──『良いおっぱい悪いおっぱい』から伊藤比呂美の育児エッセイを読み続けた人は、そんな驚きを感じざるをえないだろう。しかも、著者の境遇は激変している。夫と離婚し(子育てフル出場だった「夫」が「前夫」になってしまっているのは、感無量だ)、再婚した60代のイギリス人「ステップダッド」とアメリカ暮らし。まだ手が掛かる3歳の娘もいる。そして決定打が思春期にさしかかったカノコちゃんとサラ子ちゃん。言葉もわからない異国の生活でストレスがたまり、いらつき、むかつき、はては摂食障害に。
本書の山場は思春期の嵐に身も心も翻弄される娘との格闘である。著者は正面から向き合い、堂々と格闘する。うっとうしい、うんざりするとつぶやき、ときには「なんでこんなに他人の人生に首つっこんでるのかと考え」ながら、「今は、カノコを真っ正面から見つめ、自分の時間をカノコのために湯水のように使ってやろう」と性根をすえる。ハレモノにさわるように気をつかうことだけはしたくないと考える著者は、自分の過去、自分自身の葛藤を思い起こし、娘の苦しみを理解しようとする。ニキビや月経、性など、あかんぼう時代よりはるかに重いテーマと化した「からだ」についても正確に、肯定的に、おおっぴらに話し合い、受け止める。著者の育児エッセイに共通する姿勢がここにも貫かれている。思春期の子供をもつすべての親、思春期の嵐の渦中にある子供、そして自らの思春期を振り返りたいすべての大人にすすめたい。(栗原紀子)
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